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2025.5.24

医療訴訟

病院の医療ミスで示談するポイントと賠償金相場|医療訴訟の医師意見書

突然の医療ミスにより、大切なご自身やご家族が深刻な被害を受けたとき、「病院に責任を問えるのか」「示談で解決すべきなのか」と悩む方は少なくありません。

 

医療ミスかどうかの判断には、高度な専門性が求められ、また示談の手続きや賠償金の相場もわかりづらく、不安を感じている方も多いでしょう。

 

本記事では、医療ミス(医療過誤)の基本から、示談による解決が選ばれる理由、示談金の相場、さらに示談成立までの流れと注意点までを、分かりやすく解説しています。

 

医療ミスの被害者が、冷静かつ有利に対応するための第一歩として、ぜひ参考にしてください。

 

 

最終更新日: 2025/5/26

 

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医療ミス(医療過誤)とは何か

医療ミスの定義

医療ミスとは、病院などの医療機関において、医師や看護師などの医療従事者が、当然必要とされる注意を怠った(過失があった)ために、患者の症状を悪化させたり、新たな損害を与えたりすることです。

 

 

医療ミスの具体例

医療ミスには、手術中の器具の置き忘れ、誤薬投与、診断ミス、治療の遅れなどが含まれます。

 

例えば、看護師が注射器を取り違えたことにより患者が死亡した東京都立広尾病院事件などが知られています。

 

 

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医療ミスは示談での解決が望ましいケースが多い

医療訴訟は勝つのが難しい

医療訴訟において、患者側が勝訴する割合は約20%と非常に低く、他の民事訴訟に比べて難易度が高いとされています。

 

その主な理由は、医療行為の専門性が高く、医師の過失を立証するためには専門的な知識や証拠が必要であるためです。

 

また、証拠の多くが医療機関側にあるため、患者側が不利な立場に置かれやすいことも挙げられます。

 

<参考>
医療裁判で勝てない理由と勝訴する方法|医療訴訟の医師意見書と医療鑑定

 

 

示談なら早期解決も可能

医療ミスの解決方法として、示談は裁判に比べて早期に解決できる可能性があります。

 

裁判では平均して2年以上の審理期間を要することが多いのに対し、示談は当事者間の合意により迅速に解決することが可能です。

 

また、裁判に比べて費用や精神的負担も軽減されるため、多くのケースで示談が選択されています。

 

 

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病院の医療ミスの賠償金(示談金)

賠償金(示談金)の相場について

医療ミスにおける賠償金や示談金の金額は、被害の程度や後遺症の有無によって大きく異なります。

 

死亡や重度の後遺障害があると、慰謝料だけで2000〜2800万円程度が相場とされています。

 

一方で、軽度のケースでは数十万円から数百万円程度となるケースもあります。

 

示談金は当事者間の合意によって決まるため、具体的な金額は個別の事情によって変動します。

 

 

積極損害

積極損害とは、医療ミスによって実際に発生した費用です。積極損害には、治療費、通院交通費、入院中の付添費用、将来の介護費用、雑費、家屋の改修費用、葬儀費用などが含まれます。

 

例えば、葬儀費用は150万円程度が相場とされています。これらの費用は、医療ミスとの因果関係が認められる範囲で賠償の対象となります。

 

 

休業損害

休業損害とは、医療ミスにより仕事を休まざるを得なくなったことで生じた収入の減少を補償するものです。

 

計算方法は、「収入日額 × 休業日数」で算出されます。証明には、休業損害証明書や所得証明書などが必要です。

 

個人事業主の場合、収入の変動があるため、具体的な計算が難しい場合もあります。

 

 

慰謝料

慰謝料(入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料)は、医療ミスによって被った精神的苦痛に対する補償です。

 

入通院慰謝料は、入院や通院の期間に応じて支払われ、例えば1か月の通院で約28万円、1ヶ月の入院で約53万円が相場です。

 

後遺障害慰謝料は、後遺障害の等級に応じて110〜2800万円程度とされています。死亡慰謝料は、被害者の属性により2000〜2800万円程度が相場です。

 

 

逸失利益

逸失利益(後遺障害逸失利益、死亡逸失利益)とは、医療ミスにより将来的に得られるはずだった収入の減少分を補償するものです。

 

後遺障害逸失利益は、「基礎収入 × 労働能力喪失率 × 就労可能年数に対応する係数」で算出されます。

 

死亡逸失利益は、「基礎収入 ×(1 – 生活費控除率)× 就労可能年数に対応する係数」で計算されます。

 

逸失利益の計算には、被害者の年齢、職業、収入などの情報が必要です。

 

 

 

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医療ミスにおける示談までの流れ

病院の説明を受ける

医療ミスが疑われる場合、まず病院からの説明を受けることが重要です。

 

この段階で、治療経過や医療行為の内容、発生した問題について詳細な情報を得て、今後の対応方針を検討する資料とします。

 

 

弁護士に相談する

医療ミスの可能性があると感じたら、早期に医療過誤に詳しい弁護士に相談することが望ましいです。

 

弁護士は、事案の法的評価や必要な証拠の収集方法、示談交渉や訴訟の進め方について助言します。

 

 

カルテなどの証拠を確保する

医療ミスを立証するためには、カルテや検査結果などの診療記録が重要な証拠となります。

 

これらの資料は、患者自身が病院に開示請求するか、弁護士を通じて法的手続きを用いて取得することが可能です。

 

 

医療調査を実施して方針を決める

収集した証拠を基に、専門医による医療調査を実施して、医療ミスの有無や過失の程度を評価します。

 

この調査結果に基づき、示談交渉を行うか、訴訟を提起するかなど、今後の対応方針を決定します。

 

<参考>
医療事故における医療調査の基本内容とは?費用も解説|医師意見書

 

 

示談交渉を行う

医療ミスが確認され、病院側が過失を認めると、示談交渉によって早期解決を図ることが可能です。

 

示談交渉では、賠償金額や支払い方法、再発防止策などについて話し合い、双方が合意に達すれば契約を締結します。

 

 

示談交渉が決裂したら裁判での和解か判決

示談交渉が不成立なら、裁判外紛争解決手続(ADR)や調停を経て、それでも解決しない場合は訴訟に進みます。

 

訴訟では、裁判所が証拠を基に判断を下して、和解または判決によって最終的な解決を図ります。

 

医療訴訟は長期に及ぶため、示談交渉を成功させることが、被害者やご家族にとって望ましいケースが多いです。

 

 

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医療訴訟のポイント【弁護士必見】

医療過誤かを判断する医療調査が重要

医療訴訟の多くは、単に治療結果が悪いだけで医療過誤ではありません。単に治療結果が悪いだけでは、医療訴訟で勝てる確率は著しく低いです。

 

勝訴できる可能性の無い不毛な医療訴訟を防ぐためには、第三者による、医療ミスかどうかについての医療調査実施が望ましいです。

 

弊社では、ほぼすべての科の事案で医療ミスか否かの医療調査(意見書作成可否調査)が可能です。詳細は、以下のコラム記事をご確認ください。

 

 

<参考>
医療事故における医療調査の基本内容とは?費用も解説|医師意見書

 

 

医療訴訟で使用する医師意見書

意見書作成可否調査で医療過誤であることが判明した場合、各科の専門医による顕名の医師意見書を作成することが可能です。

 

医療過誤の可能性がある事案でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

尚、個人の方は、必ず弁護士を通じてご相談ください。個人の方からの直接のお問い合わせは、固くお断りしております。

 

 

<参考>
医療訴訟の医師意見書|160名の各科専門医による圧倒的実績

 

 

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医師意見書の作成にかかる費用

意見書作成可否調査

医療訴訟用の医師意見書を作成できるのかを判断するために、意見書作成可否調査を必須とさせていただいています。

 

意見書作成可否調査では、各科の専門医が、診療録や画像検査などの膨大な資料を精査いたします。

 

概要

価格

基本料

140,000円

動画の長い事案

170,000円

追加質問

45,000円 / 回

 

※ すべて税抜き価格
※ 意見書作成には医療調査(意見書作成可否調査)が必須です
※ 意見書作成には別途で意見書作成費用がかかります
※ 意見書作成に至らなくても医療調査の返金は致しません

 

 

医師意見書

意見書作成可否調査の結果、医療過誤が判明して、医師意見書を作成する際には、別途で医師意見書作成費用がかかります。

 

概要

価格

一般の科

400,000円~

精神科

450,000円~

心臓血管外科

500,000円~

施設(老健、グループホームなど)

350,000円~

 

 

弊社が医療訴訟で医師意見書を作成した実例

 

弊社には全国の法律事務所から医療訴訟の相談が寄せられます。これまで下記のような科の医師意見書を作成してきました。
 

  • 脳神経外科
  • 脳神経内科(神経内科)
  • 整形外科
  • 一般内科
  • 消化器外科
  • 消化器内科
  • 呼吸器外科
  • 心臓血管外科(成人)
  • 心臓血管外科(小児)
  • 循環器内科
  • 産科
  • 婦人科
  • 泌尿器科
  • 精神科
  • 歯科

 

 

一方、眼科や美容整形外科に関しては相談件数が多いものの、実際に医療過誤である事案はほとんど無いです。このため弊社においても、医師意見書の作成実績がありません。

 

 

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医療ミスの示談でよくある質問

示談金と賠償金の違いは?

示談金は、当事者間で合意により支払われる金銭で、裁判を経ずに解決する場合に用いられます。

 

一方、賠償金は、裁判所の判決に基づき支払われる損害賠償金です。示談金は賠償金と同額またはそれ以下となることが一般的です。

 

 

病院を訴える費用はいくらですか?

医療ミスで病院を訴える場合、弁護士費用、裁判費用、専門家の意見書作成費用などが発生します。

 

弁護士費用は着手金と成功報酬で構成され、総額で数十万円から数百万円になることがあります。

 

<参考>
病院で誤診されたらどうしたらいい?対処法や慰謝料も解説|医療鑑定

 

 

治療ミスの病院の責任は何ですか?

治療ミスが発生したら、病院や医師は過失責任を問われる可能性があります。過失が認められれば、損害賠償責任を負うことになります。

 

ただし、医療行為の性質上、過失の有無を立証するのは難しいケースがあります。

 

 

医療過誤の示談交渉にはどれくらいの期間がかかりますか?

医療過誤の示談交渉は、事案の複雑さや双方の合意の進捗により異なりますが、数ヶ月から1年以上かかることがあります。

 

 

処方ミスは誰が責任を負うのですか?

処方ミスが発生したら、通常は処方した医師が責任を負います。ただし、調剤過程でのミスであれば、薬剤師や薬局が責任を問われることもあります。具体的な責任の所在は、ミスの内容や経緯によって異なります。

 

 

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まとめ

 

医療ミス(医療過誤)とは、医師や看護師が必要な注意を怠ったことで、患者に悪影響を与える行為です。代表的な例には手術器具の置き忘れや誤薬、診断ミスなどがあります。

 

こうした医療ミスに対して、裁判では患者が勝つのが難しく、証拠収集や専門知識が必要なため、示談での解決が多く選ばれます。

 

示談は早期解決や負担の軽減が期待でき、賠償金の額は被害の程度によって大きく異なります。示談には弁護士の支援や証拠の確保が重要です。

 

医療ミスの可能性がある事案でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

尚、個人の方は、必ず弁護士を通じてご相談ください。個人の方からの直接のお問い合わせは、固くお断りしております。

 

 

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