交通事故で発生する腰の外傷のひとつに腰椎横突起骨折(ようついおうとっきこっせつ)があります。腰椎横突起とは、腰骨の横にある小さな突起です。
腰椎横突起骨折は、2014年のFIFAワールドカップでブラジル代表のネイマール選手が、背部からタックルを受けて受傷したことで有名です。
腰椎横突起骨折は、交通事故の現場では比較的頻度の高い骨折です。本記事は、腰椎横突起骨折の後遺症が等級認定されるヒントとなるように作成しています。
最終更新日: 2024/9/8
Table of Contents
腰椎横突起骨折とは
腰椎横突起とは、腰椎から横に伸びている小さな突起です。腰に強い衝撃が加わると、腰椎横突起骨折を受傷します。
交通事故での腰椎横突起骨折の受傷機序
腰椎横突起骨折は、腰を強く打ったときに受傷します。交通事故では、歩行中や自転車・バイクに乗車中に転倒して受傷することが多いです。
腰椎横突起骨折の症状
かなりの腰痛があります。折れている側に腰痛がある傾向にあります(例:右側の腰椎横突起骨折であれば右腰)。
通常、腰椎横突起骨折だけでは、脚のしびれなどの坐骨神経痛を発症しません。
腰椎横突起骨折の診断
単純X線像(レントゲン検査)の正面像で、腰椎横突起骨折を診断できるケースもあります。しかし、通常はそれほど大きく転位(ずれ)ないので、CT検査で初めて骨折が判明することが多いです。
腰椎横突起骨折に対する治療
腰椎横突起骨折そのものに対しては、保存療法が基本になります。かなり大きく転位(ずれ)していても、手術療法が選択されるケースはありません。
鎮痛剤を服用しつつ簡易型コルセットを2~3週間するだけで、痛みは軽快していくことが多いです。
腰椎横突起骨折の安静期間
日常診療でよく聞かれる質問のひとつに、腰椎横突起骨折の安静期間があります。
他の臓器損傷が無い限り、腰椎横突起骨折だけなら絶対安静の必要はありません。痛みに応じて日常生活や仕事を行うことが可能です。
腰椎横突起骨折はいつから仕事復帰できる?
日常診療でよく聞かれる質問のひとつに、腰椎横突起骨折はいつから仕事復帰できる? があります。
仕事の内容にも拠りますが、骨折以外に大きな臓器損傷が無い場合には、痛みに応じて数日で復帰可能なケースが多いです。
尚、上記で挙げた期間はあくまでも目安に過ぎません。主治医の指示に従いましょう。
腰椎横突起骨折は全治何ヶ月?
ズレ(転位)の程度や骨折形態によって異なりますが、腰椎横突起骨折ではおおむね3ヵ月で骨癒合するケースが多いです。
腰椎横突起骨折で考えられる後遺障害
12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの
腰椎横突起骨折は偽関節になりやすい骨折です。しかし、通常は高度の腰痛を残さないので、12級13号に認定される事案は限定的だと思われます。
弊社の経験では、12級13号認定事案が1例だけ存在します。しかし、ほとんどの事案は、14級9号もしくは非該当になると考えています。
14級9号:局部に神経症状を残すもの
腰椎横突起骨折は偽関節になりやすい骨折なので、CT検査などで偽関節が証明されれば14級9号が認定される可能性があります。
【弁護士必見】腰椎横突起骨折の後遺障害認定ポイント
腰椎横突起骨折は、腰を強く打った時に受傷しやすい骨折なので、交通事故診療では頻度の高い骨折です。
腰椎横突起骨折は偽関節になりやすい骨折です。偽関節化しても、それほど大きな腰痛を残さないケースが多いのが特徴です。
しかし、一部の事案では腰痛が残ることも事実です。このような事案は、14級9号目線となります。
腰椎横突起骨折が偽関節になると、レントゲン検査の腰椎正面像で分かることも多いです。しかし万全を期すのであればCT検査が有用でしょう。
強い腰痛が残った事案で12級13号が認定されたという古い症例報告も存在します。また、弊社の事案でも、12級13号認定事例が1例発生しました。
しかし、通常のケースでは14級9号目線であり、12級13号認定は難しいと思われます。
腰椎横突起骨折でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
腰椎横突起骨折の後遺障害認定で弊社ができること
弁護士の方へ
弊社では、交通事故による腰椎横突起骨折の後遺症が後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。
等級スクリーニング
現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。
等級スクリーニングは、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。
等級スクリーニングの有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニングを承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。
<参考>
【等級スクリーニング】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定
医師意見書
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。
医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。
医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。
弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。
<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定報告書
交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。
画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。
弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。
<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
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まとめ
腰椎横突起とは腰骨の横にある小さな突起で、腰を強く打った時に骨折します。通常は簡易型コルセットを数週間するだけで痛みは軽減します。
しかし、腰椎横突起骨折は高率に偽関節化するため、腰痛が残ってしまうケースもあります。偽関節の診断はレントゲン検査で分からない場合にはCT検査が有用です。
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