脚長差計測法の問題点

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大腿骨や脛骨などの下肢長管骨骨折では、脚長差が問題となるケースがあります。成人では脚短縮が、小児では過成長による脚延長が発生しがちです。どちらも5、3、1cmがひとつの区切りになりますが、当落線上(?)の脚長差である場合には争いになることがあります。

 

下肢の短縮障害に関する後遺障害認定基準によれば、「上前腸骨棘と下腿内果下端間の長さを健側の下肢と比較することによって等級を認定する」とされています。上前腸骨棘と下腿内果下端間の長さはSMDと呼ばれており、臨床の現場でも多用されています。

 

臨床の現場で多用される要因は、測定が簡便だからです。単純X線像やCTなどの画像検査が不要であり、メジャーさえあればすぐに計測できるため、膨大な患者さんを診察する必要がある外来の現場で普及しました。しかし、1cm単位で正確な計測を行うことは不可能であることが問題点です。

 

それでは、単純X線像やCTなどの画像検査でSMDを測定すればよいのかというと、そうでもないのが難しいところです。そもそも何故、大腿骨大転子先端や脛骨天蓋中央ではなく、上前腸骨棘と下腿内果下端なのかというと、この2つの部位は体表から簡単に触知できるからです。

 

しかし、この2点を画像上で特定することは必ずしも容易ではありません。上前腸骨棘と下腿内果下端はかなり広い範囲を指すので、正確な部位をポイントすることが難しいのです。また、肢位や変形性膝関節症の有無によっても簡単に脚長が変化するため、1cm単位の計測が必要な自賠責の後遺障害認定基準にはそぐわない計測法なのです。

 

では実際にどのようにして測定すれば良いのでしょうか? 最も簡単なのは、立位脚全長を撮影することです。最近はデジタル化しているため、画像上で任意の長さを計測することが可能です。大腿骨であれば、大転子先端~顆間窩、脛骨であれば脛骨隆起~脛骨天蓋中央部を計測することで、ほぼ正確な脚長を計測することが可能です。

 

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