交通事故コラム詳細

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圧迫骨折でコルセットは寝るときに必要?|交通事故の後遺障害

交通事故で発生する体幹の外傷のひとつに胸腰椎圧迫骨折があります。胸腰椎圧迫骨折は、コルセットで治療するケースが多いです。

 

胸腰椎圧迫骨折では、寝る時にまでコルセットを装着する必要があるのでしょうか?

 

本記事は、胸腰椎圧迫骨折を受傷した際に、コルセットの正しい使い方が分かるヒントとなるように作成しています。

 

 

最終更新日: 2024/11/10

 

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胸腰椎圧迫骨折とは

 

胸腰椎圧迫骨折とは、背骨の椎体が潰れる骨折です。下の画像のように背骨が台形に潰れるケースが多いです。

 

 

Lumbar spine X-ray

 

 

胸腰椎圧迫骨折の治療

胸腰椎圧迫骨折の保存療法

下肢麻痺や尿閉などの神経症状がない症例では、まず保存療法を行います。フレームコルセットやダーメンコルセットを作成して、約3ヵ月間常用します。

 

 

胸腰椎圧迫骨折の手術療法

経皮的椎体形成術

 

圧迫骨折した椎体に、針を用いて骨セメントを充填する低侵襲な手術です。痛みを軽減できると同時に、背骨の安定化も得られます。

 

 

脊椎固定術

 

金属製のスクリューや棒で背骨を直接固定する手術です。背中を切って骨折した部位を固定する方法と、脇腹を切って内臓を避けて骨折部分を固定する方法があります。

 

 

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圧迫骨折の腰痛でコルセットは寝るときに必要?

寝るときはコルセットを外してもよい

私たち整形外科医が、患者さんだけではなく看護師などのコメディカルからも、最も良く訊かれる質問です。

 

結論から申し上げますと、胸腰椎圧迫骨折であっても寝るときはコルセットを外しても問題ありません。

 

ただし、フレームコルセットやダーメンコルセットのような大きなコルセットの着脱は大変です。

 

このため、寝るときはコルセットを外してもよいが、ストラップを緩めるだけに留めることを推奨しています。

 

 

寝るときにコルセットを外すと圧迫骨折が悪化する?

医学的には、寝るときにコルセットを外すと圧迫骨折が悪化するというエビデンスはありません。

 

 

<参考>
骨粗鬆症性椎体骨折診療マニュアル(日本整形外科学会骨粗鬆症委員会WG策定)

 

 

圧迫骨折でのコルセットの使い方

寝ているとき以外(離床時)はコルセットを装着する

コルセットは、寝ているとき以外(離床時)は装着することを推奨します。特に起き上がるときに痛みが悪化しがちなので、起き上がる前にストラップを締めましょう。

 

 

入浴時にはコルセットを外してもよいのか?

骨折部がある程度安定化すれば、入浴時にもコルセットを外せる可能性があります。しかし、前屈みになりすぎるのはよくありません。

 

尚、本コラムで述べたコルセットの要否や装着方法は、あくまでも一般論です。症例毎に状況は異なるので、必ず主治医の指示に従いましょう。

 

 

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圧迫骨折で推奨される腰に負担の少ない寝方

 

骨粗鬆症がベースにある中高齢者では、仰向け(仰臥位)で寝ることを避ける必要があります。できるだけ横向き(側臥位)で寝るようにしましょう。

 

 

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Traffic accident patient

 

 

胸腰椎圧迫骨折で考えられる後遺障害

 

交通事故で受傷した胸腰椎圧迫骨折では、自賠責保険の後遺障害に認定される可能性があります。詳細については、以下のページを参照してください。

 

 

<参考>
【医師が解説】胸腰椎圧迫骨折が後遺症認定されるポイント|交通事故

 

 

 

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圧迫骨折の後遺障害認定で弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、交通事故で受傷した圧迫骨折の後遺症が、後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニングは、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニングの有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニングを承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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圧迫骨折の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

Traffic accident patient

 

 

尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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圧迫骨折が後遺障害認定されると損害賠償金を請求できる

 

圧迫骨折が後遺障害に認定されると、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益を請求できます。

 

 

後遺障害慰謝料とは

後遺障害慰謝料は、後遺症が残った場合に支払われる賠償金です。下の表のように後遺障害等級によって異なります。適正な相場金額での慰謝料を受け取るためには、相手側の保険会社との示談交渉が必要です。

 

 

後遺障害等級

後遺障害慰謝料

1級

2800万円

2級

2370万円

3級

1990万円

4級

1670万円

5級

1400万円

6級

1180万円

7級

1000万円

8級

830万円

9級

690万円

10級

550万円

11級

420万円

12級

290万円

13級

180万円

14級

110万円

 

 

圧迫骨折の後遺障害慰謝料の相場は?

圧迫骨折の後遺障害慰謝料の相場は、後遺障害等級によって異なります。

 

例えば、変形障害の場合、後遺障害6級5号に認定されると約1,180万円、8級相当で約830万円、11級7号で約420万円の慰謝料が請求できます。

 

運動障害の場合も同様に、後遺障害6級5号で約1,180万円、8級2号で約830万円の慰謝料が請求可能です。

 

 

後遺障害逸失利益とは

後遺障害逸失利益とは、後遺症が原因で労働能力が低下し、将来的に得られるはずだった収入が減少することに対する賠償金です。

 

例えば、労働能力喪失率が30%と認定され、67歳までの逸失利益が認められるケースがあります。

 

 

圧迫骨折の後遺障害逸失利益の相場は?

圧迫骨折の後遺障害逸失利益の相場は、後遺障害等級や労働能力喪失率によって異なります。

 

例えば、後遺障害6級5号に認定されると、労働能力喪失率が67%とされ、逸失利益が高額になることがあります。

 

具体的な金額は、個々のケースによって異なるため、弁護士の意見を参考にすることが重要です。

 

 

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圧迫骨折でよくある質問

骨粗鬆症性椎体骨折でコルセットは効果無しなの?

骨粗鬆症性椎体骨折診療マニュアル(日本整形外科学会骨粗鬆症委員会WG策定)のクリニカルクエスチョンでは、骨粗鬆症性椎体骨折の治療と外固定についての驚くべき回答が記載されています。

 

要約すると以下のとおりです。

 

  • 骨粗鬆症性椎体骨折では外固定の種類と治療成績に有意差無し
  • 骨粗鬆症性椎体骨折では外固定の有無と治療成績に有意差無し
  • 骨粗鬆症性椎体骨折では受傷後の安静期間と治療成績に有意差無し

 

 

私は、2019年の日本整形外科学会学術総会において、鳥取大学の荻野浩医師の講演で初めて知りました。

 

整形外科医としては衝撃的な内容ですが、たくさんの論文をベースにしたクリニカルクエスチョンに対する回答なので信頼性は高いです。

 

 

胸腰椎圧迫骨折は全治何ヶ月?

椎体圧壊の程度、骨折型、治療法によって異なりますが、胸腰椎圧迫骨折ではおおむね3ヵ月で骨癒合するケースが多いです。

 

ただし、骨が十分な強度を獲得するには1年かかるため、重労働や激しいスポーツは1年ほど控えた方が無難です。

 

 

まとめ

 

胸腰椎圧迫骨折であっても寝るときはコルセットを外しても問題ありません。一方、寝ているとき以外はコルセットの装着を推奨します。

 

骨折部がある程度安定化すれば、入浴時にコルセットを外せる可能性があります。しかし、前屈みになりすぎるのはよくありません。

 

 

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