脚短縮でSMD計測が妥当な事案を経験

投稿日:2019年2月2日 更新日:

以前、下肢短縮を SMD で計測するのは時代遅れであるということをブログ内で述べました。SMDでの計測はかなりアバウトで、1㎝程度の誤差は簡単で出てしまうからです。このこと自体は今でも大筋で間違いではないと思っているのですが、先日この考え方を覆される事案に遭遇しましたのでご紹介します。

今回の事案は脛骨骨折後の脚短縮なのですが、単なる脚短縮だけではなくて外反変形を伴う脚短縮でした。下腿が10°外反変形しているので、脛骨の顆間隆起中央から足関節中央部(天蓋中央)で測定した脛骨長よりも、SMD を測るとかなり短くなってしまいます。その理由はミクリッツラインが通常よりも大幅に外側にシフトするためです。

そして実際の歩容を見ても、かなり脚長差が残存しているようです。大腿骨頭中心から足関節中央までの実質的な脚長で考えても、脛骨単独の脚長差よりもかなり大きな脚長差として歩容状態を悪くしてしまいます。交通事故被害者の立場からすると、脛骨単体での短縮が1.5 cm であっても実質的な脚長差は3 cm になるのです。

このような事案では、脛骨の変形治癒としては15度未満なので変形での等級には該当しないのですが、脚短縮としては SMD ベースで見ると3 cm 以上の短縮ということになります。ただ脛骨だけを見ると短縮は1.5 cm 程度であり、実質的には3 cm の脚長差であるにも関わらず13級となってしまいます。

自賠責の認定基準では3 cm の脚長差をクリアしているため10級ですが 、純粋に骨折した脛骨だけの短縮としては13級になってしまうのです。このような症例では、被害者の立場に立つとやはり自賠責認定基準の方が妥当であると感じました。

前回のブログでは自賠責の認定基準をに対して否定的な考えを述べましたが、今回の事案を経験して、改めて自賠責の認定基準も理にかなっていると感じました。

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