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膝サポーターのデメリットと使用法の注意点|交通事故の医療鑑定・意見書

膝に不安を感じたとき、手軽に使えるサポートアイテムとして膝サポーターを選ぶ方は多いでしょう。

 

たしかに、関節を安定させたり、痛みを軽減するなど一定の効果が期待できます。

 

しかし、便利な反面、誤った使い方をすると筋力の低下や血行障害、かえって膝の機能を損なうリスクもあるのです。

 

特に、長時間の着用やサイズの不適合、リハビリを併用しない使い方には注意が必要です。

 

本コラムでは、膝サポーターの基本的な役割と利点に加えて、見過ごされがちなデメリットや使用上の注意点について詳しく解説しています。

 

適切な使用法を知ることで、サポーターの効果を最大限に活かしながら、膝への負担を最小限に抑える方法を一緒に考えていきましょう。

 

 

最終更新日: 2025/8/10

 

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Table of Contents

膝サポーターの基本的な役割と利点

膝関節のサポートによる安定性の向上

膝は体重を支える重要な関節であり、歩行や立ち上がり、階段の昇降など日常の動作で大きな負担がかかります。

 

膝サポーターを着けることで、膝関節まわりをしっかりと圧迫・固定して、ぐらつきを抑えます。

 

サポーターの圧迫や固定による物理的なサポート作用により、膝の不安定感が軽減されるため、術後やケガ後の不安定さがある人にとって有効な補助具となります。

 

 

怪我予防としての役割

膝サポーターは強い負担がかかる運動や作業中に、関節や靱帯を外部から保護して、過度な動きを抑制することで怪我のリスクを減らします。

 

スポーツ時には、膝への負担が大きい動作中にサポーターが膝の安定性をサポートして、靱帯損傷や捻挫の予防に寄与することが期待されます。

 

特に膝への怪我を繰り返しやすい方や、怪我の既往がある方には積極的な活用が推奨されています。

 

 

運動パフォーマンスへの影響

膝サポーターは、脚全体の筋肉の無駄な動きを抑えて動作を安定させることで、運動パフォーマンスにも良い影響をもたらします。

 

実際に、歩行時の「足が出やすい」「階段の昇降がしやすい」というユーザーの声や、スポーツ競技中の膝の安定感向上が報告されています。

 

特に大腿部や膝周辺をしっかりサポートするタイプのサポーターは、筋力サポートを実感しやすく、競技中のパフォーマンス維持につながります。

 

 

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膝サポーターの主なデメリット

筋力低下のリスク

膝サポーターを長時間、かつ日常的に使用し続けると、膝関節を支える筋肉の活動が一部抑えられ、筋力低下を招く可能性があります。

 

特に大腿四頭筋やハムストリングスなど膝を保護する筋肉が弱くなると、サポーターに依存しやすくなり、サポーターを外したときに膝が不安定になりやすい傾向がみられます。

 

 

血行障害や皮膚トラブル

サポーターの締め付けが強すぎたり、長時間装着し続けたりすると、膝まわりの血行障害やうっ血を引き起こしやすくなります。

 

また、素材によっては皮膚のかぶれやかゆみ、蒸れなどのトラブルが発生することもあります。とくに汗をかく季節や傷・湿疹がある場合は注意が必要です。

 

 

他部位への負担増加

膝サポーターで膝の動きを強く制限し過ぎると、膝が担っていた衝撃吸収や動作分担の役割を、足首や腰、股関節など他の関節が補おうとします。

 

その結果、他部位の筋肉や関節に過度の負担がかかり、二次的な痛みや障害が発生することもあります。

 

 

膝本来の機能低下

サポーターへの過度な依存は、膝本来の動きや柔軟性、クッション機能を低下させることにつながります。

 

膝が本来持つべき衝撃分散や安定化機能が弱まることで、関節の可動域が狭まったり日常動作の質が落ちたりすることもあります。

 

 

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膝サポーターを使う際の注意点

締め付けすぎない

膝サポーターを必要以上に強く締め付けると、血行不良や圧迫痛、しびれを引き起こす恐れがあります。

 

きつすぎて膝や足の感覚に異常を感じた場合は、すぐに緩めてください。装着の際はフィット感を確かめて、軽い圧迫感が保てる程度に調整することが大切です。

 

 

装着時間を守る

サポーターの長時間装着は、血行障害や皮膚トラブル、筋力低下の原因になります。運動時や痛みが強いときなど必要な場面のみに限定して、安静時や就寝時は外しましょう。

 

症状やサポーターの種類による使用時間の目安については、医師や専門家の指示も参考にしてください。

 

 

痛みや違和感、皮膚トラブルがあれば中止する

装着中や装着後に痛みの悪化、しびれ、かゆみ、かぶれ、湿疹などの皮膚トラブルを感じた場合は使用を中止して、医師に相談しましょう。我慢して続けると悪化や新たなトラブルの原因になります。

 

 

リハビリや筋力トレーニングと併用する

サポーターは、関節や筋肉の負担軽減を助ける「補助具」ですが、長期的な依存は筋力低下などを招きます。

 

サポーターと併用して、膝周囲の筋力トレーニングやリハビリ運動を継続することが大切です。理学療法と組み合わせることで、より根本的な症状改善につながります。

 

 

 

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膝のケガで考えられる後遺症

関節の可動域制限

骨折や靭帯損傷、半月板損傷などによって膝を十分に曲げ伸ばしできなくなることがあります。強い制限が残ると歩行や日常生活に支障をきたします。

 

 

慢性的な痛み・神経症状

痛みやしびれが持続するケースも多く、レントゲン検査やMRI検査など画像診断で異常があれば重い等級が認定されることもあります。

 

 

関節の不安定感・膝が抜ける感覚

前十字靭帯や後十字靭帯損傷、半月板損傷の後遺症で多くみられます。膝がガクッと抜けるため、運動や階段昇降が不安定になります。

 

 

変形性膝関節症に進行するリスク

損傷や手術歴がある場合、数年後に軟骨のすり減りや変形性関節症に発展する可能性があります。

 

 

膝のケガで考えられる後遺障害等級

機能障害(膝関節の可動域制限)

等級

認定基準

8級7号

下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの

10級11号

1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

12級7号

1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

 

8級7号:1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの

 

  • 膝関節がほとんど動かない状態(関節可動域が10%以下)

 

 

10級11号:1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

 

  • 膝関節可動域が2分の1以下に制限された状態

 

 

12級7号:1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

 

  • 膝関節可動域が4分の3以下に制限された状態

 

 

 

神経障害(膝関節の痛み)

等級

認定基準

12級13号

局部に頑固な神経症状を残すもの

14級9号

局部に神経症状を残すもの

 

12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの

 

  • 画像所見などで痛みの原因を証明できるもの

 

 

14級9号:局部に神経症状を残すもの

 

  • 画像所見で痛みの原因を証明できないものの、治療内容などから痛みの存在を類推できるもの

 

 

 

変形障害(骨が治癒しなかった)

12級8号:長管骨に変形を残すもの

 

  • 大腿骨または脛骨の直径が2/3以下に減少したもの
  • 大腿骨が外旋45度または内旋30度以上回旋変形癒合しているもの

 

膝の骨折の変形障害は、骨折のCTを撮像することで判定します。

 

 

 

短縮障害(下肢が短くなった)

等級

認定基準

8級5号

1下肢を5センチメートル以上短縮したもの

10級8号

1下肢を3センチメートル以上短縮したもの

13級8号

1下肢を1センチメートル以上短縮したもの

 

膝の骨折では、1cm程度の下肢短縮は十分にあり得ます。

 

 

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膝のケガの後遺障害認定で弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、交通事故で受傷した、膝のケガの後遺症が、後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング®

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニング®の有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニング®を承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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膝のケガの後遺障害認定でお悩みの患者さんへ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

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尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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膝サポーターのデメリットでよくある質問

膝サポーターがダメな理由は?

膝サポーターは膝のサポートや痛みの緩和に一定の効果がありますが、長期間の使用や常時装着は、膝関節を支える本来の筋肉を使わなくなる原因になり、筋力低下や他の関節への過負荷、血行不良、皮膚トラブルなどを招く可能性があります。

 

サポーターを頼りすぎると、かえって膝への負担が増えて、状態が悪化する場合もあるため、使い方に注意が必要です。

 

 

膝サポーターは逆効果ですか?

膝サポーターの使い方を誤ると逆効果となるケースがあります。締め付けが強すぎる、長時間連続して装着する、サイズや目的に合わないサポーターを選ぶなど、適切に使われない場合は血行障害や筋力低下、他部位の痛みを引き起こすことがあります。

 

また、サポーターに依存しすぎると、自力での膝の安定性を維持する機能が低下する恐れがあり、サポーターを外した際に不安定さを感じることがあります。

 

 

膝サポーターは1日何時間つけるべきですか?

膝サポーターの装着時間については、「運動時や歩行時のみの着用」が基本とされています。日常生活に必要な場面でのみ使用して、安静時や就寝時は外すことが推奨されます。

 

一部のメーカーや医療機関では、運動時に「1回2時間程度を目安」とする使用方法が推奨されていますが、装着時間は個人の症状や目的により異なります。

 

 

膝サポーターは筋肉が落ちますか?

膝サポーターを長期間連続して装着し続けたり、常時依存すると、膝周囲の筋肉(特に大腿四頭筋やハムストリングスなど)を使う機会が減るため、筋力低下を引き起こすリスクが高まります。

 

サポーターはあくまで補助具であり、必要時のみの着用とし、リハビリや筋力トレーニングと併用することで筋力低下を防ぐことが重要です。

 

 

 

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まとめ

 

膝サポーターは、膝関節の安定性を高めて、術後やケガ後の不安定感を軽減する補助具です。

 

スポーツ時のケガ予防や運動パフォーマンス向上にも効果が期待されますが、長時間の使用や常時装着は筋力低下や血行障害、皮膚トラブルを招く可能性があります。

 

また、サポーターに頼りすぎると膝本来の機能が低下する恐れもあるため、装着時間や締め付けに注意して、リハビリや筋トレと併用することが大切です。

 

交通事故で受傷した膝のケガの後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。尚、初回の法律事務所様は無料で承ります。

 

 

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