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TFCC損傷の診断
交通事故関連の外傷で、等級認定が難しいもののひとつに手関節のTFCC損傷が挙げられます。TFCCは、手関節尺側に存在する関節円板や靱帯、半月板類似体の総称であり、三角線維軟骨複合体の略称です。
臨床的には、橈骨遠位端骨折の約50%程度に、TFCC損傷を合併します。診断は、まず身体所見でTFCC損傷の存在を疑います。手関節尺屈でのストレステスト(ulnocarpal stress test)が陽性であれば、画像検査を検討します。
画像検査では、まず単純X線像を確認しますが、尺骨が橈骨よりも長い症例ではTFCC損傷を併発している可能性が高いです。そして、次のステップとしてMRIの施行が検討されます。一部の放射線科医師は、MRIでの所見をもってTFCC損傷と診断しています。
しかし、MRIはあくまで補助診断に過ぎません。手術適応を決めるには関節造影が必須であり、MRI所見と乖離している症例が多いです。確実な診断は、MRIではなく関節造影であることを忘れてはいけません。最近では自賠責もこの点に踏み込んでいるようです。
関節造影は侵襲的な検査なので、単に診断をつけるためだけに関節造影まで施行する医師はいません。その場合には消去法的にMRIの再検ということになります。TFCCは小さな構造体であるため、専門施設において解像度の高い機種で施行する必要があります。
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