Table of Contents
今週の交通事故関連の話題
医療関係の事案では、画像所見が有力な手掛かりになることが多いです。しかし、画像所見は解剖が分からなければなかなか理解できないのが現実です。
ほとんどの画像資料は2次元なので、複数の画像を流し見ることで3次元の情報を頭の中で組み立てる必要があります。正常解剖が分からなければできない芸当だと思います。
このため、画像所見を読み解くことに苦手意識を持っている弁護士の先生が多いことでしょう。もし、画像所見をある程度読影できれば、仕事の幅が広がるかもしれません。
取引先の弁護士の先生から画像所見の読影のコツを訊かれることがときどきあるので、私なりの考えをまとめてみました。
やはり正常解剖を3次元的に頭の中でイメージすることは難しいです。私たち整形外科医や脳神経外科医は日々の手術で実際に体内の様子を見ているので問題ないのですが、弁護士の先生ではそのような経験はできません。
それではどのようにして正常解剖を把握すればよいかというと、下記の画像を取り扱っている医学書を購入することを推奨します。
- 関節のMRI
- 脊椎脊髄疾患のMRI
- 肩関節のMRI
いずれも高価な書籍ですが、それなりの価値はあります。全ての書籍に正常解剖のMRIが掲載されているので、事案の画像と比較すると、ある程度画像所見を理解することが可能となります。
交通事故事案や労災事故事案の取り扱いの多い弁護士の先生であれば、これらの書籍への投資は価値に見合うものであると考えます。