頚椎捻挫(むちうち)という診断を受けたとき、仕事への影響が真っ先に気になる方が多いのではないでしょう。
「どのくらい休むべきか?」「仕事を続けるには何に注意すれば良いのか?」といった疑問は、頚椎捻挫が仕事に及ぼす影響を考えれば当然のことです。
本記事では、頚椎捻挫を受傷した時に仕事を休む期間や、その判断基準、仕事を続ける際の注意点について詳しく解説しています。
また、休業損害の受け取り方などの知っておきたいポイントも網羅して、頚椎捻挫による不安を軽減できるポイントにも触れています。
最終更新日: 2025/1/12
Table of Contents
頚椎捻挫(むちうち)で仕事を休むべきか?
頚椎捻挫で仕事を休む期間は?
頚椎捻挫で仕事を休む期間は、症状の程度や仕事内容に左右されます。一般的には、受傷後2週間程度の安静が推奨されていますが、休業は必須ではありません。
軽度の頚椎捻挫であれば、数日から1週間程度で症状が軽快する可能性もありますが、重度の頚椎捻挫や体を使う仕事の場合は、仕事を休まざるを得ないケースもあります。
仕事を休むとしても2週間が限度
もし仕事を休むとしても、せいぜい急性期である最初の2週間程度を限度とするべきでしょう。
仕事を休む期間が長引くと、職場や保険会社との調整が必要となり、経済的な負担が増す可能性があります。
頚椎捻挫で仕事を休む時の手続き
通院日以外も休める?
通院日以外の休業も、医師の診断による必要性が認められれば可能です。頚椎捻挫は、局所の安静が重要です。
このため、症状が強くて職務の遂行が困難な場合は、通院日以外に仕事を休むのも、やむを得ないと考えられます。
通院日以外の休業も休業損害の補償対象となりますが、医師の診断書が必要です。診断書があれば、休業損害補償を請求できます。
頚椎捻挫の休業損害はいつまでもらえる?
頚椎捻挫による休業損害は、事故発生日から症状固定日までの間、仕事を休んだ日数に応じて支払われます。
症状固定とは、治療を続けても改善が見込めない状態を指し、通常は事故後3~6ヶ月が目安です。
休業損害の補償を受けるには、定期的な通院と、事故による症状で休業が必要だったことを証明する医師の診断書が不可欠です。
症状固定後に保険会社との示談交渉も必要なので、通院記録や診断書を正確に管理しておきましょう。
頚椎捻挫で仕事を優先し過ぎるリスク
交通事故との因果関係を否定される
医療機関への通院頻度が低いと、交通事故と症状の因果関係が疑われて、保険会社から任意一括対応を打ち切られるリスクがあります。
<参考>
保険会社が治療の打ち切りを連絡してきた!対策どうする?|交通事故
損害賠償金が減額される可能性がある
頚椎捻挫の治療中に仕事を優先して通院が途切れてしまうと、慰謝料が減額される可能性があります。通院頻度が少ないと、症状が治ったと判断されるためです。
通院頻度が低いと後遺障害に認定されにくい
定期的な通院は、後遺障害に認定されるために重要です。通院頻度が低いと、症状の常時性や重症度を証明しにくくなり、後遺障害の認定が難しくなります。
<参考>
【日経メディカル】むち打ちが後遺障害に認定される必須の3条件
頚椎捻挫でも仕事を休めない時はどうする?
仕事帰りに受診する
とても忙しくても、仕事帰りに医療機関を受診して、適切な治療を継続することが重要です。
多くの医療機関は夜間診療を行っているため、勤務後の通院が可能です。定期的な通院は、症状の改善と補償を受けるために必要です。
整骨院を併用する
どうしても医療機関に通院できない場合は、遅い時間まで営業している整骨院を併用することも選択肢の1つでしょう。
ただし、整骨院のみの通院では、保険会社から任意一括対応を打ち切りされるリスクが高く、後遺障害に認定される可能性もありません。
必ず、医療機関に毎月2日以上は通院して、医師の診察を受ける必要があります。
<参考>
【日経メディカル】交通事故で接骨院通院が勧められない3つの理由
頚椎捻挫(むちうち)の後遺障害認定ポイント
頚椎捻挫(むちうち)の後遺症が後遺障害として認定されるためには、たくさんのチェックポイントをクリアする必要があります。
むちうちが後遺障害に認定される具体的なポイントを詳しく知りたい方は、コラム記事 1 およびコラム記事 2 を参照いただければ幸いです。
<参考>
頚椎捻挫の後遺障害認定で弊社ができること
弁護士の方へ
弊社では、頚椎捻挫による後遺症が、後遺障害に等級認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。
等級スクリーニング
現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。
等級スクリーニングは、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。
等級スクリーニングの有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニングを承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。
<参考>
【等級スクリーニング】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定
医師意見書
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。
医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。
医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。
弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。
<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定報告書
交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。
画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。
弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。
<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
頚椎捻挫の後遺障害認定でお悩みの被害者家族の方へ
弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。
また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。
もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。
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弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。
頚椎捻挫(むちうち)の休業損害
休業、失業、内定取り消し、専業主婦で計算方法が違う
休業損害は、被害者の立場や状況に応じて計算方法が異なります。給与所得者は事故前の平均収入、自営業者は確定申告の記録を基に計算されます。専業主婦は家事労働の価値を労働賃金に換算して評価されます。
一方、失業者や内定取消者でも、就労の可能性が認められる場合は一定額の補償が受けられることがあります。それぞれに応じた適切な証拠書類を揃えることが重要です。
補償開始は交通事故の受傷日から
休業損害の補償は交通事故の受傷日から開始されます。怪我により労働が制限された日から適用され、収入の減少分を補填します。
補償終了は症状固定まで
休業損害の補償は症状固定まで継続されます。症状固定の時点で休業損害の支払いは終了して、後遺障害がある場合は別途補償が検討されます。
休業した日だけ補償される
休業損害は実際に仕事を休んだ日数に対して支払われます。専業主婦の場合、家事労働が制限された日数に基づいて評価されることもあります。
後遺障害慰謝料とは
頚椎捻挫の後遺障害が残ってしまった精神的苦痛に対する補償金です。後遺障害慰謝料は、下の表のように後遺障害等級によって異なります。
後遺障害等級 | 後遺障害慰謝料 |
1級 | 2800万円 |
2級 | 2370万円 |
3級 | 1990万円 |
4級 | 1670万円 |
5級 | 1400万円 |
6級 | 1180万円 |
7級 | 1000万円 |
8級 | 830万円 |
9級 | 690万円 |
10級 | 550万円 |
11級 | 420万円 |
12級 | 290万円 |
13級 | 180万円 |
14級 | 110万円 |
後遺障害慰謝料の相場は?
頚椎捻挫による後遺障害慰謝料の相場は、後遺障害等級によって異なります。例えば、12級13号の場合、慰謝料の相場は約290万円、14級9号の場合は約110万円です。
後遺障害等級が高いほど慰謝料の金額も高くなります。また、弁護士基準を用いることで、より高額な慰謝料を受け取ることができる場合もあります。
後遺障害逸失利益とは
頚椎捻挫で首の痛みなどの後遺症が残ると、労働能力が低下してしまいます。労働能力が低下したために失うであろう収入の不足分に対する補償金です。
後遺障害逸失利益は、交通事故被害者の年収、年齢をベースにして、後遺障害等級に応じた労働能力喪失率と労働能力喪失期間で決まります。後遺障害逸失利益は、以下の計算式で算出されます。
基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数
後遺障害慰謝料の相場は?
頚椎捻挫による後遺障害逸失利益の相場は、後遺障害等級や被害者の年収によって異なります。一般的には、年収または平均賃金の5%から14%を数年から最大10年分として計算されます。
例えば、12級13号の場合、労働能力喪失率は14%、14級9号の場合は5%とされています。
頚椎捻挫の仕事でよくある質問
頚椎捻挫の安静期間はどれくらいですか?
頚椎捻挫の安静期間は、通常2~4週間が目安です。首を安静にすることで、回復を促進します。ただし、症状の重さや患者の体質により期間は異なるため、医師に相談してください。
過剰な安静は筋力低下を招くこともあるため、適切なタイミングでリハビリテーションを開始する必要があります。
軽いむちうちでも安静期間は必要なの?
軽度のむちうちでも、局所の安静は必要です。初期段階で適切に休養を取ることで、症状の悪化を防ぎます。
軽い症状でも無理をすると、慢性的な痛みや後遺症を引き起こす可能性があるため、早めの対応が重要です。
まとめ
頚椎捻挫(むちうち)で仕事を休むかどうかは、症状や仕事内容に応じて判断が必要です。軽度であれば休業の必要はありませんが、重症や体を使う仕事では2週間程度の局所安静が推奨されます。
休業損害の補償は、受傷日から症状固定日まで適用され、医師の診断書が必要です。通院頻度が低いと、損害賠償金の減額や後遺障害に認定されない可能性が高まります。
仕事が忙しくても、夜間診療や整骨院の併用を活用して、定期的な医療機関への通院が重要です。頚椎捻挫の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
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