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関節拘縮の治療は長期化する|交通事故の後遺障害

 

今週の交通事故関連の話題

 

交通事故や労災事故において、治療期間はひとつの争点です。自賠責や裁判所では、外傷の種類によってある程度の相場感があるようですが、そのような「相場感」から乖離した事案は論争になりがちです。

たとえば、関節近傍骨折は関節拘縮を併発しやすいですが、ほんとうに関節拘縮を併発すると治療に時間がかかる傾向にあります。術後6ヶ月ほどして関節拘縮の残存が不可避となった場合には、そのまま治療を終了するのか手術治療に進むのかを決める必要があります。

ここで、手術治療を選択した場合には、授動術が選択されます。単に手術をしただけでは関節可動域が改善するわけではなく、手術を足掛かりにして強力にリハビリテーションを推し進めていきます。

このような治療経過をとるので、関節拘縮を併発した場合には治療期間が長くなることは仕方ありません。しかし、傍からみると何故通常と比較してここまで治療期間が長くなるのかを理解してもらえないことが多い印象を受けます。

具体的には関節拘縮を併発しているか否かに関わらず、治療期間が一定よりも長くなると、待ってましたとばかりに「お尋ね」が郵送されてきます。臨床医の立場では正直言って迷惑でしかありません。

臨床的な常識を延々と回答する必要があるので勘弁して欲しいと思うのですが、受け持ち患者さんのためと思ってがんばって記載しています。

このように単に骨折・靱帯損傷と言っても関節近傍骨折では通常の経過をとらない症例が少なくありません。このあたりの感覚は整形外科医にしか分からないので、丁寧に対応していこうと思います。

      nikkei medical    

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