認知症や高次脳機能障害では、アパシーという障害を目にする機会があります。アパシーとは、意欲や自発性が低下して、周囲の出来事に対して無気力・無関心になった状態です。
本記事は、アパシーと認知症や高次脳機能障害の関係を理解するヒントとなるように作成しています。
最終更新日: 2024/5/13
Table of Contents
アパシーとは
アパシーは無気力・無関心の状態
アパシーは、意欲や自発性が低下して、周囲の出来事に対して無気力・無関心になった状態です。また、周囲の出来事だけではなく、自分自身のことさえ無関心になってしまいます。
アパシーの具体例
高齢者がアパシーを発症すると、これまできっちりした生活を送っていたのに、急に生活習慣が乱れたり、引きこもりがちになったりします。
また、部屋を掃除しなくなった、歯みがきしなくなった、入浴しない、着替えない、部屋中に服や下着が散乱するようになったなども、アパシーの症状の特徴です。
アパシーの原因
アパシーは基底核・前頭葉回路の障害
アパシーは、基底核、前頭葉の内側部、前帯状回などの障害が原因だと言われています。アパシーでは、これらの部位の血流低下を認めると報告されています。
アパシーの原因疾患
アパシーを発症する原因はいくつかありますが、最も多いのは認知症です。アパシーを発症する主な傷病を以下にまとめました。
- 認知症
- 脳梗塞
- パーキンソン病
- 頭部外傷
アパシーの症状
アパシーの症状は、無気力と無関心です。以下のような症状が現れたら、アパシーを疑います。
- やる気が出ない
- 感情の起伏が乏しい
- 自発性が低下する
- 周囲に無関心になる
- 思考力が低下する
- 集中力が無くなる
尚、いずれの症状も自覚症状が無いことが特徴です。周囲が患者さんの変化に気付いて、アパシーを発症していることが発覚します。
アパシーの治し方
生活習慣を改善する
アパシーを改善させるには、生活習慣を改善することが効果的とされています。十分な睡眠と食事を摂ることを心掛けましょう。
心理療法
アパシーでは、カウンセリングなどの心理療法も有効なケースがあります。また、リハビリテーションも含めた多職種による対応が重要です。
薬物療法
前述の方法でアパシーが改善しない場合には、抗認知症薬や脳代謝賦活剤が用いられるケースもあります。
【弁護士必見】アパシーは認知症や高次脳機能障害の症状
アパシーは、認知症や高次脳機能障害の症状のひとつとして発症するケースが多いです。しかし、本人には自覚症状が無いため、周囲が注意しないとアパシーの存在に気付きません。
周囲がアパシーの存在に気付かないと、認知症や高次脳機能障害であるにもかかわらず、長期間放置されてしまう事態も想定されます。
認知症や高次脳機能障害でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
<参考>
【医師が解説】高次脳機能障害が後遺症認定されるポイント|交通事故
【遺言能力鑑定】意思能力の有無を専門医が証明|相続争い
まとめ
アパシーは、意欲や自発性が低下して、周囲の出来事に対して無気力・無関心になった状態です。また、周囲の出来事だけではなく、自分自身のことさえ無関心になってしまいます。
アパシーは、認知症や高次脳機能障害の症状のひとつとして発症するケースが多いです。しかし、本人には自覚症状が無いため、周囲が注意しないとアパシーの存在に気付きません。
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