交通事故コラム詳細

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【医師が解説】外傷性脳梗塞は交通事故との因果関係が問題になる

一般的に、脳梗塞が頭部外傷をきっかけにして発症しません。しかし、弊社の数千例に及ぶ経験では、交通事故で負った外傷をきっかけにして、脳梗塞を発症した事例を散見します。

 

このような事例では、脳梗塞と交通事故との因果関係が争いになるケースが多いです。本記事は、脳梗塞と交通事故との因果関係を証明する方法について解説しています。

 

 

最終更新日: 2024/5/10

 

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脳梗塞とは

脳梗塞が発症する原因

脳梗塞とは、脳を栄養する血管が詰まってしまい、そこから先に血液が行かなくなって、脳の一部がダメージを受ける病気です

 

 

脳梗塞の種類

脳梗塞には、血管が詰まる原因によって以下のような種類があります。

 

 

アテローム血栓性脳梗塞

アテローム血栓性脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの疾患がある人に多く見られます。これらの疾患が血管を傷つけ、血栓ができやすくなり、その血栓によって脳梗塞が引き起こされます。

 

 

心原性脳塞栓症

心原性脳塞栓症は、心臓に問題がある人に発症しやすいです。心臓内に血栓ができ、それが血流にのって脳に送り込まれ、脳の血管を詰まらせます。心原性脳塞栓症は、脳の広い範囲にダメージを与えることがあります。

 

 

ラクナ梗塞

ラクナ梗塞は、高血圧のために細い脳の血管が詰まってしまいます。ラクナ梗塞は通常小さく、軽度な症状を引き起こすことが多いです。

 

 

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脳梗塞の8つの危険因子

脳卒中治療ガイドライン2015では、脳梗塞を発生させる危険因子として以下の8つを挙げています。

 

  • 加齢
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 脂質異常症
  • 不整脈(心房細動)、心臓弁膜症
  • 喫煙
  • 飲酒
  • 全身の高い炎症状態

 

 

脳梗塞が引き起こす4つの症状

脳梗塞の症状には、主に以下の4つがあります。

 

 

運動障害

  • 片麻痺:右半身または左半身全体が動かせなくなることがあります。
  • 単麻痺:手足や指の一部が動かしにくくなります。
  • 言葉障害:言葉を話すことが難しくなり、物を飲み込むことができなくなることがあります。

 

 

感覚障害

  • 手足のしびれ:手や足がしびれることがあります。
  • 感覚の消失:触れても何も感じない、感覚が鈍くなることがあります。

 

 

失語症

  • 言葉を話せなくなる:言葉を発する能力が喪失し、コミュニケーションが難しくなります。
  • 文字を読めなくなる:文字を理解できなくなり、読書ができなくなります。
  • 字を書けなくなる:文字を書く能力が喪失し、筆記が難しくなります。

 

 

高次脳機能障害

  • 記憶障害:過去の出来事を思い出せなくなります。
  • 注意障害:注意を集中できなくなり、物事を理解しにくくなります。
  • 社会的行動障害:人格に変化が生じ、社交性や行動に問題が発生することがあります。

 

 

<参考>
【医師が解説】高次脳機能障害の後遺症が認定されるコツ|交通事故
【日経メディカル】定量化が難しい交通事故による高次脳機能障害
【日経メディカル】交通事故における曖昧な高次脳機能障害の定義
【日経メディカル】交通事故後の高次脳機能障害を見逃すな!把握しにくい2つの理由

 

 

 

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外傷性脳梗塞の事例

 

弊社では、交通事故が原因となった外傷性脳梗塞を以下の3つに分類しています。

 

  • 頭蓋内主幹動脈の解離による脳梗塞
  • 骨折で発生した脂肪塞栓症による脳梗塞
  • 外傷性くも膜下出血後の脳血管攣縮による脳梗塞

 

 

頭蓋内主幹動脈の解離による脳梗塞

頭部外傷では、内頸動脈や椎骨動脈などの頭蓋内主幹動脈が損傷して解離するケースがあります。これらの動脈が解離すると、それより末梢に血液が届かなくなるため脳梗塞を発症します。

 

 

骨折で発生した脂肪塞栓症による脳梗塞

脂肪塞栓症は、大腿骨などの長管骨の骨折に併発する可能性があります。脂肪塞栓症は、骨折のために中性脂肪が循環系に流入して、肺や脳の血管を閉塞させることが病態です。

 

脂肪塞栓症の症状としては、呼吸器症候、中枢神経症候、皮膚点状出血などが有名です。脳の血管が中性脂肪で閉塞すると、脳梗塞を発症します。

 

 

外傷性くも膜下出血後の脳血管攣縮による脳梗塞

くも膜下出血を起こしてから3日目~3週間までの間に、脳の血管が収縮して血液の流れが悪くなります(脳血管攣縮)。

 

脳血管攣縮が高度なケースでは、攣縮した血管が栄養する領域に脳梗塞が発症する可能性があります。

 

 

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【弁護士必見】交通事故と外傷性脳梗塞の因果関係を証明

 

一般的には、脳梗塞は外傷ではなく加齢や生活習慣病などが発症原因となります。このため、脳梗塞による障害が残っても、交通事故との因果関係が争われるケースを散見します。

 

交通事故を契機にして発症した外傷性脳梗塞では、診療録などの主治医による医証が重要な役割を果たします。

 

交通事故と脳梗塞の因果関係が問題になった場合には、診断書だけではなく診療録や看護記録を精査する必要があります。

 

交通事故と脳梗塞の因果関係証明でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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外傷性脳梗塞のまとめ

 

脳梗塞とは、脳の動脈が詰まってしまい、そこから先に血液が行かなくなって脳組織が壊死する傷病です。血管が詰まる原因は、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症、ラクナ梗塞の3つに分類されます。

 

一般的には、脳梗塞は外傷ではなく加齢や生活習慣病などが発症原因となります。このため、脳梗塞による障害が残っても、交通事故との因果関係が争われるケースを散見します。

 

交通事故をきっかけにして脳梗塞が発症することは珍しいですが、弊社の経験では外傷性脳梗塞には以下の3つのパターンがあります。

 

  • 頭蓋内主幹動脈の解離による脳梗塞
  • 骨折で発生した脂肪塞栓症による脳梗塞
  • 外傷性くも膜下出血後の脳血管攣縮による脳梗塞

 

 

自賠責保険は、脳梗塞と交通事故の因果関係を認めないケースが多いですが、弊社の経験では脳梗塞と交通事故との因果関係を主張できる事案が多いです。

 

 

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