知覚障害のデルマトームは妄信できない

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外傷性頚部腰部症候群のような脊椎疾患において、知覚障害はそれなりに重要な要素のひとつです。例えば頸椎においては、解剖学的にC4/5および5/6の椎間板ヘルニアが症状を出しやすいのですが、画像所見と身体所見が微妙にことなるケースが多いです。

 

 

四肢・体幹の皮膚感覚は、上の図のようなデルマトームに沿って分節状配置をしています。例えばC6(第6頚髄神経根領域)では母指・示指から上肢の橈側にかけての感覚をつかさどっています。ただし、杓子定規に皮膚の知覚がデルマトームにしたがって分布しているわけではありません。

 

個人差もありますし、実際の感じ方でも綺麗に帯状の分布を示さないことも多々あります。また疼痛に関しては関連痛もあるため、デルマトームから外れた部分に疼痛があるからといってC6領域が原因ではないとも言えないのです。このことは実臨床では常識なのですが、デルマトームを逆手にとって、少しでも外れていると「関連性が無い」と主張するケースを散見します。

 

これなどデルマトームが独り歩きしている一例なのですが、このようなケースでは他の症状をみながら総合的に判断する必要があります。このあたりは私たちのような医師でないと難しいかもしれませんが、少なくともデルマトームは絶対的なものではないということだけでも覚えておいて損はないと思います。

 

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