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骨挫傷の後遺障害認定は難しい
周知のように、自賠責において「骨挫傷」は鬼門の傷病名です。鬼の首を取ったかのように、骨挫傷ありとの所見がつけられた画像鑑定報告書を添付して異議申し立てされる事案が多いですが、ほとんどの事案で非該当になることは弁護士の先生であればご存知の通りだと思います。
骨挫傷の病態は正確には分かっていないのですが、おおむね骨組織内での出血もしくは骨折の前段階というコンセンサスが得られています。骨折には至っておらず、画像的には経時的に軽快するため、自賠責認定基準においても骨挫傷=後遺障害の対象とはならないと認識されています。
骨挫傷に対する自賠責の判断は誤っていないと思いますが、画像所見が比較的派手なので、被害者側からすると「こんなすごい所見があれば、間違いなく後遺障害に該当するだろう」と考えがちです。
非該当通知書では骨挫傷は経時的に軽快するため永続する後遺症には該当しないといった趣旨の定型的な文章がいつも記載されてくるので、慣れた弁護士であれば、骨挫傷=非該当という認識を持っている方もいらっしゃるかもしれません。
たしかにMRIでの骨挫傷は後遺障害の対象になりませんが、だからといって骨挫傷=非該当というわけではありません。画像以外の諸々の14級9号の自賠責認定基準を満たしているのであれば、骨挫傷の事案でも充分14級9号には該当する可能性があります。
ただし、これにはひとつ条件があります。同部位の傷病名が○○骨挫傷しかなければ14級9号が認定される可能性は低く、○○捻挫や○○打撲等の骨挫傷以外の傷病名が必要なのです。自賠責の建前上は骨挫傷=後遺障害には該当しないなので、骨挫傷以外の傷病名が必要となるのです。
この点を理解していないと、骨挫傷をきたすほどの大きな外力が加わった外傷であるにもかかわらず非該当になってしまうリスクが高まります。このあたりのフォローは被害者側の弁護士として必須ではないでしょうか。
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