交通事故によって腰椎捻挫(ようついねんざ)を負い、治療を続けたものの、後遺症が残ってしまった…。
それにもかかわらず、自賠責保険の後遺障害等級で「非該当」や想定よりも低い等級と判断されたら、大きな不満や不安を感じることでしょう。
認定結果に納得いかなければ「異議申し立て」を行うことができます。ただし、異議申し立てには専門的な知識や戦略が必要です。
この記事では、腰椎捻挫の後遺障害認定基準から、異議申し立ての具体的な手順や成功のポイントまで、役立つ情報を丁寧に解説しています。
最終更新日: 2026/2/7
Table of Contents
- 1 腰椎捻挫とは?よくある症状と後遺症
- 2 自賠責保険で非該当になった理由とは
- 3 異議申し立ての手順ガイド
- 4 腰椎捻挫の異議申し立て成功のポイント【弁護士必見】
- 5 腰椎捻挫の異議申し立て成功事例(12級13号)
- 6 腰椎捻挫の異議申し立て成功事例(14級9号)
- 7 腰椎捻挫の後遺障害認定で弊社ができること
- 8 腰椎捻挫の異議申し立てでよくある質問
- 8.1 後遺障害等級14級9号と12級13号の違いは何ですか?
- 8.2 どのような証拠を提出すれば、異議申し立てが成功する可能性が高まりますか?
- 8.3 異議申し立ての成功率はどのくらいですか?
- 8.4 異議申し立ての費用は?
- 8.5 異議申し立ては、何回までできますか?
- 8.6 異議申し立ての結果が出るまで、どのくらい時間がかかりますか?
- 8.7 医師意見書は必ず提出すべき?
- 8.8 腰椎捻挫で12級を狙うことは可能?
- 8.9 整骨院中心の治療だと異議申し立ては不利?
- 8.10 既往症(ヘルニア・変性)を理由に否定された場合、覆せる?
- 8.11 異議申し立ての期限はあるのか?
- 8.12 異議申し立てと訴訟ではどちらが有利?
- 9 まとめ
- 10 関連ページ
- 11 資料・サンプルを無料ダウンロード
腰椎捻挫とは?よくある症状と後遺症
腰椎捻挫の基本知識
腰椎捻挫とは、腰部の筋肉や靭帯、軟部組織が、外部からの衝撃によって損傷した状態です。
交通事故では急激な衝撃やひねりが加わることで発生しやすく、「腰部打撲」「腰部挫傷」ともいわれます。
主な症状は腰の痛みや違和感、動かしにくさで、安静やリハビリ治療によって徐々に改善するケースが多いのが特徴です。
後遺症が残るケースとは?
通常、腰椎捻挫は数週間から数ヶ月で回復します。しかし、痛みやしびれなどの症状が長期間残り、日常生活に支障をきたすケースもあります。
特に、画像診断で異常が見つからないのに症状が継続すると非該当になりやすく、異議申し立ての対象となるケースも少なくありません。
腰椎捻挫の後遺障害等級
等級 | 認定基準 |
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
14級9号 | 局部に神経症状を残すもの |
腰椎捻挫の後遺症が残ると、自賠責保険の後遺障害等級では「12級13号」や「14級9号」に認定される可能性があります。
特に、画像所見と身体所見が完全には一致しないが、症状の軽快が見られないと、14級9号に認定されるケースも少なくありません。
ただし、症状の一貫性や信用性が重視されるため、後遺障害診断書や通院記録が重要な資料となります。

自賠責保険で非該当になった理由とは
非該当のよくある原因
非該当になる理由として、画像検査で異常所見がない、症状に一貫性がない、治療期間が短い、事故との因果関係が不明確などが挙げられます。
腰椎捻挫は、後遺症を説明できるMRI検査やレントゲン検査などの客観的画像所見が得られにくいため、非該当となるケースが多く見られます。
自賠責保険の後遺障害認定基準のポイント
自賠責保険の後遺障害認定では、以下の点が重視されます。
- 医学的証拠(診断書や画像所見)
- 症状の一貫性
- 事故との因果関係
- 通院や治療の内容・頻度
特に、腰椎捻挫は主観的症状が多いため、客観的な証拠や医師の詳細な診断書、経過記録が重要なポイントとなります。
被害者請求時によくある落とし穴
よくある落とし穴として、後遺障害診断書の不備、通院回数が少ない、通院期間が短い、必要な検査が実施されていないなどが挙げられます。
また、被害者の症状の訴えが一貫していなかったり、軽微な事故のために後遺症との因果関係を証明できないと、非該当になりやすいです。

異議申し立ての手順ガイド
異議申し立ての流れと必要書類
異議申し立ては、非該当や14級9号などの認定された後遺障害等級に不満なケースで申請できます。
まず、審査を行った損害保険料率算出機構に「異議申立書」を提出して、再審査を依頼します。
その際、新たな診断書や画像検査、症状固定日後の通院記録、診療録、医師意見書、画像鑑定など新たな証拠が必要です。
後遺障害認定基準を満たすための客観的な医学的証拠(医証)を追加提出することが重要です。
<参考>
効果的な異議申し立てのための準備
異議申し立てを効果的に進めるには、前回の申請で不足していた部分を明確に把握して、追加で診断書などの医証を準備しましょう。
後遺症の存在を証明する資料が不足しているケースでは、医師の協力を得て、追加で画像検査や神経学的検査を実施するのも一法です。
腰椎捻挫の異議申し立て成功のポイント【弁護士必見】
非該当の原因を分析する
非該当となる最大の要因は、医療記録や画像診断で後遺症が残っている説明がつかない、通院頻度が少ない、事故規模が小さいなどです。
また、事故との因果関係や症状の一貫性にも疑義が持たれると、後遺障害認定は厳しくなります。
まずは申請資料や後遺障害診断書など、前回申請が却下された理由を詳細に分析しましょう。
<参考>
後遺障害の異議申し立て成功のポイント|交通事故の医療鑑定
後遺障害の認定条件を満たす
後遺障害認定には、症状の持続性・一貫性が重要です。適切な頻度で通院して、症状固定まで医師の診察を継続した記録が必要となります。
また、「医学的説明可能性」が求められるため、後遺症と事故との間に相当な因果関係が明確に記録されていることが重要です。
新たな医証を準備する
前回の非該当理由を踏まえて、不足している検査(MRI検査など)を新たに受けて、追加の診断書や医師意見書、画像鑑定を用意しましょう。
加えて、日常生活での支障等を具体的に記載した陳述書を添付することも、症状の実態や深刻さを主張するための有効な方法です。
<参考>
後遺障害12級13号と14級9号に認定されるポイント
12級13号では、MRI等による神経根症状や身体所見(知覚鈍麻・反射異常、深部腱反射など)の完全一致が、後遺障害認定の判断材料です。
14級9号は他覚的所見が乏しくても、自覚症状と通院状況、整合性のある症状経過が認められる場合に限って認定される可能性があります。
12級13号、14級9号とも、主治医が記載する後遺障害診断書と通院継続がポイントです。
腰椎捻挫で後遺障害認定されるポイントは、こちらのコラム記事でも紹介しています。是非、参照していただきたいと思います。
<参考>
腰椎捻挫の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定
腰椎捻挫の異議申し立て成功事例(12級13号)
事案サマリー
- 被害者:46歳
- 初回申請:非該当
- 異議申立て:12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)
交通事故後に腰痛と右下肢に放散する痛みが持続していました。痛みのため、半年以上通院を余儀なくされましたが、症状は改善しませんでした。初回申請時には非該当と判定されました。
弊社の取り組み
診療録を詳細に確認すると、受傷直後から腰椎椎間板ヘルニアに特徴的な「ラセーグ徴候陽性」と複数箇所に記載されていました。
MRIで、L4/5レベルに椎間板ヘルニア(矢印)を認め、右下肢痛は椎間板ヘルニアが圧迫しているL5神経根の知覚領域と一致していました。
脊椎外科専門医が診療録を確認したところ、初回申請時に見落とされていたため、これらの所見を丁寧に医師意見書に記載しました。
初回申請時には、椎間板ヘルニアが軽視されていたため、読影所見の補足も行いました。異議申立てを行ったところ12級13号が認定されました。

腰椎捻挫の異議申し立て成功事例(14級9号)
事案サマリー
- 被害者:39歳
- 初回申請:非該当
- 異議申立て:14級9号(局部に神経症状を残すもの)
受傷から8ヵ月通院しましたが、頑固な腰痛は改善せず、後遺障害診断書が作成されましたが、非該当と判定されたため、弊社に相談がきました。
弊社の取り組み
画像を脊椎外科専門医が読影したところ、事故の後から、L4/5椎間板高の減少(椎間板がすり減って高さが低くなる)が進行していました。
これらの所見について、医師意見書を作成して異議申立てを行ったところ14級9号が認定されました。

腰椎捻挫の後遺障害認定で弊社ができること
弁護士の方へ
弊社では、交通事故で受傷した腰椎捻挫の後遺症が、後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。
等級スクリーニング®
現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。
等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的データ量をベースにしています。整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。
等級スクリーニング®の有用性を実感いただくため、初回事務所様は無料で承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。
<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

医師意見書
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。
医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した専門医が作成します。作成前に検討項目を共有して、クライアントと意見書の内容を擦り合わせます。
必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックで、意見書の質を担保しています。
弊社は、数千におよぶ医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例があります。是非、弊社の医師意見書の品質をお確かめください。
<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定報告書
事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。
画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの画像検査や資料を精査して、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。
弊社では、事案の分析から画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。
<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
腰椎捻挫の後遺障害認定でお悩みの患者さんへ
弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。
また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。
もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。
尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。
弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解のほどお願いいたします。

腰椎捻挫の異議申し立てでよくある質問
後遺障害等級14級9号と12級13号の違いは何ですか?
12級13号は「局部に頑固な神経症状が残る場合」で、主に画像所見など客観的に損傷が証明できるケースです。
一方、14級9号は「局部に神経症状が残る場合」で、医学的根拠が薄くても症状が継続していると判断される場合に認定されやすいです。
どのような証拠を提出すれば、異議申し立てが成功する可能性が高まりますか?
異議申し立ての成功には、状況に応じて以下のような客観的な証拠を添付することが重要です。
<参考>
異議申し立ての成功率はどのくらいですか?
一般的に異議申し立ての成功率は約10〜20%とされ、初回申請で非該当だった場合は特に慎重な準備が必要です。
2023年度の成功率は、約10.7%でした。成功率を上げるには、新たな医学的証拠や専門家(弁護士)のサポートが重要になります。
<参考>
後遺障害の異議申し立て成功のポイント|交通事故の医療鑑定
異議申し立ての費用は?
異議申し立て自体に手数料などはかかりませんが、医師への診断書作成料や新たな検査費用、弁護士報酬などが必要となる場合があります。
異議申し立ては、何回までできますか?
異議申し立ては回数制限がなく、納得がいくまで繰り返し申請することが可能です。
しかし、新たに提出できる医証が尽きると結果が変わらないので、毎回しっかり準備することが重要です。
異議申し立ての結果が出るまで、どのくらい時間がかかりますか?
異議申し立ての審査期間は、通常1〜3ヶ月程度ですが、提出資料が多い場合や、追加調査が必要な場合はさらに長引く可能性もあります。
医師意見書は必ず提出すべき?
必須ではありませんが、因果関係や後遺症の蓋然性を医学的に説明できるため、異議申し立てではほぼ必須レベルの重要資料とされています。
腰椎捻挫で12級を狙うことは可能?
可能性はありますが、画像所見と神経学的異常所見など客観的神経障害の完全一致が必要です。単なる腰痛のみでは14級止まりが一般的です。
整骨院中心の治療だと異議申し立ては不利?
後遺障害審査では医師の治療が重視されます。整骨院中心の通院は医学的証拠力が弱く、異議申し立てでも不利になりやすいです。
既往症(ヘルニア・変性)を理由に否定された場合、覆せる?
既往症(ヘルニア・変性)があるからといって非該当にはなりません。後遺障害審査では、既往症も含めて審査されます。
一方、もし後遺障害に認定された場合には、既往症の程度によって、保険会社から素因減額を主張される可能性があります。
異議申し立ての期限はあるのか?
法律上の厳格な期限はありませんが、時間経過により因果関係立証が困難になります。認定結果が判明したら、早期に行うのが現実的です。
異議申し立てと訴訟ではどちらが有利?
異議申し立てでは、自賠責保険の後遺障害認定基準に準拠して審査されるので結論が変わりにくいです。
一方、訴訟では、自賠責保険とは異なる視点で判断されるため、認定結果が変わる可能性は相対的に高くなります。
まとめ
腰椎捻挫は、交通事故などの衝撃で腰の筋肉や靭帯が損傷するケガです。多くは短期間で治癒しますが、後遺症が残るケースもあります。
自賠責保険で後遺障害等級が認定されるには、医学的証拠や症状の一貫性が重要で、不十分な資料では非該当とされます。
追加の診断書や画像検査を揃えて異議申し立てを行うことで、12級13号や14級9号の認定される可能性があります。
腰椎捻挫の後遺障害認定でお困りであれば、こちらからお問い合わせください。初回の法律事務所様は無料で等級スクリーニングを承ります。
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