交通事故で発生する足の外傷のひとつに足指の骨折(足趾骨折)があります。一見すると、足指の骨折は争いになりにくい印象を受けます。
しかし自賠責認定基準の実務では、少々難しいポイントが山積しています。本記事は、足指の後遺症を理解するヒントとなるように作成しています。
最終更新日: 2024/9/8
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足の指の骨には何があるの
足指は、たくさんの小さな骨から構成されています。足指の主な骨は下記のごとくです。
- 末節骨(第1~5末節骨)
- 中節骨(第2~5中節骨)
- 基節骨(第1~5基節骨)
一応、足の指の骨は上記のごとく14個ありますが、第5足趾では中節骨が欠損していたり、末節骨と中節骨がもともと癒合している人が少なくありません。
足指骨折(指節骨骨折)とは
足指の骨折は、交通事故で非常によく見かける外傷です。DIP関節、PIP関節、MTP関節などに及ぶ関節内骨折の事案では、痛みや可動域制限を残す可能性があります。
一方、指節骨の骨幹部で骨折する場合には、骨癒合しないケースも少なくありません。その理由は、靴を履くためにシーネ固定などの外固定を充分できないケースが多いことが理由です。
足指骨折(指節骨骨折)の診断
通常のケースでは、単純X線像(レントゲン検査)だけで骨折を診断できます。しかし、足指は中節骨が欠損していることも少なくないため、両側比較が重要です。
足指骨折の後遺障害
足趾の骨折は後遺障害等級は少々難しいと感じています。その理由は、同一後遺症に対して、複数の後遺障害等級が存在するからです。自賠責認定基準は下記のごとです。
足指の機能障害
7級11号
両足の足指の全部の用を廃したもの
9級15号
1足の足指の全部の用を廃したもの
11級9号
1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの
12級12号
1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの
13級10号
第2の足指の用を廃したもの
第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの
第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの
14級8号
1足の第3の足指以下の1または2の足指の用を廃したもの
足指の神経障害
12級13号
局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号
局部に神経症状を残すもの
足指骨折の後遺障害の摩訶不思議
ここまで、足趾の後遺障害の要件をみてきました。それでは、1足の第2の足指を含めた3の足指の用を廃したものの等級はどうなるのでしょうか?
労災補償障害認定必携では「1足の第1の足指以外の4の足指の用を廃したもの」(12級12号)と「1足の第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの」(13号10号)との中間に位します。
この場合には、12級11号には達しないので、準用第13級とするとされています。経験的には、第1足趾は比較的外傷に強く、第5足趾は弱いものの、他の足趾の外傷抵抗性は強弱つけ難いです。
このため、いろいろな足趾用廃パターンが出てしまうのが悩ましいところです。
【弁護士必見】足指骨折の後遺障害認定ポイント
足趾(足指)の可動域制限(機能障害)の原因として、足部への直接外傷だけではなく、脛骨骨折や足関節骨折も挙げられます。
脛骨骨折や足関節骨折で骨癒合を獲得したとしても、脛骨の表面を滑走する筋肉や腱とが骨と癒着してしまうためです。
このような事案では、足趾の可動域制限(機能障害)が残ります。特に足趾の可動域制限は、骨折部位から離れているため、後遺障害が等級認定されるケースが多いです。
異議申立てによって足趾(足指)の機能障害が後遺障害等級認定される可能性がありますが、整形外科専門医による医師意見書が必須と言えるでしょう。
足指骨折の後遺障害認定で弊社ができること
弁護士の方へ
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<参考>
【等級スクリーニング】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定
医師意見書
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<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定報告書
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画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。
弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。
<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
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まとめ
足指の骨折は、交通事故でよく受傷するケガの1つです。そして足指はもともとの骨が欠損している症例も多く、また外固定が難しいため骨癒合しないケースも少なくありません。
足指の骨折はいろいろな足趾用廃パターンが出てしまうので後遺障害等級が複雑です。整形外科専門医による正確な評価が望ましい外傷と言えます。
足指の骨折でお困りの事案があればこちらからお問い合わせください。
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