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追突事故の診断書で全治1週間の意味は?通院は続けられる?|後遺障害

追突事故に遭って病院から診断書を受け取った際に「全治1週間」と記載されていると、その意味や今後の対応について疑問を持つ方は多いでしょう。

 

1週間という期間は、必ずしも治療が終わることを意味するわけではありませんが、保険会社とのやり取りや後遺症の可能性にも影響を与える重要な要素です。

 

本記事では、「全治1週間」の診断書が持つ法的な意味や、通院の継続可否、適切な対応について、詳しく解説しています。

 

追突事故後の治療や補償を適切に受けるためのポイントを知って、不安を解消しましょう。

 

 

最終更新日: 2025/3/31

 

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診断書に記載された全治1週間の意味

1週間の治療期間が示す意味

​診断書に「全治1週間」と記載された場合、この期間は医師が受傷部位の治癒に要すると見込んだ最短の治療期間を示しています。

 

​しかし、この期間はあくまで目安であり、実際の治療期間は個々の症状や回復状況によって異なるケースが多いです。​

 

 

全治1週間と記載されがちな症状

全治1週間と診断書に記載されることが多い症状としては、軽度のむちうち(頚椎捻挫)や打撲、捻挫などが挙げられます。

 

​これらの症状は一般的に短期間での回復が見込まれますが、個人差があるため注意が必要です。​

 

 

確実に1週間で治るわけではない

重要なのは、診断書に記載された全治期間が、必ずしも実際の治療期間を制限するものではないという点です。

 

​症状が続く場合や痛みが引かない場合は、医師と相談の上、適切な治療を継続することが重要です。

 

 

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1週間以降も通院は可能

通院の要否は主治医に相談する

診断書の全治期間はあくまで目安であり、実際の治療期間は患者の症状や回復状況によって異なります。

 

​症状が続く場合や新たな痛みが生じた場合は、主治医に相談して、適切な治療計画を立てることが重要です。 ​

 

 

保険会社にも相談する

治療を継続する場合、保険会社への連絡も必要です。​診断書の全治期間を超えての通院について、治療の必要性や相当性が認められれば、保険会社は治療費の支払いに応じるケースが多いです。

 

全治期間を超えての通院する際には、事前に保険会社に連絡して、了承を得ることで、後のトラブルを防ぎましょう。 ​

 

 

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過剰な通院は避けよう

頻回の通院は任意一括対応打ち切りの原因

任意保険会社は、治療期間が長引くと負担が増加するため、治療費の支払いを早期に打ち切ることがあります。​

 

特に、必要以上の頻繁な通院が続くと、保険会社は治療の必要性を疑って、支払いを停止する可能性があります。​

 

そのため、通院は医師の指示に従い、適切な頻度で行うことが重要です。 ​

 

 

整骨院の併用はリスクが高い

整骨院への通院を検討する際は、整形外科などの医療機関に通院することが推奨されます。​

 

医師の診断や治療計画に基づかない整骨院のみの通院は、保険会社から治療費支払いの打ち切りを招くリスクがあります。

 

<参考>
【日経メディカル】交通事故で接骨院通院が勧められない3つの理由

 

 

 

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むちうち(頚椎捻挫)の後遺症

 

診断書で全治1週間と記載されがちなのは、むちうち(頚椎捻挫)でしょう。しかし、全治1週間と記載されても、後遺症が残る可能性はあります。むちうちの後遺症として、以下のような症状が挙げられます。​

 

  • 首や肩の痛み、こり​
  • 頭痛​
  • めまい、吐き気
  • ​手や腕のしびれ、脱力感​
  • 視力・聴力の低下​

 

 

これらの症状は、受傷直後だけでなく、時間が経過してから現れることもあるので注意が必要です。

 

 

むちうち(頚椎捻挫)の後遺障害等級

 

等級

認定基準

12級13号

局部に頑固な神経症状を残すもの

14級9号

局部に神経症状を残すもの

 

 

12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの

局部とは、頚椎捻挫においては頚椎(首)をさします。神経症状とは、頚椎捻挫に由来する症状をさします。頚部痛に留まらず、肩こり、上肢のしびれや痛み、めまいや頭痛、嘔気なども含まれます。

 

14級9号との大きな違いは、「障害の存在が医学的に証明できるもの」という箇所です。12級13号認定のためには、まずレントゲンやMRIで客観的(他覚的)な異常所見があることが前提になります。

 

異常所見には骨折や脱臼はもちろんですが、その他にも椎間板ヘルニアや骨棘(頚椎加齢の変化)、椎間板高の減少(加齢による変性で椎間板の厚みが減少する)も含まれます。

 

神経や椎間板は、レントゲンには写らず、MRIを撮らないと評価ができないため、頚椎捻挫治療の過程で頚椎のレントゲンしか撮影されていない場合は、障害の存在を医学的に証明することが困難なケースが多いです。

 

また若い患者さんでは、加齢の変化が少ないため、MRIの異常所見が存在しないことも多く、その場合も、12級13号は非該当となります。

 

神経症状に関しても14級9号では、自覚症状(患者さんの訴え)としての痛みで良いのですが、12級13号では、より条件が厳しくなります。

 

自覚症状だけでは不十分で、客観的な身体所見が必要とされます。客観的な身体所見には、筋力低下、筋肉の萎縮(やせて細くなる)、深部腱反射の異常(医師が打腱器を使って行う検査)をさします。

 

しびれ(知覚障害)の範囲も、損傷された神経の分布に一致している必要があります。頚椎捻挫で行われる頻度は非常に低いですが、筋電図や神経伝導検査といった特殊な検査の異常値も客観的な所見に含まれます。

 

筋力低下は、医学的には徒手筋力テスト(MMT)で評価され、筋力が正常な5から完全運動麻痺の0までの6段階で記載されます。

 

<参考>
徒手筋力検査は後遺障害12級認定のポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

14級9号:局部に神経症状を残すもの

局部とは、頚椎捻挫では頚椎(首)をさします。神経症状とは、頚椎捻挫に由来する症状をさします。頚部痛に留まらず、上肢のしびれや痛み、めまい、頭痛、嘔気なども含まれます。

 

将来においても、回復は見込めないと医師が判断した状態であること(症状固定)が前提になります。

 

症状の常時性(時々痛みがあるのではなく、常に痛みがある)が認定要件です。「天気が悪いときに痛い」といったように症状の消失する時間があると認定されません。

 

また、交通事故と本人の感じる後遺症に因果関係が認められることが条件となるため、あまりに車体の損傷が小さい軽微な交通事故は非該当とされることが多いです。

 

 

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むちうちの後遺障害認定ポイント【弁護士必見】

 

むちうち(頚椎捻挫)は、交通事故で最も多い傷病の1つです。後遺症が残るケースは珍しくないですが、自賠責保険から後遺障害に認定されるハードルは極めて高いのが現実です。

 

後遺障害に認定されるポイントは多岐に渡り、漫然と通院しているだけでは後遺障害に認定される可能性は低いです。後遺障害に認定されるポイントを知りたい方は、以下のコラムを参照してください。

 

<参考>

 

 

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むちうちの後遺障害認定で弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、むちうちの後遺症が後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニングは、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニングの有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニングを承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

 

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むちうちの後遺症でお悩みの被害者の方へ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

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尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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全治1週間の追突事故の慰謝料相場

自賠責保険基準

自賠責保険では、慰謝料は1日あたり4,300円と定められています。​支払対象日数は、実際の通院日数の2倍または総治療期間のいずれか少ない方となります。​

 

例えば、総治療期間が7日間で実通院日数が3日間の場合、実通院日数の2倍(3日×2=6日)と総治療期間(7日)のうち少ない方、つまり6日が対象日数となります。​したがって、4,300円×6日=25,800円が慰謝料となります。 ​

 

 

任意保険基準

任意保険会社の基準は公開されておらず、一般的に自賠責基準よりも低い金額が提示されることが多いとされています。​具体的な金額は保険会社や事案によって異なります。 ​

 

 

弁護士基準(裁判所基準)

弁護士基準では、入通院慰謝料の相場が通院1か月で28万円とされています。​全治1週間の場合、これを日割り計算すると約7万円となりますが、実際の慰謝料額は個別の事情や交渉によって変動します。 ​

 

 

追突事故の診断書が1週間でよくある質問

むちうちの診断書は何週間と記載されますか?

むちうちの診断書には、一般的に「全治2週間」と記載されることが多いです。​これは、軽度のむちうちの場合の目安とされています。​

 

ただし、実際の治療期間は個人差があり、症状の程度や回復状況によって異なります。​診断書の全治期間はあくまで目安であり、実際の治療期間とは必ずしも一致しないことを理解しておくことが重要です。

 

 

むち打ちは1週間で治りますか?

むちうちの治療期間は個人差が大きく、症状の程度や個人の体質によって異なります。​軽度のむちうちであれば、1週間程度で症状が改善することもありますが、多くの場合、数週間から数ヶ月の治療が必要とされています。

 

​特に、症状が重い場合や適切な治療を受けない場合、回復が遅れる可能性があります。​そのため、医師の指示に従い、適切な治療を継続することが重要です。

 

 

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まとめ

 

診断書に「全治1週間」と書かれている場合、これは医師が判断した最短の治療期間の目安を示しています。ただし、実際の治療期間は人それぞれ異なり、症状が続けば通院を続けることも可能です。

 

全治1週間と記載されやすい症状としては、軽いむちうちや打撲、捻挫などが挙げられます。治療を続ける場合、保険会社へ連絡し、必要性を確認してもらうことが重要です。

 

通院しすぎると保険会社が支払いを打ち切る可能性もあるため、医師の指示に従い適切な治療を受けましょう。

 

むちうちの後遺症が、後遺障害等級が認定されずにお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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