Table of Contents
外傷性頚部症候群の後遺障害診断書記載のコツ
交通事故の後遺障害等級認定において、最も重要な書類のひとつは後遺障害診断書です。後遺障害診断書に記載された内容のために、本来なら等級が認定されてしかるべき事案が非該当になることも多いです。
弊社では、これまで約1300の事案をみてきましたが、それらのデータをもとにして後遺障害診断書の記載のコツをまとめてみました。
- 傷病名:レセプトに登録している病名は漏れなくすべて記載する
- 自覚症状:病名に対応する症状はすべて記載することが望ましい
- 他覚症状および検査結果:身体所見・画像所見を簡潔に記載する。深部腱反射は異常所見があれば記載する
- 運動障害:頚椎可動域は記載する方が望ましい
- 増悪・緩解の見通し欄:症状固定と考えると記載
よくみかけるのが、①②がリンクしていない診断書です。病名があるのに症状記載が抜けているケースが後を絶ちません。②で記載されていない症状は、基本的に審査対象になりませんので注意が必要です。
③に関しては、実臨床において深部腱反射はほとんど意味が無いですが、自賠責ではなぜか重要視されています。客観性のある所見という認識なのでしょうが、医師間に統一した深部腱反射の判定基準が存在しないので極めてあいまいな所見です。しかし、残念ながら現在でも12級13号では深部腱反射が重要視されています。
⑤はシンプルに「症状固定と考える」でよいと思います。そもそも後遺障害診断書を記載するのは症状の緩解が見込めなくなった時点です。特に開業医が作成する後遺障害診断書では、冗長で無駄な記載が多い印象を受けます。
後遺障害診断書の目的は、残存する症状や所見を的確に伝えることです。したがって、主観的な記載や冗長な記載ではなく、誰が見ても分かるように正確な内容を簡潔に記載することが望まれます。シンプル・イズ・ベストなのです。
尚、実際にはブログでは公開できない内容が多々あります。弁護士や医師の方で後遺障害診断書の記載法で不明点があれば、弊社あてにご連絡いただければ幸いです。尚、被害者からのご質問はかたくお断りしています。
後遺障害診断書でお悩みの事案はメディカルコンサルティングまで
メディカルコンサルティング合同会社は、医師が代表をつとめる会社としては業界最大手です。全国約130名の各科専門医と、年間約1000例の交通事故事案に取り組んでいます。
交通事故でお困りの事案があれば、こちらからメディカルコンサルティング合同会社までお問い合わせください。
関連ページ