交通事故被害者の後遺障害が認定されても、保険会社が顧問医の作成した意見書を提出してくるケースがあります。
本記事は、保険会社の顧問医が作成した意見書への対応策を理解するヒントとなるように作成しています。
最終更新日:2024/9/8
Table of Contents
保険会社の顧問医とは
保険会社の関連会社で雇用されている医師
大手保険会社の中には、関連会社で専属の医師を雇用しているケースがあります。このような医師は、その保険会社が取り扱っている交通事故事案に対して、医師意見書を作成します。
外部の提携医師
保険会社は取り扱い事案が多いため、関連会社で雇用している医師だけではマンパワーが足りません。また、特殊な事案では、その領域の専門医に医師意見書作成を依頼するケースもあります。
マイナー科の提携医師
保険会社の関連会社で雇用されている医師は、主に整形外科医と脳神経外科医です。これ以外の科では、外部の提携医師が医師意見書を作成します。
保険会社の顧問医が作成する意見書の内容
保険会社顧問医の意見書の内容
保険会社の顧問医が作成する意見書は、基本的には保険会社の主張にぴったり合致する内容になっています。
一問一答形式の意見書が多い
保険会社からの質問事項に対する回答という形式の医師意見書が多いです。この形式を採用する理由は、保険会社の意見をストレートに主張しやすいからだと考えられています。
保険会社顧問医の意見書の特徴
事案の経過が詳細に記されている
事案の経過が詳細に記されている意見書が多いです。保険会社のアジャスターが診療経過を抜粋して、顧問医に資料を提供していることが要因と思われます。
論理的な考察は十分と言えない意見書が多い
事案の経過は詳細に記されている意見書が多いですが、医師意見書のキモとなる考察部分は充分と言えないものが多い印象を受けています。
文献的考察の無い意見書も少なくない
医学ではエビデンスが重要視されています。このため医学論文では参考文献の引用が必須ですが、保険会社の顧問医が作成する医師意見書では、参考文献が提示されていないケースも散見します。
個人的経験をベースにして主張する意見書が多い
保険会社の顧問医が作成する医師意見書の特徴として、個人的経験をベースにしたい主張が多いことも挙げられます。このような意見書は客観性に乏しいため、反論が容易です。
【弁護士必見】保険会社顧問医が作成した意見書への対応策
保険会社顧問医の意見書のテキスト化
弊社では、まず保険会社顧問医の意見書をテキスト化する作業から始めています。保険会社顧問医の意見書は紙ベースなので電子化するとPDFになります。
しかし、PDFにはコメント機能が無く、また検索機能も使用できません。このため、皆で保険会社顧問医の意見書に対する対応策を検討するためには、テキスト化が必須です。
弊社では、独自開発した自然言語処理AI×カルテのテキスト化サービスを実装しています。保険会社の顧問医が作成した意見書を、このツールを利用してテキスト化しています。
<参考>
【弁護士向け】自然言語処理AI×カルテのテキスト化サービス|訴訟
保険会社顧問医の意見書に反論できる点を抜粋
テキスト化した保険会社の顧問医が作成した意見書に、弊社の「管理医師」が反論できるポイントをコメントしていきます。
管理医師とは、弊社専属の整形外科医と脳神経外科医からなる約20名の医師集団で、弊社業務の中核を担っています。
管理医師は社内コミュニケーションを通じて、数千例の事案データをもとに自賠責認定基準の研究を重ねています。
管理医師には豊富な臨床経験があり、自賠責認定基準を熟知しているので、保険会社顧問医が作成した意見書に反論できる点を細大漏らさず抽出できます。
<参考>
【弊社ホームページ】自賠責認定基準を熟知した管理医
弁護士と管理医師が協議して方針決定
管理医師が抽出した反論できる点を報告して、弁護士と管理医師が協議を重ねながら方針を決定します。
弊社の経験では、ほとんどの保険会社顧問医が作成した意見書に対して有効な反論が可能です。
保険会社顧問医が作成した意見書でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
まとめ
保険会社の顧問医が作成する意見書の特徴として以下の特徴があります。
- 事案の経過が詳細に記されている
- 論理的な考察は十分と言えない意見書が多い
- 文献的考察の無い意見書も少なくない
- 個人的経験をベースにして主張する意見書が多い
保険会社顧問医が作成した意見書への対応策は、自賠責認定基準を熟知した医師が反論できる点を抜粋して、弁護士と医師が協議して方針決定することが望ましいでしょう。
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