経時的に増悪する麻痺症状と事故との因果関係

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頚椎不全損傷や中心性頸髄損傷などの傷病名がついている事案では、症状が経時的に増悪する事案を散見します。頚髄損傷では、教科書的には受傷早期が最も症状が強く、経時的に軽快(もしくは不変)していくと記載されています。

 

もちろん、一般的にはこのような経過をたどりますが、経時的に症状が悪化する事案が存在することも事実です。このような事案では、既往症として高度の頚椎症や後縦靭帯骨化症などを認めることが多いです。

 

頚椎症や後縦靭帯骨化症の自然経過として症状が増悪した可能性がありますが、受傷前に無症状だったのであれば、事故などの外傷が契機になったことは明らかです。実臨床では外傷が契機となって症状が増悪したとしても、治療法に変わりが無いので大きな問題とはみなされません。

 

ところが、交通事故実務では事故との因果関係が問題になるため、訴訟提起がなされることが多いです。弊社にも類似事案の相談が多いですが、その際のポイントは受傷時に症状が存在したことだと考えています。

 

ときどき、受傷してから数ヵ月してから症状が出現したという事案の相談が持ち込まれますが、さすがにこのような経過であれば事故の影響はほとんど無いと判断されます。

 

一方、受傷前には無かった症状が事故後に発症して、その症状が経時的に増悪した場合は、素因減額の論点はあるものの外傷との因果関係はあると思われます。個々の事案で所見が異なるので一般化は難しいですが、診療録や画像所見を精査して事故との因果関係を探ることになります。

 

 

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