交通事故に遭い、病院で「全治2週間」と書かれた診断書を受け取ったとき、多くの方が「この2週間ってどういう意味?」「その後も痛みが続いたらどうなるの?」と不安に感じるのではないでしょうか。
診断書の日数は治療の見込み期間を示すものです。しかし、賠償や保険の手続き、慰謝料の請求などに、どのように影響するのかは意外と知られていません。
特に「全治2週間」という診断は軽傷と見なされがちですが、実際にはその後も治療が必要なケースが少なくありません。
本記事では、診断書に「2週間」と記載された場合の意味や効力、そして慰謝料や保険請求との関係について、分かりやすく解説しています。
最終更新日: 2025/5/14
Table of Contents
交通事故の診断書に書かれる日数の意味は?
診断書で全治2週間と書かれやすい理由
交通事故の診断書で「全治2週間」と記載されることが多いのは、交通事故の賠償責任に関する基準、特に「自動車運転過失致傷罪」における処分が関係しています。
この罪では、被害者の怪我が「全治15日以上」を重大な傷害と判断し、加害者への処分が重くなります。
このため医師は、軽症と判断しやすい頚椎捻挫などのケースでは、全治2週間と記載するケースが多いです。
<参考>
頚椎捻挫の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定
診断書の日数は目安に過ぎない
診断書に記載される「全治○日」は、あくまで治療にかかるおおよその日数を示す目安であり、実際の治療期間を制限するものではありません。
被害者は、症状が改善するまで適切な治療を継続することが重要です。
治療が2週間を超えても問題ない
診断書に「全治2週間」と記載されていても、症状が改善しない場合は治療を継続することが可能です。
保険会社が治療費の打ち切りを打診してきた場合でも、医師の判断に基づき治療を続けることができます。
全治2週間でも慰謝料を請求できる
診断書に「全治2週間」と記載されていても、実際の通院日数や入院日数に基づいて慰謝料を請求することが可能です。
慰謝料の金額は、自賠責基準、任意保険基準、裁判基準(弁護士基準)などにより異なります
診断書で全治2週間の慰謝料相場
自賠責保険基準
自賠責保険では、入通院慰謝料が日額4,300円と定められています。ただし、実際の通院日数や治療内容により金額は変動する可能性があります。
例えば「全治2週間」と診断され、実際に14日間通院した場合、4,300円 × 14日 = 60,200円が支払われる計算になります。
任意保険基準
任意保険会社は、自賠責保険の基準を参考にしつつ、独自の基準で慰謝料を算定します。一般的には、自賠責基準よりもやや高額になる傾向がありますが、具体的な金額は保険会社や契約内容によって異なります。
弁護士基準(裁判所基準)
弁護士基準では、裁判所の過去の判例を基に慰謝料が算定されます。全治2週間の場合、通院14日間として約88,666円が相場とされています。
弁護士基準は、自賠責や任意保険の基準よりも高額になることが多いです。適正な慰謝料を得るためには、弁護士への相談が望ましいでしょう。
交通事故の後遺障害認定で弊社ができること
弁護士の方へ
弊社では、交通事故で受傷した後遺症に対する示談交渉や訴訟提起のために、さまざまなサービスを提供しております。
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等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。
<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定
医師意見書
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。
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医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。
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<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定報告書
画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。
弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。
<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
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交通事故診断書の日数が2週間でよくある質問
診断書に「2週間の加療」と書かれていたらどうなりますか?
診断書に「2週間の加療」と記載されていても、これは医師の経験に基づく治療の目安期間であり、実際の治療期間を制限するものではありません。
症状が継続している場合は、医師の指示に従い、適切な期間通院を継続することが重要です。
交通事故の診断書は何日以内に警察へ提出する?
交通事故で診断書を警察に提出する期限は法律で明確に定められていませんが、事故後できるだけ早く提出することが望ましいです。
特に、物損事故から人身事故への切り替えを希望する場合は、受傷後速やかに診断書を提出する必要があります。
むちうちの診断書は何週間と記載されますか?
むちうち症の診断書には、一般的に「全治2週間」と記載されることが多いです。
これは、むちうちがレントゲン検査やCT検査で明確な異常が確認しづらいため、医師が加害者の処分への影響を考慮して慎重に判断するためです。
全治2週間とはどれくらいの期間ですか?
「全治2週間」とは、医師が予測した治療の目安期間であり、実際の治療期間を制限するものではありません。
症状の回復状況に応じて、記載された期間以上の治療が必要になることもあり、その場合は医師の指示に従い、適切な治療を継続することが重要です
まとめ
交通事故で「全治2週間」と記載された診断書は、医師が治療期間を目安として示すもので、実際の治療を制限するものではありません。
この表記は、重大な傷害の基準となる「全治15日以上」を避けるため、軽傷と判断されやすいケースでよく使われます。
たとえ2週間と記載されていても、症状が続く場合は適切な治療を継続でき、慰謝料も通院日数などに基づいて請求可能です。
交通事故の後遺障害認定で、お困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
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