交通事故コラム詳細

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2025.2.24

自賠責実務

後遺障害認定されるには?12級や14級の必要条件とポイントも解説

交通事故や労災によるケガが回復せず、日常生活や仕事に支障をきたしている方にとって、後遺障害の認定は重要なステップです。

 

後遺障害として認定されると、適正な補償を受けられる可能性が高まり、今後の生活を支える大きな助けとなります。

 

しかし、「どのような条件を満たせば認定されるのか」「必要な書類や準備すべきことは?」と疑問を抱える方も多いのではないでしょうか。

 

本記事では、後遺障害とは何かという基本から、12級・14級の認定基準、認定されるためのポイント、申請の流れまで詳しく解説しています。

 

また、認定されなかった場合の対処法も紹介します。正しい知識を持ち、適切な手続きを行うことで、後遺障害認定を受けられる可能性を高められます。ぜひ最後までご覧ください。

 

 

最終更新日: 2025/2/24

 

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Table of Contents

後遺障害とは?その定義と重要性

後遺障害の認定が必要な理由

後遺障害の認定を受けることで、被害者は後遺障害慰謝料や逸失利益などの損害賠償を請求する権利を得ます。

 

認定を受けずに単に「後遺症が残っている」と主張するだけでは、これらの補償を受けられません。適切な補償を得るためには、後遺障害認定が不可欠です。

 

 

認定されることで得られる補償とは

後遺障害等級が認定されると、その等級に応じて以下の補償を受けることが可能です。

 

 

1. 後遺障害慰謝料

精神的苦痛に対する補償で、後遺障害等級に応じて金額が定められています。

 

2. 逸失利益

労働能力の喪失によって将来的に得られるはずだった収入の補償です。後遺障害等級や年齢、収入などを基に算定されます。

 

 

後遺症と後遺障害の違いは?

交通事故や労働災害などによるケガや病気の治療後、完全には回復せず、身体や精神の機能に不完全な状態が残ることを後遺症といいます。

 

一方、後遺障害は、後遺症の中でも、交通事故などが原因であることが医学的に証明されて、労働能力の低下が認められ、かつ自賠責保険の等級に該当するものです。

 

つまり、すべての後遺症が後遺障害として認定されるわけではなく、一定の条件を満たす必要があります。

 

 

後遺障害等級とは?

後遺障害等級とは、後遺障害の程度に応じて定められた1級から14級までの等級のことです。1級が最も重く、14級が最も軽い障害を示します。

 

後遺障害等級は、障害の部位や程度、労働能力への影響などを基に判断されて、認定された等級に応じて受け取れる補償額が変わります。

 

適切な後遺障害認定を受けるためには、医師の診断書や必要な検査結果など、十分な証拠資料の提出が重要です。

 

 

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後遺障害認定の流れ

 

交通事故などで負ったケガが完治せず、後遺症が残る場合、適切な補償を受けるためには後遺障害認定が必要です。以下に、認定までの一般的な手順を説明します。

 

 

治療から症状固定

交通事故後は、医師の指示に従い治療を続けます。しかし、一定期間治療を行っても症状の改善が見られないと、医師は「症状固定」と判断します。

 

症状固定とは、これ以上治療を続けても大きな改善が期待できない状態です。症状固定になってから、後遺障害の有無や程度を評価するための手続きが始まります。

 

 

後遺障害診断書の作成

症状固定と判断されたら、担当医師に後遺障害診断書の作成を依頼します。後遺障害診断書は、等級認定において最も重要な書類であり、具体的な症状や障害の程度、検査結果などが詳細に記載されます。

 

 

後遺障害認定審査に必要な書類

自賠責保険による後遺障害認定の審査では、後遺障害診断書のほか、以下の書類が必要です。

 

自賠責保険様式の診断書

初診から症状固定までの治療経過を示す診断書です。治療経過の概要を知るために使用します。

 

検査資料

レントゲン検査、MRI検査、CT検査などの画像資料も必要です。協力医が、画像所見の有無を確認します。

 

事故発生状況報告書

事故の詳細や発生状況を記載した書類です。主に被害者に加わった外傷の程度を判断するために使用します。

 

 

後遺障害申請は2種類ある

1. 事前認定

加害者側の任意保険会社を通じて申請する方法です。被害者の手間が少ない反面、保険会社が主導するため、情報が十分に伝わらない可能性があります。

 

2. 被害者請求

被害者自身が加害者の自賠責保険会社に直接申請する方法です。手続きは煩雑ですが、自分で資料を精査・提出できるため、適切な認定を受けやすい利点があります。

 

 

後遺障害の等級認定

提出された書類を基に、損害保険料率算出機構の調査事務所が審査を行い、後遺障害等級が認定されます。

 

等級は1級から14級まであり、数字が小さいほど障害の程度が重いことを示します。認定結果は申請者に通知されて、等級に応じた補償金額が決定されます。

 

適切な後遺障害等級の認定を受けるためには、医師との連携や必要書類の整備が不可欠です。専門家のアドバイスを受けながら、慎重に手続きを進めることをおすすめします。

 

 

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後遺障害認定でもらえる賠償金

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料とは、事故によって生じた後遺障害により被った精神的・肉体的苦痛に対する賠償金です。

 

この金額は、認定された後遺障害等級に応じて異なります。例えば、1級が最も高額で、等級が下がるにつれて金額も減少します。

 

具体的な金額は、自賠責保険や任意保険の基準、裁判所の基準などによって異なります。

 

 

後遺障害逸失利益

後遺障害逸失利益とは、事故による後遺障害が原因で労働能力が低下して、将来的に得られるはずだった収入が減少することに対する補償です。

 

計算方法は、基礎収入に労働能力喪失率と喪失期間に対応するライプニッツ係数を掛け合わせて算出します。

 

労働能力喪失率は、認定された後遺障害等級に応じて定められており、等級が高いほど喪失率も高くなります。

 

 

 

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後遺障害12級や14級に認定されるにはどうすればいい?

適切な頻度で通院する

後遺障害の認定において、定期的な通院は症状の継続性と深刻さを示す重要な証拠となります。

 

特に、むちうち腰椎捻挫で14級もしくは12級の認定を目指す場合、通院頻度が評価の対象となります。

 

症状が続いていることを示すためにも、医師の指示に従い、適切な頻度で通院を継続することが大切です。

 

<参考>

 

 

症状固定まで6ヶ月以上治療する

後遺障害の等級認定では、症状固定と判断されるまでの治療期間が考慮されます。切断や遷延性意識障害を除き、6ヶ月以上の治療期間が必要です。

 

 

必要な検査を実施している

後遺障害が認定されるためには、症状を裏付ける客観的な検査結果が求められます。例えば、MRI検査やCT検査などの画像検査で、神経症状の原因となる画像所見が必要です。

 

 

後遺障害診断書を適切に記載してもらう

後遺障害等級の認定において、後遺障害診断書は最も重要な書類の一つです。医師には、症状の詳細、検査結果、日常生活への影響などを具体的かつ正確に記載してもらう必要があります。

 

診断書の内容が不十分だと、適切な等級認定が受けられない可能性が高いです。認定に必要な情報を盛り込んでもらうことが大切です。

 

 

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後遺障害に認定されなかった時の対処法

自賠責保険への異議申し立て

後遺障害等級認定の結果に不服がある場合、自賠責保険へ異議申し立てを行うことができます。

 

異議申し立てでは、新たな医療記録や検査結果など、前回の申請時には提出していなかった追加の証拠を提出することが求められます。

 

ただし、異議申し立てで結果が覆る確率は約12%と低いため、非該当理由を分析した上で、慎重な準備が必要です。

 

 

紛争処理機構への異議申し立て

自賠責保険の異議申し立てで納得のいく結果が得られなかった場合、紛争処理機構への申し立てを検討できます。

 

紛争処理機構は、中立的な立場で紛争の解決を図る第三者機関であり、専門家による審査が行われます。

 

<参考>
紛争処理機構と紛争処理センターの役割の違い|医療鑑定

 

 

訴訟提起

異議申し立てや紛争処理機構での解決が難しければ、最終手段として裁判所に訴訟を提起することが考えられます。

 

訴訟では、法的手続きに基づいて後遺障害の有無や等級について争うことになります。

 

 

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後遺障害12級や14級に認定されるポイント【弁護士必見】

後遺障害診断書の記載内容の確認

後遺障害診断書は、等級認定の基礎となる重要な書類です。医師が作成する際、症状の詳細や検査結果、日常生活への影響などが具体的かつ正確に記載されていることを確認する必要があります。

 

特に、診断名や自覚症状、検査所見が適切に記載されているかをチェックして、不備があれば修正を依頼する必要があります。

 

<参考>
【日経メディカル】各科の医師が覚えておきたい「患者さんを救う」後遺障害診断書の書き方

 

 

 

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後遺症の証明に必要な検査結果を確認する

後遺障害等級の認定には、医学的な裏付けが不可欠です。MRI検査やCT検査、神経学的検査など、症状を客観的に示す検査が適切に行われて、その結果が診断書に反映されているかを確認します。

 

医師は後遺障害認定基準を十分に理解していないケースが多いため、必要な検査の実施や記載内容について弁護士が主体的に確認する必要があります。

 

 

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後遺障害認定に不足している資料を収集する

後遺障害認定の申請に際して、診断書だけでなく、治療経過や検査結果、画像資料など多角的な証拠が求められます。

 

弁護士は、医療記録や検査データ、事故状況の詳細など、認定に有利となる資料を積極的に収集して、申請書類に添付することで、適切な等級認定の取得をサポートする必要があります。

 

一方、臨床経験の無い弁護士には、これらの対応が難しいケースが多いのが現実です。後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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交通事故の後遺障害認定で弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、交通事故で受傷した傷病が後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニングは、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニングの有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニングを承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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交通事故の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

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尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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後遺障害認定でよくある質問

後遺障害に認定されるまでの期間

後遺障害等級の認定には、申請から結果が出るまで通常1~2ヶ月程度かかります。

 

ただし、提出資料の内容や審査の状況によっては、さらに時間がかかる場合もあります。

 

 

後遺障害認定の費用

後遺障害認定の申請自体には費用はかかりません。しかし、申請に必要な後遺障害診断書の作成費用や、必要な検査費用などは自己負担となる場合があります。

 

 

後遺障害を取る確率は?

後遺障害等級の認定率は約5%と言われています。適切な診断書や検査結果、治療経過の記録など、十分な資料を揃えることで、認定の可能性を高めることができます。

 

<参考>
【日経メディカル】初回認定率は約5%!自賠責保険の厳しい現実

 

 

 

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後遺症が認定されない理由は何ですか?

後遺障害が認定されない主な理由として、以下が考えられます。

 

医学的証拠の不足

診断書や検査結果が不十分で、後遺症の存在や程度が明確でない。

 

因果関係が不明確

事故と症状との関連性が立証できない。

 

申請書類の不備

必要な書類が揃っていない、または記載内容に不備がある。

 

 

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まとめ

 

後遺障害とは、交通事故などでケガが治らずに残る障害のことです。後遺障害に認定されると、慰謝料や逸失利益などの賠償を受ける権利が得られます。

 

後遺障害等級は1級から14級まであり、重いほど補償額が大きくなります。認定には医師の診断書や検査結果が重要です。

 

後遺障害認定が難しいケースもあるため、適切な治療を受けて、必要な書類を揃えることが大切です。不服があれば異議申し立ても可能です。適正な補償を受けるため、手続きをしっかり行いましょう。

 

交通事故後で受傷した傷病の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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