外傷性頚部症候群(WAD)の発症に関する因子

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どのような交通事故の被害者がWADを発症しやすいのでしょうか。文献を参考に述べていきたいと思います。

まず発症に関与する可能性がかなり高いのは、年齢と頚部痛の既往です。20~24歳が多いとの報告が多いようで、事故前1ヶ月に頚部痛を経験していた人では事故後の頚部痛が出現しやすいとの報告があります。

発症に関与する可能性が高いのは、性別、衝突方向、ヘッドレストの有無です。女性に有意に多いとの報告が多く、男性の発症率の1.5~2倍とも言われています。衝突方向では追突事故が多く、女性ではヘッドレストの使用で発症頻度を減らすようです。

逆に発症に関与しない可能性が高いのは、直前の事故予知とのことです。つまりバックミラーを見て、後方から車が衝突してくることに気づいて身構えていても、事故後の頚部痛の発症を防ぐことはできないということです。

発症との関与がはっきりしないのは、社会的因子、具体的には職業、婚姻、教育歴です。医学的には当然のような印象です。

発症との関与がはっきりしないのは、事故に関連する因子の中で、事故車間の相対速度、事故の強度、シートベルトの有無です。これらは頚部への外力の大きさに関わるものですが、意外と発症との関連性ははっきりしていないようです。自賠責保険では物損の程度、つまり事故の衝撃の大きさを等級認定において重視しますが、それは医学的根拠に乏しいという結果です。

参考文献
米 和徳ら 2009 整形災害外科

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