Table of Contents
臨床医は何を考えて日常診療を行っているのか
今日は臨床医がどのように考えて、日々の診療を行っているのかをお話ししようと思います。まず、医師は、病院に勤務する「勤務医」と、自らクリニックを経営している「開業医」の2種類が居ます。
勤務医と開業医では、診療に対する考え方が少し異なります。まず、数が多い勤務医に関してですが、率直に申し上げて勤務医の立場では、できるだけ交通事故や労災事故の患者さんは診たくないというのが本音です。
勤務医が交通事故や労災事故の患者さんを診察したくない理由は下記のごとくです。
- 診断書や後遺障害診断書など記載しなければならない書類が多い
- 被害者意識が強く、診療するにあたって難のある患者さんが多い
- 保険会社との折衝が上手くいかない愚痴を聞かされる
- 裁判沙汰に巻き込まれそうで何となく不安
外来をしていて私が最もストレスを感じるのは②です。被害者なので被害者意識を抱くのは当然ですが、そのはけ口を医師に向ける患者さんが多いのです。症状がよくならないのは医師に問題があるのではないのか? という態度が辛いです。
攻撃的な態度の被害者も散見するため、必然的に医師の立場では交通事故や労災事故の被害者に対して苦手意識が熟成されます。あと、制度をよく分かっていない医師がほとんどなので、何となくいざこざに巻き込まれることを危惧しがちです。
一方、開業医の立場では、勤務医と少し事情が異なります。抱えるストレスは同じですが、何と言っても診療費は自分の収入になるので、勤務医よりは積極的に診療しようというインセンティブが働くのです。
さすがに、交通事故や労災事故を専門に扱うクリニックは、全国的にみてほとんど例がありませんが、将来的に医療費が削減されてクリニックの経営環境が悪化すると、そのようなクリニックが増えてくるかもしれません。
このような理由で、交通事故や労災事故に関わる主役のひとりである医師は、やや後ろ向きになることが多いです。交通事故や労災事故で非協力的な医師が多いのは、このような理由があるからなのです。
主治医が非協力的な事案はメディカルコンサルティングまでご相談ください
メディカルコンサルティング合同会社は、医師が代表をつとめる会社としては業界最大手です。全国約130名の各科専門医と、年間約1000例の交通事故事案に取り組んでいます。
主治医が非協力的な事案でお困りの事案があれば、こちらからメディカルコンサルティング合同会社までお問い合わせください。
関連ページ