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ピロン骨折の後遺症と後遺障害認定ポイント|脛骨天蓋骨折|交通事故

ピロン骨折(Pilon骨折)は、交通事故や高所からの転落などによって発生することが多い深刻な骨折です。

 

ピロン骨折は足首の骨折で、脛骨の下端部分の関節面が段違いになります。このため、骨癒合後も後遺症が残る可能性が高いです。

 

本記事では、ピロン骨折の後遺症について詳しく説明した上で、後遺障害に認定されるポイントを解説しています。

 

 

最終更新日: 2024/11/12

 

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ピロン骨折とは

ピロン骨折の概説

ピロン骨折(Pilon骨折)は、脛骨の遠位端に強い軸圧がかかることで発生します。ピロン骨折は、脛骨天蓋骨折とも言います。足首の関節内骨折であり、整復や内固定が困難なため、治療が難しい骨折です。

 

若年者では、高所からの転落や車の正面衝突などの交通事故で発生しやすいです。一方、高齢者は転倒や軽微な外傷でも発生することがあります。

 

 

Pilon fracture

 

 

ピロン骨折の症状

ピロン骨折の主な症状は、足首の痛み、腫れ、皮下出血、変形などがあります。足を着いて歩くことが困難であり、関節内骨折のため早期に体重をかけることが難しいです。

 

 

ピロン骨折の診断

ピロン骨折の診断は、主にレントゲン検査とCT検査によって行われます。これらの画像検査によって、関節面のズレ(転位)の程度を確認して、適切な治療方針を決定します。

 

 

ピロン骨折の治療

ピロン骨折の治療には、ギプスや装具での固定する保存治療と、骨のズレ(転位)を整復して金属で固定する手術治療があります。

 

保存治療、手術治療とも、足首の可動域を回復するためにリハビリテーションを行います。

 

 

Pilon fracture

 

 

ピロン骨折の後遺症

足首の痛みや腫れ

ピロン骨折後の足首の痛みや腫れは、長期間にわたって続くケースがあります。ピロン骨折は関節内骨折であるため、関節面のズレや軟骨の損傷が原因で、慢性的な痛みや腫れが残りやすいからです。

 

<参考>
関節内骨折の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

関節可動域の制限

ピロン骨折は、脛骨の遠位端に発生する重度の骨折であり、関節内骨折のため、関節可動域の制限が後遺症として残るケースが多いです。

 

足首の関節可動域制限は、日常生活において基本的な動作が困難になる原因となります。例えば、足首の屈曲や伸展が制限されるため、歩行や階段の昇降が難しくなります。

 

<参考>
【日経メディカル】ひどい骨折後に後遺障害が認定されなかった意外なワケ

 

 

 

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ピロン骨折で考えられる後遺障害

機能障害(足関節の可動域制限)

等級

認定基準

8級7号

下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの

10級11号

1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

12級7号

1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

 

8級7号:1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの

  • 膝関節がほとんど動かない状態(関節可動域が10%以下)

 

10級11号:1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

  • 膝関節可動域が2分の1以下に制限された状態

 

12級7号:1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

  • 膝関節可動域が4分の3以下に制限された状態

 

 

<参考>
足首の可動域制限が後遺障害に認定されるポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

神経障害(膝関節の痛み)

等級

認定基準

12級13号

局部に頑固な神経症状を残すもの

14級9号

局部に神経症状を残すもの

 

12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの

  • 画像所見などで痛みの原因を証明できるもの

 

14級9号:局部に神経症状を残すもの

  • 画像所見で痛みの原因を証明できないものの、治療内容などから痛みの存在を類推できるもの

 

 

変形障害(骨が治癒しなかった)

12級8号:長管骨に変形を残すもの

  • 大腿骨または脛骨の直径が2/3以下に減少したもの
  • 大腿骨が外旋45度または内旋30度以上回旋変形癒合しているもの

 

ピロン骨折の変形障害は、骨折のCTを撮像することで判定します。

 

 

短縮障害(下肢が短くなった)

等級

認定基準

8級5号

1下肢を5センチメートル以上短縮したもの

10級8号

1下肢を3センチメートル以上短縮したもの

13級8号

1下肢を1センチメートル以上短縮したもの

 

ピロン骨折の中でも、脛骨遠位全体の粉砕骨折では、1cm程度の下肢短縮は十分にあり得ます。

 

 

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【弁護士必見】ピロン骨折の後遺障害認定ポイント

レントゲン検査の2つの比較が重要

レントゲン検査は、ピロン骨折において重要な検査です。CT検査よりもレントゲン検査の方が重要なケースが多いです。レントゲン検査では、以下の2つのポイントを確認します。

 

  • 健側と比較する
  • 時系列で比較する

 

 

足関節は比較的小さな関節です。このため、関節裂隙が少し狭くなっただけでは分からないケースが多いです。健側と比較すると、患側の関節裂隙が狭くなっていることが明確になる可能性があります。

 

また、時系列で足関節の関節裂隙の変化を観察することも重要です。受傷後3ヵ月と受傷後1年を比較すると、関節裂隙の狭小化が明確になっている事案が多いです。

 

<参考>
足首の可動域制限が後遺障害に認定されるポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

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CT検査は必須

ピロン骨折は荷重が掛かる足首の関節内骨折なので、少しでも関節面のズレ(転位)が残っていると、外傷性変形性足関節症を併発します。

 

どれだけ上手く手術を行っても、完璧に整復することは困難なケースが多いです。また、仮に完璧に整復固定できたとしても、関節軟骨損傷は治せません。

 

このため、ピロン骨折を受傷すると、高率に後遺症が残ります。そしてピロン骨折の後遺症を客観的に証明するためには、CT検査が必須です。

 

CT検査の最適な撮影方法は、事案毎に異なります。CT検査の撮影法が不明であれば、こちらからお気軽にご相談下さい。

 

 

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ピロン骨折の後遺障害認定で弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、交通事故で受傷したピロン骨折の後遺症が後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニングは、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニングの有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニングを承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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ピロン骨折の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

Traffic accident patient

 

 

尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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まとめ

 

ピロン骨折は、脛骨の遠位端に強い圧力がかかることで起きる足首の骨折です。若年者では高所からの転落や交通事故で、高齢者では転倒で発生します。

 

主な症状は、足首の痛みや腫れ、皮下出血、変形などです。レントゲンやCT検査で診断して、ギプスや手術で治療します。後遺症には、足首の痛みと可動域制限があります。

 

後遺障害認定では、レントゲン検査やCT検査で関節症性変化を証明することが重要です。交通事故で受傷したピロン骨折の後遺障害認定に関してお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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