「症状の推移について」の「軽減」問題を考える

投稿日:2021年6月12日 更新日:

最近、異議申し立てに際して、「症状の推移について」に記載されている内容が理由で等級認定なされなかった事案がありました。具体的には、疼痛の初診時から終診時までの推移が「軽減」とされたためです。自賠責認定基準の他の要件はすべて14級9号を満たしていました。

 

私は整形外科医になって25年間も日々臨床に従事していますが、初診時と症状固定時を比較すると、ほとんどの症例である程度軽快します。むしろ、初診時と症状固定時の症状が不変という症例は見たこと無いと言っても過言ではありません。

 

このことは私に限らず、ほとんどの整形外科医の総意と言ってよいと思います。ところが、「症状の推移について」で「軽減」と記載されると、かなりの確率で非該当となってしまいます。

 

後遺障害は、治療を行ってもこれ以上軽減する見込みが無くなり「不変」となった症状が対象であり、初診時から症状固定時まで症状が「不変」だったことを意味するものではありません。

 

それにもかかわらず、「症状の推移について」で「軽減」とされると非該当となってしまうことには納得できません。「症状の推移について」には、実質的な選択肢として「軽減」と「不変」しかありません。

 

このため、自賠責認定基準を知らない一般の医師の多くは「軽減」を選択します。受傷時からの患者さんの症状推移からすると当たり前の選択肢だからです。

 

問題となっているのは、初診時から「軽減」したものの、最終的に「不変」となってしまった症状のはずです。このあたりの実臨床に則した判断を審査側もしてほしいものです。

 

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