むちうち（頚椎捻挫）の治療期間や通院頻度は、どれくらいが適切なのかが、気になる方は多いのではないでしょうか。
むちうちは交通事故などで首に強い衝撃を受けた際に発生することが多く、その治療には時間がかかることがあります。
本記事では、むちうちの治療期間や通院頻度の平均を知ることができます。また、治療費の打ち切りになった時の対処法も解説しています。
最終更新日： 2024/11/29
Table of Contents
むちうち治療とは何か
むちうち（頚椎捻挫）の症状と原因
むちうちの主な症状には、首や肩の痛み、頭痛、めまい、吐き気、腕や手のしびれなどがあります。これらの症状は事故直後ではなく、数時間後や翌日に現れることもあります。
これらの症状は、首が大きく動かされて筋肉や靭帯が損傷して、炎症を引き起こすことで発症すると言われています。
むちうちの原因としては、交通事故やスポーツでの衝突、転倒などが挙げられます。
むちうちの治療
急性期の治療
急性期は、むちうちを発症した直後から約1ヶ月間のことを指します。この時期は炎症が生じているため、痛みが強く、首を動かすことが難しい場合があります。急性期の治療では、以下の方法が推奨されます。
- 安静：首を動かさないように安静を保つ
- アイシング：冷やして炎症を抑える
- 頚椎カラー：首の負担を軽減する
- 痛み止めの服用：医師の指示に従い服用する
慢性期の治療
慢性期は、急性期が過ぎてからの期間を指します。この時期は、炎症が落ち着き、痛みが軽減してきます。慢性期の治療では、以下の方法が効果的です。
- リハビリテーション：筋肉の緊張をほぐして血流を改善する
- 温熱療法：温めて筋肉の緊張を緩和し、痛みを軽減する
- マッサージ：筋肉の柔軟性を高めて痛みを和らげる
むちうちの治療期間と通院頻度の平均
むちうち治療の通院期間は3〜6ヵ月が目安
むちうちの治療期間は、症状の重さや個人差によって異なりますが、一般的には3〜6ヵ月が目安です。
むちうち治療の通院頻度の目安は週3回
むちうちの治療において、通院頻度の目安は週3回程度です。初期の1〜2ヵ月は、症状の改善を促進するために頻繁な通院が必要です。
症状が改善してきた場合は、通院頻度を徐々に減らしていくことが一般的です。
治療期間に影響する要因
むちうちの治療期間に影響する要因には、症状の重さ、治療の開始時期、治療方法の選択などが挙げられます。
早期に適切な治療を開始することで、治療期間を短縮することが可能です。
＜参考＞
【日経メディカル】あなどれない「むち打ち」の後遺症、首にとどまらない驚きの症状とは
むちうち治療は3ヵ月で打ち切りになる？
むちうちの治療が3ヵ月で打ち切りになりやすい理由
むちうちの治療が3ヵ月で打ち切りになりやすい理由は、保険会社が治療費の負担を軽減するために設定している基準があるからです。
多くの保険会社は、むちうちの治療期間を3ヵ月と見なしており、この期間を過ぎると治療費の支払いを打ち切ることが一般的です。
打ち切りを打診された時の対処法
治療費の打ち切りを打診された場合、まずは主治医に相談して、治療の継続が必要であることを証明する診断書を作成してもらいましょう。
また、弁護士に相談することで、保険会社との交渉をスムーズに進めることができます。
むちうちの治療を打ち切られたらどうする？
治療費が打ち切られた場合でも、自分の健康保険を利用して治療を続けることができます。
自費で治療を続ける場合は、後に保険会社に治療費を請求することも可能です。また、後遺障害が認定されると、追加の補償を受けることができます。
むちうち治療の適切な治療先は？
整形外科への通院一択
むちうちの治療には、整形外科への通院が最も推奨されます。整形外科では、レントゲンやMRIなどの精密検査を受けることができ、医師の診断に基づいた適切な治療が行われます。
薬物療法やリハビリテーション、物理療法など、幅広い治療法が提供されるため、むちうちの症状を効果的に管理することができます。
整骨院は避けた方が無難
整骨院は、柔道整復師が施術を行う施設であり、捻挫や打撲などの治療に特化しています。しかし、整骨院では医師の診断や薬の処方ができないため、むちうちの治療には不向きです。
また、整骨院の施術には医学的なエビデンスが乏しい場合があるため、むちうちの治療には整形外科を選ぶことが望ましいです。
むちうちで後遺症が残った際、整骨院メインでは後遺障害に認定されにくいデメリットもあります。
むちうちの後遺障害等級
むちうちの症状が半年以上継続すると、自賠責保険で後遺障害に認定される可能性があります。
等級 | 認定基準 |
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
14級9号 | 局部に神経症状を残すもの |
12級13号：局部に頑固な神経症状を残すもの
12級13号の後遺障害認定には、レントゲン検査やMRI検査での異常所見が必要です。骨折や椎間板ヘルニアなどの異常が証明されなければ認定されません。
また、画像所見と身体所見が完全に一致することが認定基準です。このため、12級13号が認定されるハードルは極めて高いです。
＜参考＞
【医師が解説】徒手筋力検査は後遺症12級認定のポイント｜交通事故
後遺障害14級9号：局部に神経症状を残すもの
14級9号の後遺障害認定には、常に症状が続いていることが必要です。「天気が悪いときだけ痛い」という場合は認定されません。
また、交通事故と後遺症との因果関係も重要です。後遺症が残りそうにもない軽微な事故では、事故との因果関係が認められず、後遺障害認定が難しくなります。
しかし、14級9号は、救済等級としての位置づけなので、比較的広い範囲の患者さんが認定される可能性があります。
むちうちの後遺障害認定で弊社ができること
弁護士の方へ
弊社では、むちうちの後遺症が後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。
等級スクリーニング
現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。
等級スクリーニングは、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。
等級スクリーニングの有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニングを承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。
＜参考＞
【等級スクリーニング】後遺障害認定と対策を精査｜医療鑑定
医師意見書
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。
医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。
医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。
弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。
＜参考＞
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由｜異議申し立て
画像鑑定報告書
交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。
画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。
弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。
＜参考＞
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由｜異議申し立て
むちうちの後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ
弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。
また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。
もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。
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弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。
むちうちで後遺障害認定されると損害賠償金を請求できる
むちうちで後遺障害に認定されると、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益を請求できます。
むちうちの後遺障害慰謝料とは
交通事故で頚椎捻挫の後遺障害が残ってしまった精神的苦痛に対する補償金です。後遺障害慰謝料は、下の表のように後遺障害等級によって異なります。
後遺障害等級 | 後遺障害慰謝料 |
1級 | 2800万円 |
2級 | 2370万円 |
3級 | 1990万円 |
4級 | 1670万円 |
5級 | 1400万円 |
6級 | 1180万円 |
7級 | 1000万円 |
8級 | 830万円 |
9級 | 690万円 |
10級 | 550万円 |
11級 | 420万円 |
12級 | 290万円 |
13級 | 180万円 |
14級 | 110万円 |
むちうちの後遺障害逸失利益とは
頚椎捻挫の後遺障害が残ると、労働能力が低下してしまいます。労働能力が低下したために失うであろう収入の不足分に対する補償金です。
後遺障害逸失利益は、交通事故被害者の年収、年齢をベースにして、後遺障害等級に応じた労働能力喪失率と労働能力喪失期間で決まります。
むちうち治療でよくある質問
保険会社がこれ以上補償できないと言う理由
保険会社が「これ以上補償できない」と言う理由は、治療が長引くと保険会社が治療費の負担を軽減するためです。
一般的に、むちうちの治療期間は3ヵ月程度とされており、それを超えると症状固定と見なされ、治療費の支払いが打ち切られることがあります。
保険会社が治療期間を決める基準
保険会社が治療期間を決める基準には、「DMK136」という目安があります。これは、打撲（D）は1ヶ月、むちうち（M）は3ヶ月、骨折（K）は6ヶ月という治療期間の目安を示しています。
この基準に基づいて、保険会社は治療費の支払いを打ち切るかどうかを判断します。ただし、これはあくまで目安であり、個々の症状や治療の進捗状況に応じて異なる場合があります。
むちうち治療期間のまとめ
むちうち（頚椎捻挫）の主な症状は、首や肩の痛み、頭痛、めまい、吐き気、腕や手のしびれです。
急性期の治療では安静、アイシング、頚椎カラーの使用、痛み止めの服用が推奨されます。慢性期にはリハビリテーション、温熱療法、ストレッチやマッサージが効果的です。
治療期間は一般的に3〜6ヶ月で、通院頻度の目安は週3回程度です。初期の1〜2ヵ月は頻繁に通院し、症状が改善すれば徐々に頻度を減らします。
交通事故で受傷した、むちうちの後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
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