40歳台以下の腱板断裂は外傷性

投稿日:2017年6月17日 更新日:

 

肩関節の腱板損傷は、比較的ポピュラーな外傷であるものの、その疫学についてはまだよく知られていない点があります。先日、拝読した学術論文に興味深いデータがあったのでご紹介します。城東整形外科の皆川医師の論文です。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3768248/pdf/main.pdf

 

皆川医師は、整形外科の中では超音波検査で有名な医師です。この論文では、一般住民664人のポータブル超音波診断装置を用いた調査の結果、664人のうち147人(22%)に腱板断裂を認めたと述べています。

 

 

しかし、痛みのある「症候性」腱板断裂は、腱板断裂のみられた住民の35%に過ぎなかったそうです。40歳以下の腱板断裂はなく、加齢とともに頻度が上昇しました。断裂は50歳台から生じて加齢とともに増加し、症候性断裂と比べて無症候性断裂の頻度が増加しました。

 

nが少ないものの、40歳台の住民に腱板断裂は居なかったことは注目するべきことです。このことは40歳台以下の方が非外傷性に腱板断裂をきたす可能性は、かなり低いことを示唆しています。このことは、交通事故で言うと、被害者に有利な疫学です。

 

腱板断裂の場合、交通事故が断裂の原因か否かが論点になるケースがあります。そしてそのようなケースにおいて、被害者が比較的若年の場合には、この論文からも外傷性に発生した可能性が高いと言えるのです。

 

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