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骨折で死亡するのはなぜ?原因や因果関係の証明法を解説|交通事故

骨折と聞くと「治療すれば治るもの」と考えがちですが、実は骨折が原因で命に関わるケースも少なくありません。

 

特に高齢者や持病のある人が骨折をきっかけに、肺炎や心不全、感染症などの合併症を引き起こし、死亡に至ることもあります。

 

また、交通事故による骨折は衝撃が大きく、頭蓋骨骨折や骨盤骨折では致命的な損傷が起こる可能性もあります。

 

本記事では、骨折がどのようなメカニズムで命に影響を与えるのかを具体的に解説して、交通事故との因果関係をどう証明していくかについても詳しく紹介します。

 

 

最終更新日: 2025/7/15

 

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骨折で死亡する理由とは

大腿骨骨折の死亡は肺炎などの合併症が原因

大腿骨骨折は高齢者に多く、死亡率が非常に高いことで知られています。特に術後早期の死亡原因として多いのが肺炎や心不全などの合併症です。

 

骨折により長期間の安静や活動低下が余儀なくされ、免疫力や筋力が低下することで、感染症や循環器疾患のリスクが高まります。

 

そのため、骨折そのものよりも合併症が直接の死因となるケースが多いです。

 

 

骨盤骨折による死亡は大量出血と合併症

骨盤骨折は、骨折部位からの大量出血が直接的な死因となることが多い重篤な外傷です。

 

加えて、骨盤周囲の大きな血管や臓器が損傷されやすく、ショックや多臓器不全を引き起こすこともあります。

 

また、骨折後の安静や治療過程で肺塞栓や感染症などの合併症が発生して、これらが死亡につながることも少なくありません。

 

 

圧迫骨折の死亡はADL低下が原因

脊椎圧迫骨折は直接的な致死率は低いものの、骨折をきっかけにADL(日常生活動作)が大きく低下します。

 

寝たきりや活動量の減少により、筋力や心肺機能が衰えて、感染症や褥瘡などの合併症リスクが増大します。

 

結果として、骨折後の健康寿命が短くなり、間接的に死亡率が上昇することが分かっています。

 

 

頭蓋骨骨折の死亡は脳実質損傷が原因

頭蓋骨骨折では、死亡の主な原因は脳実質の損傷や脳内出血です。骨折による衝撃で脳が直接傷ついたり、出血や浮腫が急速に進行することで、脳圧が上昇して生命を脅かします。

 

重度のケースでは短時間で致死的な状態に至ることも多く、迅速な医療介入が生死を分けます。

 

 

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交通事故による骨折と死亡の因果関係

骨折が引き金となる主な死因

交通事故による骨折がきっかけで死亡に至る主な原因は、肺炎や心不全、感染症などの合併症です。

 

特に、高齢者の場合、骨折による長期の安静や運動制限が筋力や免疫力の低下を招き、呼吸器感染症や心臓疾患のリスクが高まります。

 

このため、交通事故で大腿骨などを骨折して、数ヶ月後に肺炎や心不全を発症して亡くなったら、事故と死亡との因果関係が争われやすいです。

 

 

骨折後の初期・長期死亡リスクの特徴

骨折直後の初期段階では、出血やショックなど急性期の合併症による死亡リスクが高まります。

 

一方、長期的には骨折後の運動機能低下や廃用症候群が進行して、筋力や心肺機能の低下、褥瘡や感染症の発症などが死亡リスクを増大させます。

 

特に高齢者では、事故前は自立していた方でも骨折後に寝たきりとなり、1年以内に亡くなるケースも少なくありません。

 

このように、骨折は直接の死因だけでなく、間接的に健康状態を悪化させることで死亡に至るケースがあります。

 

 

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保険会社が因果関係を否定する理由

基礎疾患を理由に否定するパターン

保険会社は、被害者に糖尿病や心臓病などの基礎疾患があると、持病が主な死因である可能性があるとして、事故との因果関係を慎重に検討する傾向があります。

 

特に、事故後に持病が悪化して死亡したり、死亡診断書に基礎疾患が記載されているケースでは、事故との直接的な関連性が薄いと判断されやすく、賠償責任を限定しようとする傾向があります。

 

 

高齢を理由に否定するパターン

高齢の被害者では、保険会社は「加齢による自然経過や体力の低下が死亡の主因であり、事故による骨折はあくまで一因に過ぎない」として、因果関係を否定するケースが目立ちます。

 

特に、事故から死亡までに一定期間が空いている場合や、死亡診断書に「老衰」や「自然死」と記載されている場合は、事故との直接的な因果関係がないと主張されやすいです。

 

 

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交通事故と死亡の因果関係を証明するには

医療記録や死亡診断書の読み解き方

交通事故と死亡の因果関係を証明するには、まず医療記録や死亡診断書の内容が極めて重要です。

 

死亡診断書の「死亡の原因」欄や「死因の種類」に、事故に起因する傷病名や経過が明確に記載されていることが、示談や裁判での立証の基礎となります。

 

もし記載が不十分な場合は、病理解剖やAi(オートプシー・イメージング)などで死因の客観的証拠を補強することも有効です。

 

また、診断書やカルテ、警察資料、目撃証言なども、一貫して事故との関連を示す内容であることが求められます。

 

 

協力医による医師意見書の効力

専門医による医師意見書は、裁判や異議申し立てにおいて強い説得力を持ち、因果関係立証の決定的な証拠となるケースが多いです。

 

医師意見書では、診療録や画像検査、検査データなどを総合的に検討して、事故と死亡との医学的な関連性を専門的見地から説明します。

 

特に、事故後に発症した合併症が死亡の主因となった場合、その経過や因果関係を医学的に論理立てて説明できる医師意見書が重要です。

 

 

<参考>

 

 

 

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<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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骨折で死亡する理由でよくある質問

骨折の死亡率は?

骨折、とくに大腿骨や脊椎などの重篤な骨折の死亡率は非常に高いことが知られています。

 

大腿骨近位部骨折の場合、30日死亡率は2.9~10.8%、1年死亡率は2.6~33%と報告されており、5年以内に約半数が死亡するというデータもあります。

 

骨粗鬆症性骨折は公的統計以上に高い死亡リスクがあるとされており、実際の死亡者数が過小評価されている可能性があります。

 

 

骨折すると余命はどのくらいですか?

大腿骨近位部骨折を例にすると、5年後の生存率は約49%、つまり半数が5年以内に亡くなるという統計があります。

 

また、骨折後の余命は年齢や性別、骨折部位、既往症などによっても左右されます。

 

骨折をきっかけに身体機能が急激に低下して、寝たきりや合併症を発症しやすくなるため、健康寿命が大きく短縮される傾向があります。

 

 

骨折でショック症状になるのはなぜ?

骨折によるショック症状は、主に大量出血や強い痛みによる循環不全が原因です。

 

特に骨盤骨折や大腿骨骨折などでは、骨折部位からの出血量が多く、体内で急激に血液量が減少することでショック状態に陥ります。

 

また、強い痛みやストレス反応も血圧低下や意識障害を引き起こす要因となります。適切な止血や輸液などの初期対応が生死を分ける重要なポイントです。

 

 

 

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まとめ

 

骨折は治療すれば治ると思われがちですが、特に高齢者では命に関わることがあります。

 

大腿骨や骨盤の骨折は合併症や大量出血で死亡するケースが多く、圧迫骨折もADLの低下を通じて健康寿命を縮めます。

 

交通事故での骨折が死亡につながると、その因果関係を証明するには、医療記録や医師の意見書が重要です。

 

保険会社は基礎疾患や高齢を理由に因果関係を否定することもあるため、医学的な裏付けが求められます。

 

交通事故による骨折と死亡との因果関係の証明でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。尚、初回の法律事務所様は無料で承ります。

 

 

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