医療関係の訴訟では、診療録(カルテ)の精査が必須です。しかし、カルテの記載内容は医療専門用語のオンパレードなので非常に難解です。
しかもカルテは紙ベースの資料なので、業務効率が非常に悪いです。資料をデジタル化して、もっと効率的に仕事ができたら...。
弊社では、そのような弁護士の切実なニーズに応えるべく、業界初となる自然言語処理AIを用いたカルテのテキスト化サービスを開始しました。
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医療機関のカルテ開示状況
残念ながら、日本ではカルテの全国的な統一フォーマットが存在しません。各医療機関が、自施設にオーダーメイドしたカルテを使用しています。
さらに、カルテが院外に持ち出される際には紙ベースが基本です。電子データでカルテ情報が提供されれば、弁護士の業務効率は飛躍的にアップするはずです。
しかし現実には、医療機関がカルテを電子データベースで提供することはほとんどありません。このため、弁護士は膨大な紙と向き合わざるを得ません。
【医証のDX】カルテのテキスト化で業務改善
DX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性が認識されて久しいです。しかし、コロナ禍前から、多くの医療機関では電子カルテやオーダリングシステムを通じて、DXを実現していました。
しかし、対外的には相変わらずのアナログ形式(紙ベース)での医証提供のままです。その理由として、個人情報保護法の影響もあると考えています。
最近では、弁護士業務もデジタル化しつつあります。完全な紙運用の法律事務所は少ないのではないでしょうか。
デジタル化(テキスト化)のメリットは計り知れません。しかし、それの足かせになっているのがアナログな紙ベースでの医証です。
紙ベースのアナログな医証をテキスト化できれば、弁護士の業務効率は飛躍的に向上するはずです。
カルテのテキスト化に取り組んだ経緯
カルテは、医師が視覚的に見やすいように構成されています。そして、全国的に統一されたフォーマットは存在しません。
このため、既存のテキスト化サービスでは、非常に低い信頼度でしかカルテをテキスト化することができませんでした。
一方、弊社では多数の交通事故や医療過誤の訴訟事案に取り組んでいます。そして、医師意見書作成を作成するためにはカルテの精査が必須です。
弊社では約120名の医師が全国に散らばっています。このため、紙ベースでの運用は困難であり、クラウドサービスを利用して電子データのやりとりをしています。
デジタル化していると業務効率が高いです。それでも、カルテのテキスト化は解決困難な大きな課題でした。その理由は統一フォーマットが無いため、テキスト化の精度がとても低くなるのです。
カルテのテキスト化が実現できれば、大幅な業務効率改善が見込まれます。カルテのテキスト化は、弊社にとって大きな課題でした。
カルテをテキスト化するメリット
カルテをテキスト化するメリットは下記のごとくです。
- 検索機能を使用できる
- メモやコメント機能
- カルテの記載内容をコピー&ペーストできる
重要な個所には付箋を貼って、アンダーラインを引く。紙ベースではこのような作業が標準でした。しかし、訴訟で使用されるカルテには、500ページを超えるものもあります。
弊社でも、段ボール箱1杯に積み込まれたカルテの束を郵送されて閉口した事案も多数ありました。
このような訴訟事案であっても、カルテをテキスト化することで検索機能を使用することが可能になります。
重要な個所にコメントを挿入することで、後になって資料を見直す時にも絶大な効果を発揮します。
カルテのテキスト化に自然言語処理AIが必要な理由
フォーマットがバラバラであるカルテに記載されている文字をテキストデータ化するには、自然言語処理AIを用いる必要があります。
開発の過程では、AIと医療の両方に詳しいエンジニアが、AIのプログラムを設計する必要がありました。
カルテのテキスト化サービスの料金
顧問契約締結の法律事務所および保険会社様は無料
顧問契約を締結いただいている法律事務所および保険会社様は、カルテのテキスト化サービスを無料でご使用いただけます。
回数制限や容量制限は特に設けていませんので、お気軽に弊社までご依頼いただければ幸いです。
一般の法律事務所および保険会社様
初回無料にて、カルテのテキスト化サービスを提供させていただきます。本サービスを希望される場合には、こちらからお問い合わせください。
尚、2回目以降は2000円/ファイルにて承ります。1ファイル当たりの容量やページ数に制限はありません。
カルテのテキスト化サービスの具体例
下記にカルテのテキスト化サービスの具体例を供覧します。左側がオリジナルのカルテで、右側がテキスト化して抽出したものです。
納品はwordファイルとなります。現状での精度は、電子カルテで90%前後、手書きカルテで60-70%程度です。
カルテのテキスト化サービスの使用例
検索機能
wordファイルなので、検索機能を使用できます。例えば「ドレーンチューブ」というキーワードを検索すると、該当場所が右側のテキストデータに表示されます。
その場所に対応した左側のオリジナルのカルテに、「ドレーンチューブ」というキーワードが記載されている箇所があります。
これまでは、目視に頼って膨大なカルテの中から該当箇所を探していました。しかし、検索機能を用いることで、効率的にカルテの該当箇所を確認することができます。
メモやコメント機能
右側のテキスト部分に追記することで、メモを残すことも可能です。後日、自分の残したメモも含めて検索できるメリットがあります。
コピー&ペースト機能
右側のテキスト部分をコピー&ペーストできます。これまでは目視でカルテのキモとなる部分を準備書面などに記載していましたが、コピー&ペーストできると業務効率が上がります。
尚、電子カルテであっても精度は90%程度です。このため、コピー&ペースト時には、誤変換が無いことを確認することを推奨します。
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