交通事故で肩を痛めて腱板損傷と診断されたのに、後遺障害等級が「非該当」とされてしまい納得できない…。そんなお悩みを抱えていませんか。
腱板損傷は、画像検査だけでは後遺障害に認定されにくく、異議申し立てで正当な評価を得るには、専門的な知識と的確な準備が欠かせません。
本コラムでは、腱板損傷における後遺障害認定の基準、非該当となる理由、そして異議申し立て成功のポイントを分かりやすく解説しています。
後遺障害認定の結果に疑問を感じている方が、一歩前に進むための手がかりとなれば幸いです。
最終更新日: 2026/2/10
Table of Contents
- 1 腱板損傷で非該当になる理由
- 2 腱板損傷の異議申し立て手順ガイド
- 3 腱板損傷の異議申し立て成功のポイント【弁護士必見】
- 4 腱板損傷の異議申し立て成功事例(10級10号)
- 5 腱板損傷の異議申し立て成功事例(12級6号)
- 6 腱板損傷の後遺障害認定で弊社ができること
- 7 腱板損傷の異議申し立てでよくある質問
- 7.1 腱板損傷で後遺障害等級が「非該当」になるのはなぜ?
- 7.2 異議申し立てをする際、どんな資料を追加すればいいですか?
- 7.3 腱板損傷で認められる可能性のある後遺障害等級は?
- 7.4 主治医が後遺障害診断書を書いたが、内容に不安がある場合は?
- 7.5 画像で異常がないと異議申し立ては無理ですか?
- 7.6 手術を受けていなくても異議は可能ですか?
- 7.7 異議申し立てで認定が覆る確率は?
- 7.8 「加齢による変性」と言われたら?
- 7.9 関節可動域(可動域制限)が認められない理由は?
- 7.10 医師が異議申し立てに協力的でない場合は?
- 7.11 事故状況(物損)は影響しますか?
- 7.12 痛みが強いだけでは異議は通りませんか?
- 7.13 異議で等級が下がることはありますか?
- 7.14 異議申し立てが通らなかった場合の次の手段は?
- 8 まとめ
- 9 関連ページ
- 10 資料・サンプルを無料ダウンロード
腱板損傷で非該当になる理由
腱板損傷の後遺障害認定基準
腱板損傷は肩の運動障害をきたすため、交通事故や労災事故などでも後遺障害に認定される可能性があります。
後遺障害に認定されるには、肩関節の可動域制限や痛みなどの原因が、医学的に明確に認められる必要があります。
1. 神経障害(痛みやしびれ)
等級 | 認定基準 |
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
14級9号 | 局部に神経症状を残すもの |
神経障害(痛みやしびれ)が画像検査などの他覚的所見によって医学的に説明できる場合は、12級13号に認定される可能性があります。
12級13号が認定されなくても、症状が医学的に痛みやしびれが説明可能であれば、14級9号に認定される可能性があります。
2. 機能障害(肩を動かしにくい)
等級 | 認定基準 |
8級6号 | 上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの |
10級10号 | 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの |
12級6号 | 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの |
肩関節の可動域が健側の1/2以下であれば10級10号、3/4以下であれば12級6号の可能性があります。ただし、可動域制限だけでなく、それを裏付けるMRI検査での客観的所見が必要です。
非該当と判断されやすいケース
50歳以上で加齢に伴う陳旧性腱板損傷があると、MRI検査で新鮮な外傷性損傷だと判断されなければ、因果関係を否定されて非該当になります。
特に、受傷直後に強い肩関節痛や運動制限が無かった事案では、事故との因果関係を証明できず、非該当になりやすいです。

腱板損傷の異議申し立て手順ガイド
異議申し立ての流れと必要書類
腱板損傷の後遺障害認定が「非該当」となったら、異議申し立ては誰でも行えます。
基本的な流れは、損害保険料率算出機構や保険会社に異議申立書を提出して、再審査を求める形です。
必要書類は、異議申立書のほか、新たに取得した診断書や画像検査(MRIやレントゲン検査)、医師意見書、日常生活の支障を示す資料などです。
的確な医療証拠をあらためて整理して、書面で分かりやすくまとめることが重要です。審査結果は、通常2~3ヶ月以内に通知されます。
異議申し立ての申請先
異議申し立ての申請先は、初回申請が「事前認定」では任意保険会社経由、「被害者請求」では自賠責保険会社へ申請します。
異議申し立ての不服時は、さらに第三者機関である「自賠責保険・共済紛争処理機構」に申請可能で、紛争調停を無料で利用できます。
ただし、自賠責保険・共済紛争処理機構への申請は一度きりなので注意が必要です。
異議申し立ての費用と時間は?
異議申し立て自体の手数料は無料ですが、追加の診断書や画像検査、医師の意見書など新たに用意する医学的資料の費用は自己負担となります。
提出後の審査期間はケースによりますが、早ければ1ヶ月程度、内容により数ヶ月かかる場合もあるため、余裕を持って対応しましょう。
また、弁護士などの専門家へ依頼する場合は、相談料や着手金が別途発生しますので、事前に確認が必要です。
効果的な異議申し立てのための準備
効果的な異議申し立てには、医学的根拠の強化、つまり追加検査(MRIなど)や専門医による医師意見書の取得が重要です。
非該当理由を分析して、どこが不足と判断されたかを確認したうえで、その部分を証拠で補強することがポイントです。
腱板損傷の異議申し立て成功のポイント【弁護士必見】
非該当の原因を分析
腱板損傷で後遺障害認定が非該当となる原因として、交通事故との因果関係が無いと判断されるケースが多いです。
画像検査で腱板損傷を認めるものの、加齢性変化による腱板損傷と判断されてしまい、事故との因果関係を否定されるのです。
腱板損傷の異議申し立てでは、交通事故との因果関係をどう主張するかがポイントになります。
<参考>
後遺障害の異議申し立て成功のポイント|交通事故の医療鑑定
腱板損傷の後遺障害認定条件をクリア
後遺障害認定を受けるためには、交通事故と後遺症の因果関係、後遺症の存在を証明する検査所見、そして後遺障害診断書の記載内容が重要です。
腱板損傷の後遺障害認定条件を満たすためには、画像所見や疫学研究から、外傷性であることを客観的に示す必要があります。
<参考>
【日経メディカル】その腱板断裂、ホントに交通事故の後遺症?
異議申し立てでは新たな医証が必須
異議申し立てを成功させるためには、初回申請時に提出していなかった新しい医証(画像検査、診断書、医師意見書、画像鑑定など)が必須です。
非該当になった原因に応じた、再検査による画像や医師の追加診断書、医師意見書などを新たに用意します。
既存資料のみでは等級変更は難しいため、積極的に新しい証拠を補充して、症状や障害の客観的証明に努めましょう。
<参考>
腱板損傷の後遺障害認定ポイント
腱板損傷で後遺障害認定されるには、それぞれの後遺障害の認定基準をクリアする必要があります。
腱板損傷の後遺症が後遺障害認定されるポイントは、こちらのコラム記事でも紹介しています。是非、参照していただきたいと思います。
<参考>
肩腱板断裂の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定
腱板損傷の異議申し立て成功事例(10級10号)
事案サマリー
- 被害者:55歳
- 初回申請:14級9号
- 異議申立て:10級10号
50歳代で変性のある腱板損傷です。自賠責では3回異議申立てをしても14級9号(局部の神経症状)としか認定されませんでした。
弊社の取り組み
弊社にて精査したところ、事故を契機にして経時的にMRI検査で腱板損傷部位のサイズが拡大していました。
この点について医師意見書で主張したところ、10級9号(上肢の著しい機能障害)の後遺障害が認定されました。

<画像所見>
棘上筋腱の中〜大断裂を認める。
腱板損傷の異議申し立て成功事例(12級6号)
事案サマリー
- 被害者:32歳
- 初回申請:非該当
- 異議申立て:12級6号
30歳代が自動車運転中に正面衝突して受傷しました。MRIでは棘上筋腱滑液包面部分断裂を認めました。
自賠責保険に被害者請求したところ、腱板損傷と交通事故との因果関係を否定されて、非該当になりました。
弊社の取り組み
弊社で精査したところ、MRI検査では棘上筋腱滑液包面部分断裂に加えて、腱板を構成する筋群に筋萎縮や脂肪浸潤を認めませんでした。
「筋萎縮や脂肪浸潤を認めないのは新鮮外傷である証拠」「疫学研究で30歳代では変性断裂は存在しない」の2点を医師意見書で主張しました。
自賠責保険は、腱板損傷と事故との因果関係を認めて、12級6号の後遺障害が認定されました。

<画像所見>
棘上筋、棘下筋、肩甲下筋に筋萎縮や脂肪浸潤を認めない。
腱板損傷の後遺障害認定で弊社ができること
弁護士の方へ
弊社では、交通事故で残った腱板損傷の後遺症が後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。
等級スクリーニング®
現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。
等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的データ量をベースにしています。整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。
等級スクリーニング®の有用性を実感いただくため、初回事務所様は無料で承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。
<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

医師意見書
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。
医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した専門医が作成します。作成前に検討項目を共有して、クライアントと意見書の内容を擦り合わせます。
必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックで、意見書の質を担保しています。
弊社は、数千におよぶ医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例があります。是非、弊社の医師意見書の品質をお確かめください。
<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定報告書
事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。
画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの画像検査や資料を精査して、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。
弊社では、事案の分析から画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。
<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
腱板損傷の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ
弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。
また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。
もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。
尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。
弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解のほどお願いいたします。

腱板損傷の異議申し立てでよくある質問
腱板損傷で後遺障害等級が「非該当」になるのはなぜ?
腱板損傷で後遺障害等級が「非該当」と認定される主な理由は、交通事故との因果関係を否定されるケースが多いです。
また、画像所見が明確ではなく、可動域制限や疼痛などの障害が医学的に十分立証できていないケースもあります。
異議申し立てをする際、どんな資料を追加すればいいですか?
異議申し立て時は、前回提出資料の不足を補う新たな画像検査や診断書、カルテ、医師意見書、画像鑑定などを追加することが効果的です。
特に、腱板損傷の後遺障害認定基準に不足している点を補強するための医学的根拠を強化する必要があります。
腱板損傷で認められる可能性のある後遺障害等級は?
腱板損傷で認定されることが多いのは、14級9号や12級13号です。損傷の程度や症状、画像所見により該当等級が変わります。
症状や機能障害が重度の場合は10級が認められる例も稀にありますが、厳格な基準があり、詳細な医学的資料が求められます。
主治医が後遺障害診断書を書いたが、内容に不安がある場合は?
後遺障害診断書の内容に不安がある場合、後遺障害認定基準に詳しい弁護士や、弊社のような医療コンサルティングサービスに相談しましょう。
画像で異常がないと異議申し立ては無理ですか?
腱板損傷において、MRIなどの画像検査で明確な異常がないケースでは、異議申し立てしても後遺障害に認定される可能性はほとんどありません。
手術を受けていなくても異議は可能ですか?
手術を受けているか否かは、後遺障害認定に関係ありません。事故によって腱板損傷を受傷したことを医学的証拠で証明する必要があります。
異議申し立てで認定が覆る確率は?
全体では5%〜10%程度と低めです。単に「痛い」と主張するだけでは後遺障害に認定されません。
初回認定で不足していた医学的エビデンス(新たな画像検査や診断書、カルテ、医師意見書)を提示できるかどうかが成功の鍵となります
「加齢による変性」と言われたら?
最も多い非該当理由です。事故前の就労状況やスポーツ歴を整理して、事故を境に急激に症状が悪化したことを主張します。
また、事故態様の激しさ(衝撃の強さ)を資料で補強して、外傷性であることを主張します。
関節可動域(可動域制限)が認められない理由は?
腱板が切れていても、健側の肩関節の3/4以下に制限されていないと12級は認められません。
また、健側の肩関節の3/4以下に制限されていても、画像検査で可動域制限の原因を証明できなければ、後遺障害に認定されません。
医師が異議申し立てに協力的でない場合は?
医師は治療のプロですが、自賠責保険の後遺障害認定基準には詳しくない人がほとんどです。
弁護士を通じて後遺障害診断書の修正依頼や照会回答書の作成を依頼して、医師の負担を減らしつつ必要な情報を引き出す工夫が必要です。
事故状況(物損)は影響しますか?
大きく影響します。車の損傷が軽微だと「身体に強い衝撃は加わっていない」と判断されます。
ドライブレコーダーの映像や車両の修理見積書、現場写真などを提出して、腱板を損傷しうる衝撃があったことを証明してください。
痛みが強いだけでは異議は通りませんか?
自覚症状のみでは認定変更は困難です。他覚所見が必要です。痛みの医学的裏付けとして、画像検査や適切な治療経過が求められます。
異議で等級が下がることはありますか?
理論上はあり得ますが実務上は稀です。ただし新資料により既存等級の根拠が弱いと判断される可能性はゼロではありません。
弊社の10000例近い経験では、1例のみ異議申し立てで後遺障害等級が下がった事案がありました。
異議申し立てが通らなかった場合の次の手段は?
「自賠責保険・共済紛争処理機構」への異議申し立て、訴訟での後遺障害等級争いが考えられます。
ただし、医学的証拠が弱いと結果が変わらないことも多く、費用対効果の検討が必要です。
まとめ
腱板損傷による後遺障害認定では、肩の可動域制限や痛みが医学的に明確であることが重要です。
可動域が狭ければ10級や12級、神経症状が強ければ12級や14級に該当する可能性があります。
ただし、加齢性の変化と区別がつかない場合や、事故との因果関係が不明確だと非該当になります。
異議申し立てでは、MRI画像や医師意見書など新たな医証を用意して、医学的根拠を強化することが成功の鍵となります。
腱板損傷の後遺障害認定でお困りであれば、こちらからお問い合わせください。初回の法律事務所様は無料で等級スクリーニングを承ります。
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