日経メディカルの連載コラム(隔週連載)に、弊社代表 濱口裕之の記事が掲載されたのでお知らせいたします。
最終更新日: 2024/11/6
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鎖骨骨折の後遺障害についてのコラム記事
今回の日経メディカルの連載コラムは、鎖骨骨折の後遺障害についての話題です。
濱口裕之の「治療だけで終わらせない交通事故診療」第49回
癒合で安心しがちな鎖骨骨折、意外な後遺障害が隠れていることも…
鎖骨骨折の後遺障害は3種類
鎖骨は身体の前面にあって、しかも皮膚の直下にある細い骨なので、交通事故では鎖骨骨折の事案を見かける機会が多いです。
鎖骨骨折の多くは大きな後遺症を残すことなく治癒しますが、後遺障害に認定されるケースとして以下の3つが挙げられます。
- 神経障害: 骨折部の痛みやしびれ
- 機能障害: 肩関節の可動域制限
- 変形障害: 鎖骨骨折部の変形や偽関節
鎖骨骨折は意外にも後遺障害の対象になりやすい?!
医師は骨癒合しているかに注意を払いますが、プレート固定術による前胸部のしびれや知覚低下には無頓着です。しかし、前胸部のしびれや知覚低下は、後遺障害14級9号に認定される可能性があります。
鎖骨遠位端骨折に対してクラビクルフックプレートを使用する場合にも注意が必要です。クラビクルフックプレートでは、術後4週間程度は肩関節挙上を90度以下に制限する必要があります。
その結果、肩関節の可動域制限を併発するケースがあります。このような事案では、肩関節の可動域制限の程度によって、後遺障害12級6号や10級10号に認定される可能性があります。
<参考>
【医師が解説】鎖骨骨折の後遺症と後遺障害認定ポイント|医療鑑定
骨癒合すればOKという考えは改めよう!
整形外科医にとって「骨がついた=治った」です。整形外科医は骨癒合を優先するあまり、治療経過で併発するさまざまな後遺症を見落としてしまいがちです。
一方、トータルで見ると骨癒合だけに焦点を合わせるのでは片手落ちです。治療の過程で併発したしびれや関節の可動域制限も見逃してはいけないと思います。
骨を診るだけが整形外科医ではありません。トータルで治療するのが、診療で重要なポイントではないでしょうか。
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