紛争処理機構と紛争処理センターは、名称が似ているので違いが分からなくなりがちです。本記事は、両者の違いを解説しています。
最終更新日: 2024/10/7
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紛争処理機構と紛争処理センターの相違点
紛争処理機構と紛争処理センターは、対象となる紛争が異なります。
- 紛争処理機構: 自賠責保険の支払いに関する紛争が対象
- 紛争処理センター: 任意保険の支払いに関する紛争が対象
紛争処理機構は、自賠法に基づいて設立されました。自賠責保険や共済からの支払いに関して判断を行います。
一方、紛争処理センターは、加害者側の任意保険会社との示談を巡る紛争を解決するために設置されました。
紛争処理機構とは何か
紛争処理機構の設立目的
自賠責保険・共済紛争処理機構(以下、紛争処理機構)は、平成13年に被害者保護を目的として設立された第三者機関です。
紛争処理機構の主な目的は、自賠責保険や共済からの支払いに関する紛争を公正かつ適確に解決し、被害者の保護を図ることです。
法的根拠と法的位置づけ
紛争処理機構は、自動車損害賠償保障法に基づいて設立された機関です。平成14年に国土交通大臣と金融庁長官の指定を受け、裁判外紛争処理機関として活動を開始しました。
平成23年には一般財団法人に移行して、自動車事故の相談事業も開始しました。
主要な機能と役割
自賠責保険・共済から支払われる保険金や共済金に関する紛争を公正かつ適確に解決するために、第三者機関としての役割を果たしています。
また、専門的な知識を有する弁護士、医師、学識経験者等で構成される紛争処理委員が、公正な調停を行います。
紛争処理機構のメリット
紛争処理機構のメリットは、裁判に比べて手続きが簡便であり、費用が無料であることです。
また、弁護士や医師などの専門家による公正中立な判断が期待でき、比較的早期に解決することが可能です。
さらに、調停の結果は書面で通知されます。自賠責保険会社は調停結果を遵守する義務があります。
このように、紛争処理機構は、被害者にとって迅速かつ公正な紛争解決の手段として有効だと言われています。
紛争処理センターとは何か
紛争処理センターの役割と目的
交通事故紛争処理センター(以下、交通事故紛争処理センター)は、交通事故の被害者と加害者の間で発生する損害賠償問題を解決するために設立された機関です。
紛争処理センターな役割は、法律相談、和解あっ旋、審査手続です。各業務を無料で提供しており、裁判を経ずに迅速な解決を図ることができます。
紛争処理センターの地域別の設置状況と特徴
紛争処理センターは、日本全国に11箇所の拠点を持ち、それぞれの地域で交通事故に関する紛争解決を支援しています。以下は各地域のセンターの設置状況と管轄エリアです。
- 東京本部: 全国のセンターの中枢として機能しています
- 札幌支部: 北海道全域
- 仙台支部: 東北地方
- 名古屋支部: 中部地方
- 大阪支部: 関西地方
- 広島支部: 中国地方
- 高松支部: 四国地方
- 福岡支部: 九州地方
- さいたま相談室: 関東地方の一部
- 金沢相談室: 北陸地方
- 静岡相談室: 静岡県全域
紛争処理センターが対応する紛争の種類と範囲
紛争処理センターが対応する紛争の種類は、自動車事故による損害賠償に関するものです。
一方、自転車と歩行者、自転車同士の事故、搭乗者傷害保険や人身傷害保険などの自分が契約している保険会社との紛争は対象外です。
また、加害者が任意自動車保険に加入していない場合や、訴訟や調停が行われている場合も対象外となります。
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【等級スクリーニング】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定
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交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
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<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
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まとめ
紛争処理機構と紛争処理センターは、名称が似ているため混同されがちです。紛争処理機構は自賠責保険の支払いに関する紛争を扱います。
一方、紛争処理センターは任意保険の支払いに関する紛争を解決するために設立されました。加害者側の任意保険会社との示談を巡る紛争を解決します。
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