交通事故コラム詳細

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2025.8.17

神経損傷 頚椎

頚椎捻挫に効くストレッチと避けるべき行動は?後遺症も解説|交通事故

交通事故や不意の衝撃で頚椎捻挫(むちうち)を負ってしまうと、首の痛みや違和感が長引き、日常生活に支障をきたすことがあります。

 

治療を受けてもなかなか改善しないと感じる方も多いのではないでしょうか。そんなとき、自宅でできるストレッチが症状の緩和に役立つことがあります。

 

ただし、頚椎捻挫はデリケートなケガのため、ストレッチの方法を誤るとかえって悪化することもあるので注意が必要です。

 

本記事では、頚椎捻挫に効果的なストレッチ方法と避けるべき行動、後遺症との向き合い方まで、医療的な視点を交えてわかりやすく解説します。

 

 

最終更新日: 2025/8/17

 

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Table of Contents

頚椎捻挫とは?

頚椎捻挫の原因

主な原因は自動車の追突事故やスポーツ中の衝突、転倒などです。特に交通事故では頭部が急激に前後に振られる「むち打ち現象」によって首の筋肉や靭帯が損傷します。

 

ラグビーや格闘技などのコンタクトスポーツ、転倒時の強い衝撃、重労働、姿勢不良なども発症の要因となります。

 

 

頚椎捻挫の主な症状

首の痛みやこわばりが代表的症状ですが、頭痛、肩こり、めまい、耳鳴り、吐き気、腕や手のしびれなどもみられます。

 

症状の現れ方や重症度には個人差があり、受傷直後に現れることもあれば、数日後に出現することもあります。自律神経症状として全身の倦怠感や不眠が現れるケースもあります。

 

 

頚椎捻挫の治療は?

治療は「安静」と「薬物療法」が基本になります。受傷直後の急性期には首の固定や痛み止め・湿布薬で炎症や痛みを抑えます。

 

受傷から1週間以降は、状態に合わせて理学療法やリハビリテーションが行われ、血流改善や筋力回復を目指します。

 

慢性的な痛みに移行した場合も継続的なリハビリや投薬が中心ですが、重症例ではブロック注射が検討されます。

 

 

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頚椎捻挫のリハビリにストレッチが効果的な理由

ストレッチで期待できる改善効果

頚椎捻挫(むち打ち症)後のストレッチは、首や肩まわりの筋肉のこわばりをほぐして、血流を促進することで、痛みや可動域の制限を軽減させることが期待されます。

 

継続して行うことで筋肉の柔軟性が向上して、日常生活への復帰が早まります。また、ストレッチは後遺症や再発の予防にも役立ち、肩こりやしびれといった二次的な症状の改善にも有効です。

 

 

医師に確認した上でセルフケアを始めるポイント

ストレッチを始める際には、必ず医師による診断を受けて、自分の状態に合ったメニューを選ぶことが重要です。

 

炎症や強い痛みが残っている急性期は安静が優先され、ストレッチは回復期(概ね2週間以降)から、無理のない範囲で実施します。

 

正しいフォームで行うことが悪化防止の鍵となります。不安があれば、専門家に相談しながら進めましょう。

 

 

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自宅でできる!頚椎捻挫の後遺症におすすめのストレッチ3選

首の左右ストレッチ

  • 背筋を伸ばして椅子に座る
  • ゆっくりと首を右側へ傾け、右耳を肩に近づける(肩は上げない)
  • そのまま20秒保持して、ゆっくり元に戻します
  • 左側も同様に行い、左右3回ずつ繰り返す

 

ポイント: 首に過度な力を入れず、呼吸を止めずにリラックスした状態で行うことが大切です。

 

 

首の前後ストレッチ(前屈・後屈)

  • 椅子に座り、顎を引いて首を前に倒す
  • 前に倒した状態で10秒キープ
  • ゆっくり元の位置に戻り、今度は首を軽く後ろに倒して10秒キープ
  • これを前後3回ずつ行う

 

注意: 後ろに倒すときは痛みが出ない範囲で止めましょう。

 

 

肩甲骨・背中ストレッチ(猫のポーズ)

  • 四つ這いの姿勢になり、息を吐きながら背中を丸めて頭を下げる
  • 肩甲骨を外側に広げるよう意識して10秒キープ
  • 息を吸いながら背中を反らして、肩甲骨を寄せて10秒キープ
  • これを3回繰り返す

 

効果: 首・肩・背中の緊張緩和や血流促進、姿勢の改善に役立ちます。

 

 

ストレッチのやり方と注意点

無理な反動をつけず、痛みを感じない範囲でゆっくり行うことが重要です。反動をつけたストレッチや、急性期(受傷直後)の無理なストレッチは絶対に避けてください。

 

ストレッチのタイミングは、炎症が落ち着いた慢性期が適しています。疑問があれば主治医に相談しましょう。

 

 

ストレッチを行う際の痛みや違和感の対処法

ストレッチ中に痛みやしびれ・強い違和感を感じたら、すぐに中止してください。決して痛みを我慢して続けず、休息を取ることが大切です。

 

症状が悪化したり新たな異常が生じた場合は、自己判断せずに、必ず医療機関へ相談しましょう。

 

 

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ストレッチ以外にできるセルフケア・生活習慣アドバイス

温熱療法や適切な休息の取り方

温熱療法は、血行を促進して筋肉の緊張を和らげることで、頚椎捻挫の回復をサポートします。ホットタオルや温湿布、またはお風呂で首や肩を温めるのがおすすめです。

 

受傷直後は炎症を起こしていることが多いため、まずは冷やすことを優先して、炎症が落ち着いたら温めるケアに移行しましょう。

 

また、適度な休息も重要ですが、長期的な安静は逆効果となるため、痛みの程度に合わせて無理のない範囲で日常生活を送ることが回復を早めます。

 

 

姿勢改善や枕選びのコツ

日常生活で正しい姿勢を意識することは頚椎への負担軽減に直結します。デスクワークやスマホ使用時は、背筋を伸ばし首を前に出さないように注意しましょう。

 

また、枕選びも重要で、高すぎず低すぎない、首の自然なS字カーブを保てる高さが理想です。

 

仰向けで寝る場合はあごが軽く引けた状態、横向きの場合は肩と耳のラインが一直線になるよう枕の高さを調整するのがコツです。

 

実際に試して自分に合う枕を選び、寝具全体も見直すことが快適な睡眠と症状緩和につながります。

 

 

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頚椎捻挫(むちうち)の後遺症とは

 

頚椎捻挫の後遺症は、「首の痛み」だけでなく多岐にわたります。神経が損傷されると、腕や手のしびれ・脱力感、頭痛、めまい、耳鳴り、吐き気、肩こり、倦怠感など自律神経系の症状が出る場合があります。

 

また、関節を動かした際の可動痛や、動かさなくても常に痛みを感じる常時疼痛など、日常生活に支障をきたす症状が長引くことも少なくありません。

 

とくに神経根症状型・脊髄症状型では神経障害が強く残りやすく、完全に症状が消えず慢性化するケースもあります。

 

重篤な場合、手足の運動麻痺や感覚異常、顔面麻痺、嚥下障害、視覚・聴覚障害など、高次機能にも障害が及ぶこともありますので注意が必要です。

 

レントゲンやMRIなど医学的検査で異常が見られなくても症状が残ることは珍しくなく、症状の重さや持続期間には個人差があります。

 

頚椎捻挫の後遺症は、天候や体調によって強く現れる日・ほとんど出ない日があるため、持続的に症状が続く場合は専門医に相談して、適切なリハビリや治療を受けることが大切です。

 

 

頚椎捻挫で後遺症が残った時の後遺障害等級

等級

認定基準

12級13号

局部に頑固な神経症状を残すもの

14級9号

局部に神経症状を残すもの

 

12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの

むちうちでは、12級13号が最も高い後遺障害等級です。首の痛みだけではなく、肩こり、上肢のしびれや痛み、めまいや頭痛、嘔気なども後遺障害として認定される可能性があります。

 

12級13号に認定されるためには、レントゲン検査やMRI検査で客観的(他覚的)な異常所見があることが前提になります。

 

異常所見には骨折や脱臼はもちろんですが、その他にも椎間板ヘルニアや骨棘(頚椎加齢の変化)、椎間板高の減少(加齢による変性で椎間板の厚みが減少する)も含まれます。

 

椎間板や神経は、レントゲン検査では写らないため、MRI検査を実施しないと評価できません。このため、症状固定までレントゲン検査しか施行されていないと、12級13号に認定される可能性は極めて低いです。

 

また、若い患者さんでは加齢による変化が少ないため、MRIを撮像しても異常所見が無いことが多いです。このようなケースでも12級13号には認定されません。

 

12級13号では、画像検査だけでは不十分で、客観的な身体所見が必要とされます。身体所見とは、筋力低下、筋肉の萎縮(やせて細くなる)、深部腱反射の異常(医師が打腱器を使って行う検査)です。

 

しびれ(知覚障害)の範囲も、画像所見で圧迫されている神経の分布に一致している必要があります。筋力低下は、徒手筋力テスト(MMT)で評価されます。

 

 

<参考>
徒手筋力検査は後遺障害12級認定のポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

14級9号:局部に神経症状を残すもの

12級13号では、自覚症状(患者さんの訴え)だけでは不充分で、身体所見と画像所見の完全一致が原則です。しかし、14級9号では、自覚症状だけでも後遺障害に認定される可能性があります、

 

14級9号に認定されるには、症状の持続性や一貫性が重要です。日による変動があっても、診療記録などで医学的に説明できる場合は認定される可能性があります。

 

一方、「天気が悪いときに痛い」などの症状が消失する時間があると認定されません。

 

また、あまりに車体の損傷が小さい軽微な交通事故では、いくら症状が強くても14級9号は認定されにくいです。

 

 

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頚椎捻挫の後遺障害認定ポイント【弁護士必見】

 

頚椎捻挫の後遺障害認定ポイントはこちらにまとめています。頚椎捻挫の後遺障害認定でお困りの方は参照していただければ幸いです。

 

<参考>
頚椎捻挫の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

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頚椎捻挫の後遺障害認定で弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、交通事故で受傷した、頚椎捻挫の後遺症が、後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング®

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニング®の有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニング®を承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

労災事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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頚椎捻挫の後遺障害認定でお悩みの患者さんへ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

Traffic accident patient

 

 

尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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頚椎捻挫のストレッチでよくある質問

首のねんざを治す方法はありますか?

首のねんざ(頚椎捻挫)は、事故や転倒などで首が急激に動かされた際に起こります。治療の基本は安静を保つことです。

 

受傷直後は炎症があるため冷やして患部を安静にし、必要に応じて湿布や痛み止めを使用します。

 

炎症が収まった後は、医師の指示のもとでストレッチやリハビリを始めて、徐々に筋肉や関節の可動域を回復させます。無理に動かすことなく、症状や段階に応じて適切な対応が重要です。

 

 

頚椎捻挫を早く治す方法はありますか?

頚椎捻挫を早く治すためには、まず医療機関を受診して、医師の診断と指示に従うことが大切です。

 

急性期は冷やして安静にして、必要な場合は頚椎カラーで首を保護します。痛みが和らいだ後は、徐々にストレッチや軽いリハビリを医師の許可のもと行いましょう。

 

受傷直後から無理な運動やストレッチは避けて、回復期に無理のない範囲で動かすことで慢性化や可動域制限の防止にもつながります。

 

 

頚椎捻挫でしてはいけないことは?

頚椎捻挫では、放置・無理に首を動かす・事故直後の温熱(温める)・飲酒・マッサージなどは避けるべきです。特に急性期は炎症や損傷が進行しやすいため、安静と冷却が優先されます。

 

また、長期間の安静も逆効果となることがあるため、急性期を過ぎたら医師や専門家の指導の下で適度な運動やリハビリを開始することが大切です。

 

 

首を捻挫したら運動はしてもいいですか?

受傷直後、強い痛みや炎症がある期間は運動やストレッチは厳禁です。炎症が治まった亜急性期以降、医師から許可が出たら無理のない範囲でストレッチやリハビリを始めます。

 

首や肩の筋肉をやさしくほぐす運動が効果的ですが、痛みや違和感を感じたらすぐに中断して、自己判断せず専門家に相談しましょう。

 

 

 

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まとめ

 

頚椎捻挫(むちうち)は、交通事故やスポーツなどで首に強い衝撃が加わることで発症して、首の痛みやしびれ、めまいなど多様な症状を引き起こします。

 

治療は安静や薬物療法が基本ですが、回復期にはストレッチが症状の緩和や再発防止に効果的とされています。

 

ただし、自己流のストレッチは悪化の原因になることもあるため、医師の診断に基づいて行うことが大切です。正しく行えば、後遺症の予防や日常生活への早期復帰にもつながります。

 

頚椎捻挫の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。尚、初回の法律事務所様は無料で承ります。

 

 

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