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交通事故起因のCRPSの問題点
交通事故や労災事故の後遺障害で、CRPSという病名はしばしば目にします。CRPSとは複合性局所疼痛症候群の略称です。軟部組織もしくは骨損傷後(I型)または神経損傷後(II型)に分類され、当初の組織損傷から予測されるより重度で長期間持続する慢性の神経障害性疼痛です。
実際にCRPSのような症状をきたす症例は、日常臨床で目にすることが多いです。もちろん、程度には軽重があり、ほとんどの症例は軽症であり自然治癒することが多いです。
臨床家の使命は患者さんの治療です。したがって、CRPSを疑ったときには迅速に治療を開始します。このため、実際のCRPS症例の数よりも、診断名にCRPSがついている症例の方が圧倒的に多くなります。
CRPSは初期対応が重要なので、早い段階から介入すると重症化を免れることができる場合もあります。治療面ではメデタシなのですが、治療するにあたってつけたCRPSという病名は診断書等に残ることが多いです。
これが後遺障害診断書に転記されると、ややこしい事態に発展します。被害者の脳裏にはCRPSが焼き付きますので、当然後遺障害等級が認定されるものと考えるからです。
しかし、自賠責のCRPSの認定基準は厳格であり、少なくとも下記3つをすべて満たさないとCRPSと認定されません。
- 関節拘縮
- 骨委縮
- 皮膚の変化(皮膚温の変化や皮膚萎縮)
皮膚温はサーモグラフィを施行することで客観的に証明することが可能ですが、この検査が実施されることは、実臨床ではほとんどありません。
このため、実際にCRPSが認定されるケースは多くなく、争いの原因になっていると感じています。
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