交通事故によるケガの後遺障害認定や裁判で「医学意見書」が重要な役割を果たすことをご存じでしょうか?
医学意見書は医学的知識に基づいて作成されます。後遺症の蓋然性や事故との因果関係を証明するため、異議申し立てに欠かせない医学資料です。
しかし、医学意見書の具体的な作成方法や依頼の流れ、費用について詳しく知る機会は少ないかもしれません。
本記事では、医学意見書の基本から有用性、依頼時のポイントを徹底解説しています。医学意見書の理解を深めて、依頼時の参考にしてください。
最終更新日: 2026/2/20
Table of Contents
医学意見書とは何か
医学意見書の概略
医学意見書とは、医師が患者の病状、治療経過、後遺症の有無、因果関係などについて医学的見解を示す文書です。
交通事故、労災、保険請求、訴訟などで使用され、診断書よりも踏み込んだ医学的評価や将来予測を記載します。
医学意見書には、各専門領域の医学的事実を、客観的かつ正確に記述することが求められるため、鑑定する医師には高い専門性が必要です。

医学意見書が求められる場面
医学意見書は、以下のような場面で使用されるケースが多いです。
保険会社、裁判所、弁護士などが必要とするもので、事故後の賠償や裁判における医学的な証拠として重要な役割を果たします。
医学意見書の記載内容
医学意見書には、カルテや診断書を基に、症状の経過や治療内容、交通事故と後遺症との因果関係や後遺障害の医学的判断などが記載されます。
さらに、画像検査や生理検査などのカルテに記載されている他覚所見を考慮しながら、医学論文などを引用して専門的な意見を記載します。
上記に加えて、交通事故や労災事故の医学意見書では、後遺障害認定基準に準拠して、クライアントから依頼された事案の証明や反論を行います。
また訴訟事案では、被害者側/保険会社側の立場にかかわらず、相手側の主張に対する反論を行い、その理由についても記載します。
<参考>
【日経メディカル】意見書で交通事故の後遺症が決まるってホント?
後遺障害認定における医学意見書の有用性
異議申し立てでは新規医証が必須
交通事故では、後遺障害の認定結果に不服があれば、異議申し立てを行うことができます。
異議申し立てでは、以前と同じ資料のみでは再審査で結果が覆る可能性は低く、新たな医学的証拠(新規医証)の提出が求められます。
新規医証として医学意見書は有効です。認定基準を熟知した専門医が作成した医学意見書を添付すると、異議申し立ての成功率を高められます。
後遺障害の非該当理由への反証
自賠責保険の等級通知書(非該当通知書)には、後遺障害等級が非該当となった理由が記載されています。
異議申し立てを行う際には、これらの非該当理由に対する医学的な反証が必要です。その反証の筆頭が医学意見書です。
専門医による医学意見書は、非該当とされた根拠に対して、医学的見地から反論を行い、後遺障害の蓋然性を主張する上で効果的です。
交通事故と後遺症の因果関係を証明
交通事故と後遺症との因果関係の立証には、診療録、画像などの各種検査、診断書を総合的に分析して、専門的見解を示すことが重要です。
これらの資料を基にして、医学意見書は事故と後遺症の因果関係を証明します。被害者請求や異議申し立てにおいて、強力なサポートになります。
訴訟では後遺障害の蓋然性を総合的に証明
訴訟では、後遺症の立証は後遺障害認定に直結します。医学意見書は、診療録や検査などを基に後遺障害の蓋然性を総合的に主張します。
各科の専門医が作成した医学意見書は、裁判所に対して客観的かつ専門的な証拠として提出でき、訴訟を有利に進める重要な資料となります。
医学意見書の作成手順
医学意見書の作成に必要な資料
医学意見書を作成するには、以下の資料が必要です。これらは診断や事故状況を詳細に確認して、適切な医学意見書を作成する基盤となります。
- 相談書(依頼時にお渡しします)
- 画像検査
- 後遺障害診断書
- 診断書
- 診療報酬明細(レセプト)
- 損害確認報告書 / 事故現場実況見分調書 / 交通事故証明書 / 車の損傷写真 など
- 後遺障害等級結果連絡書
- 診療録(カルテ)
資料の受け渡しは、安全で利便性の高いオンラインストレージを推奨しています。初回依頼時には、利用方法をご案内します。
依頼から納品までの流れ
1. 異議申し立てで使用する医師意見書
自賠責保険への異議申し立てや被害者請求で利用する医学意見書を取得する流れは以下のとおりです。
- 弊社による資料確認
- 等級スクリーニング®の見積書を提出
- 入金確認後、等級スクリーニング®結果を提出(電子データ)
- 意見書作成希望があれば見積書と検討項目(意見書の骨子)を提出
- 検討項目の了承を得た時点で、意見書作成開始
- 約4週間以内に意見書初稿を納品
- 意見書に修正点があれば調整
- 依頼者の了承を得た時点で請求書送付
- 入金確認後、医師の署名・捺印入り意見書原本を郵送
弊社では、医師意見書の作成に際して、意見書を作成する価値があるのかを評価するために等級スクリーニング®を推奨しています。
等級スクリーニング®を通じて、依頼者のニーズに合った医学意見書の作成が有効かどうかを評価します。
もし等級スクリーニング®が不要と判断される場合には、最初から医学意見書のお見積りをいたします。
ただし、効果が見込めない場合は、医学意見書作成の高額な費用が無駄になってしまう可能性があります。
このため弊社では、医学意見書をご依頼いただく際には、等級スクリーニング®の利用を強くお勧めしています。
なお、初めてご依頼いただく法律事務所様には、等級スクリーニング®を無料で提供しておりますので、どうぞご安心ください。
<参考>

2. 訴訟で使用する医師意見書
訴訟での医学意見書の作成には、全例で意見書作成可否調査を必須とさせていただいています。
意見書作成可否調査が必要な理由は、依頼内容が医学的に対応可能かを事前に確認するためです。ご依頼は以下の流れとなります。
- 弊社による資料確認
- 意見書作成可否調査の見積書を提出
- 入金確認後、意見書作成可否調査結果を提出(電子データ)
- 意見書作成希望があれば見積書と検討項目(意見書の骨子)を提出
- 検討項目の了承を得た時点で、意見書作成開始
- 4週間以内に意見書初稿を納品
- 意見書に修正点があれば調整
- クライアントの了承を得た時点で請求書送付
- ご入金確認後、医師の署名・捺印入り意見書原本を郵送
診療録(カルテ)、診断書、画像検査、事故や自賠責関連書類を分析して、依頼者のニーズに沿った医学意見書を作成可能かご報告いたします。
意見書作成可否調査と医学意見書の合計金額は、一般的な弁護士特約の範囲内で利用可能です。
尚、初回依頼の法律事務所様には、交通事故に関する意見書作成可否調査を無料で提供しています。
<参考>
【弊社ホームページ】意見書作成可否調査
医学意見書の作成に必要な期間
医学意見書の初稿提出は、ご依頼から4週間です。なお、特急対応が可能な場合は、追加料金(+2万円)で7営業日以内に初稿を納品いたします。
医学意見書の費用
医学意見書の費用体系(税抜)
概要 | 価格 |
整形外科 | 23万円 |
脳神経外科、脳神経内科 | 29万円 |
耳鼻科、眼科、歯科など | 29万円 |
精神科 | 31万円 |
訴訟加算(整形外科) | 4万円 |
訴訟加算(その他の科) | 1万円 |
多部位加算(3部位以上) | 3万円/数 |
特急対応加算 | 2万円 |
難事案加算 | 6万円~ |
反論意見書 | -5万円 |
医師意見書の作成に必要な費用は、基本料金をベースとして、上記表の加算・割引の要素で変動します。
交通事故による外傷は、整形外科や脳神経外科の日常診療であることから、基本料金での対応が可能です。
一方、他の診療科では、交通事故による外傷は比較的稀です。このため、認定基準を熟知した専門医を確保するための追加料金が発生します。
各種の加算・割引
1. 訴訟事案に対する加算
訴訟事案においては、
- 依頼者の主張に対する医学的整合性の確認
- 相手側の準備書面や医師意見書に対する反論
- 主張を医学的に裏付ける医学論文(エビデンス)の渉猟
など、医師意見書の作成に緻密な準備と大きな労力を要することから、追加料金が発生します。
2. 弁護士特約無し事案に対する割引
弁護士特約が無い場合には、割引対応を行います。特に、顧問契約を締結いただいている法律事務所様の事案では、大幅な割引が可能です。
また、弁護士特約の利用に際して、事前の見積書の提出が必要な場合にも迅速に対応いたします。
3. 納品時期による加算
通常は医師意見書の初稿提出までに、約3~4週間の期間を要します。一方、特急対応の場合には、7営業日以内に納品いたします。
<参考>
医学意見書による後遺障害認定事例
弊社では、年間数百件にわたる医学意見書を作成しており、その結果、後遺障害の認定件数も着実に増加しております。
以下に、医学意見書が後遺障害の認定に効果的であった事例を紹介しています。興味のある方は、ご参照ください。
- 【7級4号】医学意見書による高次脳機能障害認定事例
- 【10級10号】医学意見書による腱板損傷の後遺障害認定事例
- 【11級7号】医学意見書による圧迫骨折の後遺障害認定事例
- 【12級6号】医学意見書による手首骨折の後遺障害認定事例
- 【12級13号】医学意見書による頚椎捻挫の後遺障害認定事例
- 【12級13号】医学意見書による鎖骨骨折の後遺障害認定事例
- 【12級13号】医学意見書による脛骨高原骨折の後遺障害認定事例
- 【14級9号】医学意見書による頚椎捻挫の後遺障害認定事例
- 【14級9号】医学意見書による腰椎捻挫の後遺障害認定事例
医学意見書のデメリットと対策
多額の料金が掛かる
医学意見書の作成には高額な費用が掛かることがデメリットとして挙げられます。具体的な料金体系は、こちらに記載しています。
自己負担ゼロで医学意見書を作成できる?
しかし、実際には被害者が自己負担なしで医学意見書を作成できるケースが多く存在します。
これは、多くの自動車保険に弁護士特約が付帯されており、その特約を利用することで医学意見書の作成費用をカバーできるからです。
自動車保険に弁護士特約が付帯されている場合は、弁護士に相談して、特約を利用して医学意見書を作成できるか確認してみましょう。
医学意見書でよくある質問
医学意見書は本当に効果があるのか
異議申し立てにおいて、医学意見書が効果的であるのは、ごく一部の事案に限られます。
その理由は、後遺障害等級が想定通りに認定されなかった原因が、さまざまであるからです。
医学的証明の不足が原因のケースは、医学意見書が非常に有効です。しかし、事故態様や通院状況が原因なら、医学意見書の効果は限られます。
弊社では、等級スクリーニング®を実施することで、後遺障害が認定されなかった理由を明確にしています。
等級スクリーニング®の結果、医学的証明の不足が理由でなければ、医学意見書の作成はお勧めしません(希望があれば作成いたします)。
依頼者のニーズに合った医学意見書の作成は可能か?
依頼者の要望に沿った医学意見書作成が可能かは気になる点です。弊社では、意見書作成前に検討項目と概略を提出して内容をすり合わせます。
医学意見書と画像鑑定のどちらが望ましいのか?
弁護士から、医学意見書と画像鑑定のどちらが望ましいかという質問を受けることが多いです。
医学意見書には画像鑑定の内容も含まれるため、どのような事案にも対応可能です。一方、画像所見が争点のケースは、画像鑑定で十分です。
医学意見書は高額であるため、弊社では、どちらが適しているかを後遺障害認定基準に基づいて提案しています。
<参考>
反論意見書に対応できるのか?
弊社の専門医が相手側意見書を精査して、反論可能な点を書面で回答します。弊社意見書への反論では、割引価格で意見書を作成いたします。
医師が署名・押印した医学意見書の提出方法は?
医師が署名・押印した意見書を書面で提出します。参考文献も同封します。訴訟で時間的余裕がない場合は、先にPDFの提出も承っています。
医学意見書と診断書との違いは何ですか?
診断書は病名や治療期間など事実の証明ですが、医学意見書は事故との因果関係、後遺障害の程度、予後など医師の専門的評価を記載します。
法的紛争や等級認定では、詳細に記載されている医学意見書のほうが重視される傾向があります。
因果関係はどのように判断されますか?
受傷状況、症状の発現時期、画像所見、既往歴、医学的整合性などを総合評価します。
時間的連続性と医学的合理性が重要です。単なる可能性では足りず、医学的に相当因果関係が説明できるかが判断基準になります。
後遺障害の有無は何で決まりますか?
症状固定時に残存する症状が、医学的に説明可能で、客観的所見や検査結果と整合するかで判断されます。
日常生活や労働能力への具体的支障も重要要素となり、単なる自覚症状だけでは弱い場合があります。
医師はどの程度踏み込んで記載しますか?
医学的判断の範囲で、合理的に説明可能な内容を記載します。後遺障害や労働能力への影響など、医学的評価として意見を述べるのが一般的です。
不利な内容が書かれることはありますか?
医学意見書に不利な内容が書かれることはあります。依頼者に有利不利ではなく、医学的妥当性が最優先されます。
例えば、医師は中立的立場で医学的事実を記載するため、因果関係否定や症状軽微と評価される場合もあります。
このような事態を防ぐために、弊社では等級スクリーニング®もしくは意見書作成可否調査を提供しています。
まとめ
医学意見書は、医師が怪我や病気の状態を専門的に説明した文書です。交通事故や労災事故、遺言能力の争い、医療訴訟などで使用されます。
医学意見書は、後遺症と事故の因果関係や後遺障害等級の判定に重要な役割を果たします。作成には医証を基にした専門的な分析が必要です。
医学意見書の費用は高額ですが、自動車保険の弁護士特約を利用すると自己負担が軽減される場合があります。
お困りの事案があればこちらからお問い合わせください。初回の法律事務所様は無料で等級スクリーニング®を承ります。
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