交通事故や労災事故で「リスフラン関節脱臼骨折」を受傷すると、しっかり治療しても後遺症が残る可能性があります。
痛みや歩行障害が残っているにもかかわらず、非該当や予想よりも低い等級に認定されたら、多くの方が異議申し立てを検討します。
その際に重要な役割を果たすのが医師意見書です。医師意見書は、医学的根拠を整理して、後遺症の実態や骨折との因果関係を解説する文書です。
本記事は、リスフラン関節脱臼骨折に関する医師意見書の基本知識から、取得方法、異議申し立てでの活用法までを分かりやすく解説しています。
最終更新日: 2025/11/3
Table of Contents
リスフラン関節脱臼骨折と医師意見書の基本を理解する
リスフラン関節脱臼骨折の原因と症状をわかりやすく解説
リスフラン関節脱臼骨折は、足の甲の骨(中足骨基部)と足根骨の間で生じる骨折で、転落や交通事故などの強い外力によって受傷します。
足部に激しい痛みや腫れが生じて、歩行困難になります。早期診断と適切な整復・固定が不可欠ですが、痛みが残るケースも珍しくありません。
<参考>
足骨折やリスフラン靭帯損傷の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故
医師意見書とは?診断書との違いと役割
医師意見書は、診断書よりも詳細に医学的評価を記載した文書で、後遺障害認定や裁判、保険会社との示談交渉などで重要な証拠となります。
診断書が病状や治療内容を記すのに対して、意見書は骨折と症状の因果関係や後遺症の永続性について、専門医の見解を述べる点が特徴です。
医学的知見をもとに作成された医師意見書は、異議申し立てや裁判の判断を左右する力を持ちます。
リスフラン関節脱臼骨折の医師意見書に盛り込むべき医学的要素
リスフラン関節脱臼骨折に関する医師意見書には、主に以下のような内容が記載されるケースが多いです。
- 傷病名
 - 治療経過
 - 後遺症の種類や重症度
 - 症状固定時期
 - 画像検査の結果
 - リスフラン関節脱臼骨折と後遺症の因果関係
 
これら以外にも、リスフラン関節脱臼骨折の後遺障害認定基準を満たしていることを、医学論文なども引用して解説します。

なぜリスフラン関節脱臼骨折では医師意見書が重要なのか
後遺症の存在を医学的に証明する
リスフラン関節脱臼骨折では、治療後も痛みや歩行障害が残るケースがあります。
こうした症状を医師意見書で詳細に説明して、画像検査や臨床経過をもとに「後遺症として残存している」ことを証明するのが認定の第一歩です。
特に、CT検査における関節面の不整像が痛みの原因になっていることを、詳細に解説することが有効です。
後遺障害認定基準を満たすことを証明する
後遺障害認定では、痛みなどの症状と画像検査や身体所見、治療経過が一致することが求められます。
医師意見書では、画像検査だけではなく、診療録や診断書などを精査して、後遺症の蓋然性や骨折との因果関係を証明します。
異議申し立て・訴訟での医学的根拠としての価値
後遺障害等級が不当に低いと感じたら、異議申し立てや訴訟提起を検討せざるを得ません。
医師意見書は、異議申し立てや訴訟において、当方の主張を裏付ける重要な医学的根拠となります。
医師意見書で、治療経過の一貫性や、痛みの医学的裏付けを明示することで、後遺障害等級が見直される可能性を高めます。
リスフラン関節脱臼骨折で医師意見書を活用する方法
異議申し立てで後遺障害認定を覆すための戦略
交通事故でリスフラン関節脱臼骨折の後遺障害等級が不当に低い場合は、新しい医証を追加提出して、異議申し立てする必要があります。
新しい医証としては、画像検査や診断書、診療録、そして医師意見書などが挙げられます。新たな医証が無いと、再審査の俎上に乗りません。
医師意見書では、リスフラン関節面の不整像などを提示して、痛みの原因を客観的に証明できるため、当方の主張の裏付けとなります。
示談交渉を有利に進めるための意見書活用術
医師意見書は、保険会社と示談交渉する際にも、当方の主張を裏付ける根拠として、重要な役割を果たします。
単なる診断書とは異なり、痛みや歩行障害などの医学的証拠が詳細に記載されているため、示談条件を有利に運ぶ材料となります。
裁判・調停での証拠資料としての位置づけ
裁判・調停において、被害者の後遺症の度合いを医学的に解説している医師意見書は、客観的な証拠資料として重視されます。
特に、リスフラン関節脱臼骨折は、画像検査の所見、治療経過、後遺症を医学的に記載することで、後遺障害認定の根拠となります。
リスフラン関節脱臼骨折の医師意見書を入手する手順
医師意見書を依頼する際の流れ
リスフラン関節脱臼骨折の医師意見書の取得は、まず相談書、診断書、画像検査、診療報酬明細などの必要資料を準備して、医療鑑定会社に依頼します。
見積金額の了承後、医師意見書の骨子案(検討項目)が提案されます。骨子案に問題が無ければ、約4週間で初稿(医師意見書案)が提出されます。
医師意見書案に問題が無ければ、費用を支払います。入金確認後に医師意見書の原本が発送される流れが一般的です。
作成に必要な資料・検査データ
リスフラン関節脱臼骨折の異議申し立てで使用する医師意見書の作成には、以下のような書類や資料が必要です。
- 相談書(依頼時にお渡しします)
 - 画像検査
 - 後遺障害診断書
 - 診断書
 - 診療報酬明細(レセプト)
 - 損害確認報告書 / 事故現場実況見分調書 / 車の損傷写真 など
 - 後遺障害等級結果連絡書
 - 診療録(カルテ)
 
症状や治療経過、日常生活の支障程度が分かる資料が多いほど、医師意見書の信頼性が高まります。
医師意見書の費用体系
概要  | 価格  | 
整形外科  | 23万円  | 
脳神経外科、脳神経内科  | 29万円  | 
耳鼻科、眼科、歯科など  | 29万円  | 
精神科  | 31万円  | 
訴訟加算(整形外科)  | 4万円  | 
訴訟加算(その他の科)  | 1万円  | 
多部位加算(3部位以上)  | 3万円/数  | 
特急対応加算  | 2万円  | 
難事案加算  | 6万円~  | 
反論意見書  | -5万円  | 
医師意見書の作成に必要な料金は、基本料金をベースとして以下の要素で変動します。
- 診療科目
 - 訴訟事案
 - 顧問契約の有無
 - 弁護士特約の有無
 - 納品時期
 
整形外科領域における一般的な事案では、20万円台の料金負担で各領域の専門医による医師意見書の作成が可能です。
弊社の医師意見書作成にかかる、加算や割引などの詳細は、こちらをご確認ください。
<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
作成期間の目安
リスフラン関節脱臼骨折の医師意見書を取得するまでの期間は依頼内容によります。一般的には4週間ほどで初稿(医師意見書案)が納品されます。
医師意見書案への修正依頼に、専門医が対応するのにかかる期間は、1~2週間のケースが多いです。
リスフラン関節脱臼骨折の後遺障害認定ポイント
リスフラン関節脱臼骨折が、適切な後遺障害等級に認定されるには、以下のような後遺障害認定基準をすべて満たす必要があります。
- 事故と症状に整合性がある
 - 後遺症と各種検査が一致している
 - 事故後から症状固定まで症状が続いている
 - 常に後遺症が存在している
 
シンプルに見えますが、すべてをクリアしている事案は少ないです。また、これら以外にも、たくさんの後遺障害認定基準が存在します。
医師意見書の価値は、後遺障害認定基準に足りていない要素を補強して、後遺障害の蓋然性を主張する点にあります。
この目的を達成するためには、医師意見書を受任する医療鑑定会社が、後遺障害認定基準を知り尽くしている必要があります。
リスフラン関節脱臼骨折が後遺障害認定されるポイントは、こちらのコラム記事で詳しく紹介しています。是非、参照していただきたいと思います。
<参考>
足骨折やリスフラン靭帯損傷の後遺障害認定ポイント【弁護士必見】
リスフラン関節脱臼骨折の後遺障害認定支援サービス
弁護士向けの支援サービス
弊社では、交通事故で受傷した、リスフラン関節脱臼骨折の後遺症が、後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。
等級スクリーニング®
現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。
等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。
等級スクリーニング®の有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニング®を承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。
<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

医師意見書
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。
医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。
医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。
弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。
<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定報告書
事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。
画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。
弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。
<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
被害者向けの弁護士紹介サービス
弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。
また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。
もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。
尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。
弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

リスフラン関節脱臼骨折の医師意見書でよくある質問
X線やCT、MRIでリスフラン関節の脱臼・骨折をどのように評価しますか?
リスフラン関節脱臼骨折の評価には、まずレントゲン検査で骨のアライメントや関節裂隙の異常を確認します。
次に、CT検査でリスフラン関節面の不整像を確認します。骨折部位を三次元的に評価することで、後遺症の存在を証明できます。
受傷から後遺症が固定するまでの治療経過で、どのような医学的ポイントが重要ですか?
治療経過で重要とされる医学的ポイントは、画像検査の所見、骨癒合の状況、痛みや腫脹の持続状況です。
術後に骨癒合が得られているのに疼痛が続く場合、その原因として何が考えられますか?
術後に骨癒合が得られていても疼痛が続く場合、リスフラン関節面の不整像や不安定性、そして関節軟骨損傷が主な原因と考えられます。
リスフラン関節の損傷が事故によるものか、既存の変形や加齢変化によるものかを区別できますか?
リスフラン関節症が、既往症か事故よるものかを区別するには、事故直後の画像検査が重要です。
受傷時にリスフラン関節症などの加齢性変化を認めなければ、症状固定期の関節症性変化は、事故によるものと判断できます。
異議申立書に添付する際、意見書に記載すべき最重要ポイントは何ですか?
異議申立書に医師意見書を添付する際、最重要となるポイントは「医学的根拠による後遺障害の具体的証明」です。
画像所見、身体所見、そして神経症状の推移を医師意見書に盛り込むことで、再審査時の説得力が飛躍的に高まります。
まとめ
リスフラン関節脱臼骨折は、足の骨が脱臼や骨折を伴って転位する重度の外傷で、交通事故などの強い衝撃で起こります。
治療後も痛みや歩行障害が残ることが少なく無いにもかかわらず、後遺障害認定では適切に評価されにくい傷病です。
そこで重要になるのが「医師意見書」です。医師意見書は、画像検査や治療経過を踏まえて、後遺症の存在や骨折との因果関係を示す文書です。
異議申し立てや裁判では、当方の主張を裏付けるための医学的根拠として重視されます。
リスフラン関節脱臼骨折の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。尚、初回の法律事務所様は無料で承ります。
関連ページ
資料・サンプルを無料ダウンロード
以下のフォームに入力完了後、資料ダウンロード用ページに移動します。
  
                  
                
            
                  






