交通事故コラム詳細

fv fv
2023.3.28

自賠責実務

交通事故のリハビリは通院になる?頻度はどれぐらい?|後遺障害

交通事故で負ったケガが後遺障害に認定されるためには、整形外科への通院頻度が重要です。交通事故のリハビリは通院になるのでしょうか? 

 

本記事は、年間1000例の交通事故事案を取り扱っている医療鑑定医師が、交通事故のリハビリは通院になるのかや、通院頻度はどれぐらいが適切なのかを説明しています。

 

 

最終更新日: 2024/5/13

 

book

 

 

交通事故のリハビリは通院になる

 

むちうちなどの交通事故外傷で残った後遺症が、自賠責保険の後遺障害に認定されるためには、整形外科への通院日数が重要です。

 

しかし、医師の診察を受けるためには、かなりの待ち時間を覚悟しなければいけません。忙しいので、リハビリだけで済ませたい人も少なくないでしょう。

 

しかし、リハビリだけの通院は、通院日数にカウントされるのでしょうか?せっかく、リハビリに通ったのであれば、通院回数にカウントして欲しいところです。

 

自賠責保険では、リハビリだけの通院でも、通院日数にカウントされます。安心して整形外科にリハビリを行いしましょう。

 

 

rehabilitation

 

 

交通事故では整骨院への通院もカウントされる

 

自賠責保険では、整形外科へのリハビリ通院だけではなく、整骨院への通院も通院回数にカウントされます。

 

しかし、整骨院は医療機関ではないため、整骨院単独では通院回数にカウントされないことに注意が必要です。

 

少なくとも、2週間に1回以上の整形外科への通院が無いと、整骨院への通院回数はカウントされません。

 

 

交通事故のリハビリ通院日数は?

交通事故のリハビリ通院は週3日がお勧め

これまでに弊社で取り組んだ数千例の交通事故事案を分析したところ、むちうちなどで14級9号以上の後遺障害が認定された事案のほとんどは、リハビリに週3日以上通院していました。

 

実臨床に関わる整形外科専門医としての経験からも、むちうちでは週3日程度のリハビリ通院が効果的だと考えています。

 

 

整骨院への過剰通院はお勧めできない

弊社で取り組んだ数千例の事案を分析すると、整形外科などの医療機関と比較して、整骨院は通院回数が非常に多いです。

 

西洋医学(整形外科)と医業類似行為(整骨院)の考え方の違いかもしれませんが、過剰な通院は百害あって一利なしです。

 

毎日整骨院に通って施術を受けてしまったために、施術費だけで慰謝料の総額を超える事案を散見します。こうなると示談交渉が難航するのは必至です。

 

このような苦境に陥らないためにも、やむを得ず整骨院に行くのであれば、通院頻度について弁護士に相談しましょう。

 

 

<参考>
【日経メディカル】治療費の支払い打ち切りの背後に過剰医療も?!

 

 

 

nikkei medical

 

 

交通事故では毎日リハビリ通院しない方がよい

慰謝料の観点

慰謝料の観点で、整形外科への通院頻度を考えてみましょう。結論から申し上げて、交通事故では毎日リハビリ通院しない方が良いです。その理由は以下の2点です。

 

  • 交通事故の慰謝料はリハビリ通院の頻度と比例しない
  • 示談交渉が難航するリスクがある

 

 

交通事故の慰謝料はリハビリ通院の頻度と比例しない

慰謝料(自賠責基準)

自賠責保険基準では、慰謝料は以下のとおりです。

 

  1. (治療期間 or 通院日数×2の少ない方)×4,300円/日
  2. 1ヶ月毎の通院日数の上限は15日

 

1ヶ月毎の通院日数の上限は15日のため、1ヶ月間に15日以上リハビリ通院しても、慰謝料は増額しません。

 

慰謝料の観点では、1ヵ月に15日リハビリ通院しても、1ヵ月に25日リハビリ通院しても同じなのです。

 

 

慰謝料(裁判基準)

交通事故の慰謝料の相場は、自賠責保険基準と裁判基準で異なります。裁判基準の慰謝料は、自賠責保険基準よりも高額です。

 

以下の表(金額は軽度むちうちのケース)のように、裁判基準の慰謝料は治療期間で慰謝料が決まります。したがって、リハビリ頻度は慰謝料の金額に影響しません。

 

 

 

 

示談交渉が難航するリスク

 

交通事故で負った傷害の慰謝料は、自賠責保険から120万円まで支払われます。それを超える金額は、保険会社が支払います。

 

120万円までの慰謝料なら、保険会社に負担が発生しません。しかし慰謝料が120万円を超えると、保険会社に支払い義務が発生します。

 

高頻度にリハビリ通院すると医療費が120万円を軽く超えてしまい、保険会社に巨額の支払い義務が発生します。このため、保険会社との示談交渉が難航する要因となります。

 

 

rehabilitation

 

 

後遺障害の観点

むちうちなどの傷病が後遺障害に認定されるためには、ある一定程度以上の整形外科への通院日数が必要です。

 

しかし、週3日の通院頻度で、むちうちの自賠責認定基準を充分にクリアできます。それ以上リハビリ通院する必要は無いのです。

 

むしろ、以下の2つの理由のために、毎日リハビリ通院するなどの高頻度の通院はしない方が良いです。

 

  • 毎日リハビリ通院すると過剰医療や詐病を疑われる
  • 早期に一括対応を打ち切られるリスク

 

 

毎日リハビリ通院すると過剰医療や詐病を疑われる

 

毎日リハビリ通院すると、保険会社に要注意人物としてマークされます。更に、過剰医療や詐病を想起させる原因となり得ます。

 

治療の観点でも、毎日リハビリ通院した方が良いという医学的エビデンスは存在しません。

 

 

早期に一括対応を打ち切られるリスク

 

毎日リハビリ通院していると、保険会社から早期に一括対応を打ち切られる可能性が高まります。

 

保険会社からの一括対応を打ち切られた後は、自費で通院する必要があるため、非常に不利な状況に追い込まれます。

 

 

<参考>
【医師が解説】頚椎捻挫が後遺障害に認定されるポイント|交通事故

 

 

massage

 

 

まとめ

 

交通事故で負ったケガの後遺症が、自賠責保険で後遺障害に認定されるためには、整形外科への通院日数が重要です。そして、リハビリ通院は通院日数に含まれます。

 

一方、交通事故では、慰謝料の観点からも後遺障害認定の観点からも、毎日リハビリ通院しない方が良いです。交通事故のリハビリ通院は週3日がお勧めです。

 

整骨院に通院すると、高頻度のリハビリ通院を求められるかもしれませんが得策ではありません。そのような場合には、弁護士に相談しましょう。

 

 

inquiry

 

Traffic accident patient

 

 

関連ページ

 

 

 

 

 

 

 

download

 

 

資料・サンプルを無料ダウンロード

 

以下のフォームに入力完了後、資料ダウンロード用ページに移動します。

    関連記事

    ランキング