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肩腱板損傷(腱板断裂)の原因とは?後遺障害認定ポイントも解説

交通事故で肩に強い衝撃を受けてから、ひどい痛みや関節の動きの制限に苦しむ人は少なくありません。その中でも、肩の腱板断裂はよく見られる傷病の1つです。

 

腱板は肩のスムーズな動きを支える重要な組織ですが、外傷や加齢による変性によって損傷する可能性があります。

 

本記事では、腱板損傷の原因を詳しく解説しています。さらに、後遺障害認定に関わるポイントについても触れて、適切な対応を考える手助けとなる情報を提供しています。

 

 

最終更新日: 2025/2/6

 

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肩腱板損傷とは?

腱板の基本構造とその役割

腱板は、肩甲骨と上腕骨をつなぐ4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋)の腱から構成され、肩関節の安定性と多様な動きを支える重要な役割を担っています。

 

 

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肩腱板損傷の症状

腱板損傷の主な症状には、肩の運動障害、運動時の痛み、夜間痛などがあります。特に夜間痛は睡眠を妨げて、受診のきっかけとなることが多いです。

 

また、肩を挙上する際に力が入らない、肩の前上面で軋轢音(ジョリジョリとした音)を感じることもあります。

 

 

肩腱板損傷の検査と身体所見

腱板損傷の診断には、医師による問診や視診、触診が行われます。さらに、MRI検査や超音波検査などの画像診断が用いられ、損傷の程度や部位を詳細に評価します。

 

 

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肩腱板損傷の主な原因

外傷

転倒や事故などで肩を強打したり、重い物を持ち上げる際に肩に過度な負荷がかかると、腱板が損傷することがあります。

 

特に、スポーツや日常生活で肩を酷使する動作が多い人は、外傷による腱板損傷のリスクが高まります。

 

 

加齢による変性

加齢に伴い、腱板を構成するコラーゲン繊維が劣化して、弾力性が低下します。その結果、腱板がもろくなり、日常的な動作でも損傷しやすくなります。

 

特に50~60代以降の方に多く見られ、明確な外傷がなくても腱板損傷が発生するケースが珍しくありません。

 

 

腱板損傷の後遺障害等級

機能障害(肩関節の可動域制限)

等級

認定基準

8級6号

上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの

10級10号

1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

12級6号

1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

 

8級6号: 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの

 

  • 関節が強直したもの。但し、肩関節にあっては、肩甲上腕関節が癒合し骨性強直していることがエックス線写真等により確認できるものを含む
  • 関節の完全弛緩性麻痺又はこれに近い状態(他動では可動するものの、自動運動では関節の可動域が健側の可動域角度の10%以下になったもの)にあるもの
  • 人工骨頭置換術が施行されており、かつ肩関節の可動域が2分の1以下に制限されるもの

 

 

8級6号に該当する可能性がある傷病は、上腕骨近位端骨折です。上腕骨近位端骨折では、高い確率で肩関節の可動域制限をきたします。

 

一方、腱板損傷で8級6号に認定されるケースは、ほとんど存在しません。

 

 

 

10級10号: 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

 

  • 肩関節の可動域が健側と比べて2分1以下に制限されるもの

 

 

関節の可動域が健側の可動域の1/2以下に制限されているものです。腱板断裂のために肩の動力源が無くなって可動域制限が出現するケースと、痛みで肩を動かさなかったために関節拘縮をきたすケースがあります。

 

<参考>
肩関節拘縮(拘縮肩)の原因と画像所見|交通事故の後遺障害

 

 

 

12級6号: 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

 

  • 肩関節の可動域が健側と比べて4分3以下に制限されるもの

 

 

腱板損傷では、肩関節の可動域制限を残す可能性があります。特に高齢者では、肩関節の可動域制限を残しやすいです。

 

<参考>
腱板損傷で12級が後遺障害認定されるポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

 

神経障害(肩関節の痛み)

等級

認定基準

12級13号

局部に頑固な神経症状を残すもの

14級9号

局部に神経症状を残すもの

 

12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの

 

受傷後早期のMRI検査で腱板損傷の存在が明らかな場合には、12級13号に認定される可能性があります。

 

 

14級9号:局部に神経症状を残すもの

 

自賠責認定基準12級13号を満たさない撮像時期や画像所見であっても、MRI検査で腱板断裂を認めれば14級9号に認定される可能性があります。

 

 

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肩腱板損傷の後遺障害認定のポイント【弁護士必見】

肩腱板損傷の原因が争点になりやすい

50歳前後から、無症候性の腱板損傷が増加し始めます。肩関節周囲炎(四十肩や五十肩)には、軽度の腱板損傷が含まれていると考えられています。

 

肩関節周囲炎は、30歳代や40歳代では自然に軽快することが多いため、腱板損傷に気付かない人が多いと予想されます。

 

腱板損傷の後遺症は、交通事故とは関係の無い経年的変性や無症候性の断裂が多いため、事故との因果関係が争点になりやすいです。

 

<参考>
【日経メディカル】その腱板断裂、ホントに交通事故の後遺症?

 

 

 

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肩腱板損傷と交通事故との因果関係を証明する方法

肩腱板損傷は加齢による変性断裂が多いため、後遺障害が認定されるためには、交通事故との因果関係を証明する必要があります。

 

肩腱板損傷と交通事故との因果関係を証明するには、いくつかのポイントがあります。詳細については、以下のコラム記事を参照いただければ幸いです。

 

<参考>
腱板損傷と交通事故の因果関係を証明する方法|後遺障害の医療鑑定

 

 

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肩腱板損傷の後遺障害認定で弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、交通事故で受傷した肩腱板損傷が後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニングは、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニングの有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニングを承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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肩腱板損傷の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

Traffic accident patient

 

 

尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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肩腱板損傷で後遺障害に認定されると損害賠償金を請求できる

 

肩腱板損傷で後遺障害に認定されると、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益を請求できます。

 

 

後遺障害慰謝料とは

交通事故で後遺障害が残ってしまった精神的苦痛に対する補償金です。後遺障害慰謝料は、下の表のように後遺障害等級によって異なります。

 

 

後遺障害等級

後遺障害慰謝料

1級

2800万円

2級

2370万円

3級

1990万円

4級

1670万円

5級

1400万円

6級

1180万円

7級

1000万円

8級

830万円

9級

690万円

10級

550万円

11級

420万円

12級

290万円

13級

180万円

14級

110万円

 

 

肩腱板損傷の後遺障害慰謝料の相場

肩腱板損傷の後遺障害慰謝料の相場は、ケースによって異なりますが、一般的には数百万円程度が多いです。

 

具体的な金額は、受傷の程度、治療費、治癒までの期間、労働能力の低下などが考慮されます。また、訴訟の結果や和解金の金額にも影響されることがあります。

 

 

後遺障害逸失利益とは

後遺障害が残ると、労働能力が低下してしまいます。労働能力が低下したために失うであろう収入の不足分に対する補償金です。

 

後遺障害逸失利益は、交通事故被害者の年収、年齢をベースにして、後遺障害等級に応じた労働能力喪失率と労働能力喪失期間で決まります。後遺障害逸失利益は、以下の計算式で算出されます。

 

基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数

 

 

肩腱板損傷の後遺障害逸失利益の相場

肩腱板損傷の後遺障害による逸失利益の相場は、患者の年齢、職業、収入水準、治療の経過、および回復状況によって異なります。

 

一般的に、逸失利益は患者の収入減少分として算出され、治療期間中および回復後の生活の質低下に対する補償も含まれます。

 

具体的な金額は、個別のケースによって異なりますが、例えば、年収300万円の患者であれば、治療期間中の逸失利益は数十万円から数百万円になることがあります。

 

また、回復後も一部の職業では、収入が減少する可能性があるため、その分の補償も含まれることがあります。

 

このように、腱板断裂の後遺障害による逸失利益の相場は、患者の状況によって大きく変動するため、具体的な金額を知るためには専門家の評価が必要です。

 

 

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肩腱板損傷の原因でよくある質問

腱板損傷の初期症状は?

腱板損傷の初期症状として、肩の運動障害、運動時の痛み、夜間痛などが挙げられます。特に夜間痛は睡眠を妨げ、受診のきっかけとなることが多いです。

 

また、肩を挙上する際に力が入らない、肩の前上面で軋轢音(ジョリジョリとした音)を感じることもあります。

 

 

肩腱板損傷の治し方は?

腱板損傷の治療法には、保存療法と手術療法があります。保存療法では、注射療法や運動療法が行われ、痛みの軽減や機能回復を目指します。

 

一方、症状が重い場合や保存療法で効果が見られない場合は、手術療法が検討されます。手術は主に関節鏡を用いた方法で行われ、損傷した腱板の修復を行います。

 

 

腱の損傷は自然に治る?

腱板損傷は自然治癒が期待しにくいとされています。特に完全断裂の場合、放置すると損傷が拡大し、症状が悪化する可能性があります。そのため、適切な治療を受けることが重要です。

 

 

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まとめ

 

肩の腱板は、肩甲骨と上腕骨をつなぐ4つの筋肉の腱でできており、肩の動きを支えています。腱板損傷が起こると、肩の痛みや動かしにくさ、夜間痛が現れることがあります。

 

肩腱板損傷の原因には、転倒や重い物を持ち上げる際の外傷と、加齢による腱の弱体化があります。診断にはMRIや超音波検査が使われます。

 

重度の肩腱板損傷では手術が必要になることもあり、後遺症が残ると日常生活に支障が出る可能性があります。

 

肩腱板損傷の後遺障害認定には、交通事故との因果関係の証明が必要となるケースが多いです。肩腱板損傷でお困りの事案があればこちらからお問い合わせください。

 

 

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