脊髄症と神経根症

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頚椎由来の神経症状は、脊髄症と神経根症に分けられます。脊髄症とは脊髄の本幹が障害され生じる疾患のことで、神経根症状とは脊髄から枝分かれした根枝由来の神経根が障害され生じる疾患のことです。

脊髄症は手指のしびれ、手の使いにくさなど巧緻運動障害で始まり、片側で生じた症状は反対側にも自覚されてきます。症状の進行にともない、下肢のもつれ等痙性歩行が出現し、体幹から下肢のしびれが続きます。これは脊髄の中の中心灰白質が組織学的に圧迫に弱いため、まず最初に灰白質の前角や後角が障害され、上肢の症状が先行します。その後辺縁の白質が障害されるのですが、白質には錐体路、脊髄視床路という下行性運動性伝導路と上行性感覚性伝導路が通っています。そのため、下肢の運動障害、感覚障害が続いて起こります。上肢の腱反射の低下は灰白質(髄節レベル)の障害を見ており、腱反射の亢進は白質(索路徴候)を見ていることになります。

神経根症の多くは片側の頚部〜肩(肩甲部辺り)の疼痛で発症し、遅れて上肢痛、しびれが出現します。神経根症と脊髄症の違いは、この先行する頚部〜肩痛の有無でほとんど鑑別できます。ただし入念な問診は必要です。そして神経根症では支配領域の筋肉が関連する腱反射が低下します。例えば右のC6神経根症状の患者さんであれば右上腕二頭筋腱反射は低下しますが、他の上肢の腱反射は正常となります。

通常神経根症であればJackson、Spurlingといった神経根圧迫テストが陽性になりますが、陽性とならない非定型例もあります。こういう場合でも画像所見としびれ、痛みの領域がデルマトームに一致していれば、神経根症と診断できます。しかし自賠責保険の後遺障害診断書でJacksonテスト陰性という記載だけで、損保側は客観的所見がないと自動的に判断し12級該当の認定はしません。

被害者の方の残存症状と後遺障害の認定結果に違和感がある場合は是非一度弊社にご相談いただければと思います。

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