交通事故で足首を骨折して治療を終えたにもかかわらず「後遺障害は非該当」や「予想より低い等級」と認定されて、納得できないと感じている方も多いのではないでしょうか。
特に、足首は、歩行や日常動作に大きく関わる関節であり、わずかな可動域制限や痛みでも生活の質に大きな影響を及ぼします。
しかし、後遺障害の等級認定では、そうした症状が正しく評価されないケースも少なくありません。
本記事では、足首骨折における後遺障害の「非該当理由」や「異議申し立ての具体的な手順」、そして認定を勝ち取るために必要な医学的なポイントを分かりやすく解説しています。
異議申し立てを検討している方にとって、後悔のない判断材料となる情報をお届けします。
最終更新日: 2025/7/27
Table of Contents
足首骨折で非該当になる理由
足首骨折の後遺障害認定基準
足首骨折後に後遺障害が認定されるには、関節の可動域制限や痛みが医学的に証明されていることが必要です。
1. 神経障害(痛みやしびれ)
等級 | 認定基準 |
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
14級9号 | 局部に神経症状を残すもの |
神経障害では、画像検査などで明確な異常が医学的に証明されると、12級13号に認定される可能性があります。
12級13号が認定されなくても、症状が医学的に説明可能であれば、14級9号に認定される可能性があります。
2. 機能障害(足首を動かしにくい)
等級 | 認定基準 |
8級7号 | 下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの |
10級11号 | 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの |
12級7号 | 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの |
足関節が強直して全く動かない場合には8級7号、可動域が健側の1/2以下であれば10級11号、3/4以下であれば12級7号に該当する可能性があります。
非該当と判断されやすいケース
骨折部に転位(ずれ)が無く、元通りにくっついているなど、症状が自己申告のみで、医学的所見に乏しいケースでは非該当になりやすいです。
足首骨折の異議申し立て手順ガイド
異議申し立ての流れと必要書類
異議申し立ては、まず「異議申立書」を作成して、適切な証拠書類(新たな診断書、医師意見書、検査画像など)を添付して提出することから始まります。
提出先から書式を取り寄せて、自分の主張や不服理由を具体的に明記します。新たな医証を加えることで、後遺障害に認定される確率が高まります。
異議申し立ての申請先
初回申請で「事前認定」を選んだなら加害者側の任意保険会社へ、「被害者請求」なら加害者側の自賠責保険会社へ、異議申し立て書と追加資料を提出します。
初回の申請方法を確認して、適切な提出先に新たな医学的証拠とともに書類を送付しましょう。
異議申し立ての費用と時間は?
異議申し立て自体には費用はかかりませんが、診断書作成や画像検査などに伴う実費が発生することがあり、数千円から数万円程度かかる場合もあります。
審査期間は2〜4ヶ月程度が目安ですが、事案の状況や準備書類によって前後します。
効果的な異議申し立てのための準備
異議申し立ての成功には、単なる不満の表明ではなく、新しい客観的証拠や追加資料の提出が不可欠です。
医師と連携して医学的根拠を整えて、前回認定時に不足していた要素を補う、具体的な資料を準備します。
足首骨折の異議申し立て成功のポイント【弁護士必見】
非該当の原因を分析
足首骨折の後遺障害申請が非該当となる主な原因は、後遺症の存在を証明する検査所見の不足、後遺障害診断書の記載内容の不備などです。
まずは、前回認定時の非該当理由と提出資料内容を細かく分析することが重要です。
<参考>
後遺障害の異議申し立て成功のポイント|交通事故の医療鑑定
足首骨折の後遺障害認定条件をクリア
認定条件を満たすためには、足関節の可動域制限や神経症状の存在を、画像検査などで客観的に示す必要があります。
「機能障害」は画像検査で明白な原因を特定できる必要があります。「神経障害」も画像所見があれば有利です。
異議申し立てでは新たな医証が必須
異議申し立て時は、前回申請時と異なる新たな医証(医師意見書、画像鑑定、画像検査、診断書など)の提出が強く推奨されます。
後遺障害診断書は、症状が続く医学的根拠、画像診断の所見などを盛り込むと有効です。医師と弁護士との連携で、客観的データを補強しましょう。
尚、新たな医証の添付が無ければ、異議申し立てで認定される可能性は無いことに注意が必要です。
<参考>
足首骨折の後遺障害認定ポイント
足首骨折で後遺障害認定されるには、それぞれの後遺障害の認定基準をクリアする必要があります。
足首骨折の後遺症が後遺障害認定されるポイントは、こちらのコラム記事でも紹介しています。是非、参照していただきたいと思います。
<参考>
足首骨折(足関節脱臼骨折)の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故
足首骨折の異議申し立て成功事例【12級7号】
事案サマリー
- 被害者:60代男性
- 認定等級:12級7号
本件は症状固定前の時点で相談を受けた事例です。
弊社の取り組み
レントゲン検査では変形の残存や関節症性変化を窺わせる所見はあるものの(赤丸部)、明確な他覚所見には至らないと判断しました。この点をクリアするために、CT検査の追加撮像を提案しました。
CT検査では関節面の陥凹と変形が残存していることが確認できたため(黄丸部)、後遺障害認定で非常に有益な所見となりました。
足首骨折の後遺障害認定で弊社ができること
弁護士の方へ
弊社では、交通事故で残った足首骨折の後遺症が後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。
等級スクリーニング®
現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。
等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。
等級スクリーニング®の有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニング®を承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。
<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定
医師意見書
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。
医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。
医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。
弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。
<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定報告書
交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。
画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。
弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。
<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
足首骨折の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ
弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。
また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。
もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。
尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。
弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。
足首骨折の異議申し立てでよくある質問
異議申し立てはどのような場合に行うべきですか?
異議申し立ては、後遺障害認定の結果が「非該当」や期待した等級よりも低かった場合、不服があるときに行います。
異議申し立ては何回でもできますか?
自賠責保険へは時効にならない限り、何度でも異議申し立てが可能です。ただし、同じ内容の繰り返しではなく、毎回新たな証拠や資料を添付して申請し直す必要があります。
一方、共済紛争処理機構への異議申し立ては一度限りとなります。時効や請求権の消滅に注意が必要です。
異議申し立てには期限がありますか?
異議申し立て自体に厳密な回数制限はありませんが、多くの場合は処分通知書の受領日から2ヵ月以内に申し立てるのが一般的です。
また、損害賠償請求の時効(通常3年)が進行している場合、その間に申し立てを繰り返していると時効にかかる恐れもあるため注意しましょう。
可動域制限があるのに認定されなかったのはなぜ?
可動域制限が自覚症状としては存在していても、「画像診断や診断書上の医学的根拠が確認できない」「事故との因果関係が明確でない」と認定されにくいです。
まとめ
足首骨折で後遺障害が認定されるには、痛みや可動域制限が医学的に証明されていることが重要です。
画像所見や診断書の記載内容が不十分だと、非該当になるケースも珍しくありません。
異議申し立てでは、診断書やCT検査やMRI検査などの新たな医証を提出して、医学的根拠を補強する必要があります。
足首骨折の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。尚、初回の法律事務所様は無料で承ります。
関連ページ
資料・サンプルを無料ダウンロード
以下のフォームに入力完了後、資料ダウンロード用ページに移動します。