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MRI画像鑑定のポイントは?信頼できる専門サービスの選び方も解説

交通事故で負ったケガの後遺障害認定では、MRI検査の画像所見が適切に評価されることが非常に重要です。

 

しかし、自賠責保険の後遺障害審査では、必ずしもMRI検査の画像所見が正確に評価されているわけではありません。

 

そのようなケースでは、信頼できる各科の専門医によるMRI画像鑑定が、後遺障害に認定されるための鍵となります。

 

本記事では、MRI画像鑑定の重要性や選び方、サービスの利用手順について詳しく解説しています。

 

 

最終更新日:2025/1/11

 

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Table of Contents

MRI画像鑑定の重要性とは?

MRIとは

MRI(磁気共鳴画像法)は、強力な磁場と電波を使用して体内の詳細な画像を生成する非侵襲的な検査法です。

 

MRI検査は、脳や脊髄、関節、内部臓器などの詳細な画像を取得するために広く使用されています。

 

 

MRI画像診断とは

MRI画像鑑定とは、整形外科や脳神経外科などの各科の専門医が、MRI検査の画像所見を鑑定して報告書を作成するサービスです。

 

MRI画像鑑定は、交通事故の後遺障害認定や訴訟で、MRI検査の画像所見を立証する資料として利用されています。

 

MRI画像鑑定では、以下のような画像所見を鑑定して、自賠責保険や裁判所に提出できる報告書を作成します。

 

  • 画像所見の有無
  • 外傷性かの判断
  • 後遺症の原因をMRIで証明できるか

 

 

後遺障害認定ではMRI検査の画像所見が重視される

自賠責保険の後遺障害審査では、後遺症と一致するMRIの画像所見の有無が、等級認定への重要なポイントとなります。

 

例えば、むちうちで後遺障害12級13号の認定を受けるためには、「画像上の異常所見」が必要とされています。

 

具体的には、MRI検査で捉えられた脊髄や神経根への明らかな圧迫所見です。これらの画像所見の有無が、後遺障害認定では重視されています。

 

 

<参考>
むちうち後遺症が首の痛みだけで後遺障害認定される?|交通事故の医療鑑定

 

 

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信頼できるMRI画像鑑定サービスの選び方

各領域の専門医資格がポイント

信頼できるMRI画像鑑定サービスを選ぶ際には、豊富な臨床経験と各科の専門医資格の有無がポイントになります。

 

診療経験豊富な各科の専門医が在籍して、幅広い医療分野に対応しているかを確認することが重要です。

 

 

自賠責保険の審査医は整形外科や脳神経外科

自賠責保険の審査においては、各エリアの中核病院(大学病院や日赤などの公的基幹病院)の教授、准教授、講師、診療部長などが、MRIの画像読影を担当しています。

 

特に、後遺障害12級以上の事案では、これらの公的基幹病院の整形外科や脳神経外科の専門医が、画像検査をチェックするケースが多いです。

 

具体的には、公的基幹病院の各科専門医が、自賠責損害調査事務所に出向き、問題となっている事案の画像検査を読影する方式です。

 

 

MRI画像鑑定では整形外科と脳神経外科に優位性

整形外科や脳神経外科の専門医は、自分の専門領域において、他科の医師による読影レポートはほとんど参考にしません。

 

その理由は、各科専門医の画像読影能力の方が、他科の医師よりも高いことと、他科の医師の読影レポートには過剰読影が多いからです。

 

特に、自賠責保険の審査に関与する公的基幹病院の専門医は、他科の医師が読影したレポートなど一顧だにしない傾向が強いです。

 

このため、被害者請求や異議申立てにおいても、彼らと同じ科である整形外科や脳神経外科の専門医による MRI画像鑑定に優位性があります。

 

 

<参考>
【日経メディカル】画像鑑定が一人歩き?!交通事故でトラブルが多発する3つの理由

 

 

 

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異議申立てに役立つMRI画像鑑定【弁護士必見】

まず等級通知書/非該当通知書を確認しよう

自賠責保険の後遺障害等級認定に異議申立てを検討する際、まずは等級通知書や非該当通知書の内容を詳細に確認することが重要です。

 

これらの書類には、認定結果やその理由が記載されており、異議申立ての方向性を定める基礎資料となります。

 

特に、なぜ想定していた後遺障害等級が認定されなかったのかを理解することで、異議申立ての成功率を高めることができます。

 

 

本当にMRIの画像所見が問題なのか?

次に、想定していた後遺障害等級が認定されなかった原因が、本当にMRIの画像所見なのかを検討します。後遺障害認定では、後遺症を裏付ける客観的な医学的所見が求められます。

 

しかし、事故との因果関係や医学的な整合性、後遺障害診断書の記載内容が問題となっている可能性もあります。

 

<参考>
交通事故とケガの因果関係を立証する方法|後遺障害の医療鑑定

 

 

等級スクリーニング®の勧め

等級スクリーニング®は、後遺障害認定基準に精通した各科専門医が、後遺障害認定の可能性を客観的に評価するサービスです。

 

各科の専門医による等級スクリーニング®を受けることで、異議申立ての成功率や必要な追加資料の有無を判断でき、無駄のない手続きを進めることが可能となります。

 

初回事務所様には等級スクリーニング®を無料で承っております。もしお困りの事案があればこちらからお問い合わせください。

 

<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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Traffic accident patient

 

 

画像所見が不足しているのならMRI画像鑑定を

等級スクリーニング®で、MRIの画像所見が過小評価されていると判断された場合に限り、各科の専門医によるMRI画像鑑定を依頼することが推奨されます。

 

専門的な視点から詳細なMRIの読影を行い、審査側が見落としていた画像所見を指摘することで、異議申立ての根拠を強化できます。

 

後遺障害認定基準に精通した、各科専門医による質の高いMRI画像鑑定を添付することが、異議申立て成功の鍵となります。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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MRI画像鑑定サービスの利用手順

MRI画像鑑定に必要な資料

異議申立てや訴訟で使用するMRI画像鑑定を作成するためには、以下の資料が必要です。

 

  • 相談書(依頼時にお渡しします)
  • 画像検査
  • 後遺障害診断書
  • 診断書
  • 診療報酬明細(レセプト)
  • 損害確認報告書 / 事故現場実況見分調書 / 交通事故証明書 / 車の損傷写真 など
  • 後遺障害等級結果連絡書

 

これらの資料の受け渡しは、オンラインストレージもしくは郵送となります。安全性や利便性からオンラインストレージの利用を推奨しています。

 

ご依頼いただいた際に、オンラインストレージの使用方法を簡単にご説明させていただきます。

 

 

ご依頼からMRI画像鑑定納品までの流れ

MRI画像鑑定をご依頼後の大まかな流れは、以下の通りです。

 

  1. 弊社による資料確認
  2. 無料の簡易読影結果のご連絡
  3. 等級スクリーニング®の見積書を提出
  4. 入金確認後、等級スクリーニング®を提出(電子データ)
  5. 画像鑑定の希望があれば見積書を提出
  6. 3週間以内に画像鑑定初稿を納品
  7. 画像鑑定に修正点があれば調整
  8. 依頼者の了承を得た時点で請求書送付
  9. 入金確認後、医師の署名・捺印入り画像鑑定原本を郵送

 

 

無料の簡易読影では、画像所見の有無、後遺障害診断書に記載されている症状との整合性についてご報告いたします。

 

一方、無料の簡易読影で有意所見があったからと言って、画像鑑定を作成する価値があるわけではありません。

 

画像鑑定を作成する価値があるのかを確認するために、等級スクリーニング®の実施を推奨しています。尚、等級スクリーニング®は初回事務所様は無料にて承っております。

 

もちろん、等級スクリーニング®が不要とのことであれば、初めから画像鑑定のお見積りをいたします。

 

しかし、有意な見通しが得られなかった場合、高額の画像鑑定作成費用が無駄になる可能性がございます。

 

そのため、弊社では全事案について等級スクリーニング®の利用をお勧めしています。

 

 

MRI画像鑑定の作成にかかる期間

MRI画像鑑定を作成する期間は、お見積りを了承いただいた時点から初稿提出までの約3週間です。

 

オプションとして、7営業日以内の特急対応が可能な事案もございます。特急対応が可能な事案に関しては、+1~3万円で7営業日以内に画像鑑定報告書の初稿を提出いたします。

 

 

 

 

MRI画像鑑定の後遺障害認定事例

【8級2号】胸腰椎圧迫骨折の異議申し立て成功事例

事案サマリー

 

  • 被害者:35歳
  • 初回申請:11級7号
  • 異議申立て:8級2号(脊柱に中程度の変形を残すもの)

 

自動車乗車中にトラックと正面衝突して受傷しました。初回申請では第12胸椎圧迫骨折(青矢印)に対して11級7号が認定されました。

 

 

弊社の取り組み

弊社にて画像所見を精査すると、受傷時のMRI検査で第3.4.5胸椎圧迫骨折(赤矢印)も併発していました。CT検査を追加実施して、圧迫骨折を受傷した全ての椎体高を計測しました。異議申し立てしたところ8級2号が認定されました。

 

 

thoracic compression fractures

 

 

【14級9号】頚椎捻挫の後遺障害認定事例

事案サマリー

 

  • 被害者:51歳
  • 傷病名:頸椎捻挫
  • 事前認定:非該当
  • 異議申立て:14級9号

 

自動車停車中に追突されて受傷しました。頑固な後頚部痛が残りましたが、初回申請は非該当でした。

 

 

弊社の取り組み

 

頚椎MRIでは多椎間で椎間板の変性を認めました。しかし、自賠責認定基準は画像所見だけではありません。

 

通院状況や事故態様などの自賠責認定基準をクリアしていることを確認した上で、画像鑑定報告書を作成して異議申し立てしたところ、14級9号が認定されました。

 

 

MRI of the cervical spine

 

 

MRI画像鑑定サービスの費用(税抜)

 

画像鑑定報告書の作成に必要な料金は、基本料金(8万円)をベースとして下記の要素で変動します。

 

  • 画像検査の分量
  • 訴訟事案
  • 顧問契約の有無
  • 納品時期
  • 電子データではない事案

 

 

画像検査の分量は、単純(単純X線像のみの事案)、通常(1部位のMRI)、複雑(複数部位のMRI、長期間にわたる複数回の検査)の3種類に分かれています。

 

概要

価格

基本料金(通常)


8万円

基本料金(単純)

5万円

基本料金(複雑)

12万円

訴訟加算

1万円

多部位加算(3部位以上)

1万円/数

特急対応加算

1~3万円

電子化加算

5千円~

顧問契約有り

-1万円

 

すべての条件がそろった場合(顧問契約有り+異議申立て+画像検査の分量が単純X線像のみ+弁護士特約無し)は、5万円+税で画像鑑定報告書の作成を承ります。

 

整形外科領域における一般的な事案では、8万円+税の費用負担で各領域の専門医による画像鑑定報告書の作成が可能です。

 

 

画像検査の分量

  • 単純(単純X線像のみの事案):5万円
  • 通常(1部位のMRI):8万円
  • 複雑(複数部位のMRI、長期間にわたる複数回の検査):12万円

 

 

訴訟事案に対する加算

訴訟事案加算:+1万円

 

訴訟事案においては

  • 依頼者の主張に対する医学的整合性の確認
  • 相手側の準備書面、医師意見書、画像鑑定などの確認
  • 鑑定医師の精神的負担

 

など、画像鑑定報告書の作成に緻密な準備、大きな労力、精神的負担を要することから、追加料金が発生します。

 

 

顧問契約による割引

顧問契約有りの事案:-1万円

 

顧問契約を締結いただいている法律事務所様の事案は、一律1万円の値引きをいたします。

 

 

納品時期による加算

特急対応加算:+1~3万円

 

通常は画像鑑定報告書の初稿の提出までに約3週間の期間を要します。一方、特急対応の場合には、7営業日以内に納品を行います。

 

 

電子データではない事案に対する加算

電子化加算:+5000円~

 

フィルム等の画像検査の場合は、弊社内で電子化する業務が発生するため追加料金が発生します。尚、クラウドサービスを通じて、電子化した画像データを追加料金内で提供します。

 

 

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MRI以外で対応している画像鑑定

 

弊社では、MRI検査以外にも、さまざまな画像検査の鑑定を行っています。以下に主要な検査方法を御紹介します。

 

 

レントゲン検査(単純X線)

レントゲン検査は、X線を利用して体内の構造を画像化する基本的な検査方法です。骨折や肺炎の診断などに広く用いられ、短時間で結果が得られるのが特徴です。しかし、軟部組織の詳細な描写には限界があります。

 

 

CT検査

CT(コンピュータ断層撮影)検査は、X線を用いて体の断面画像を取得する方法で、腫瘍や内臓の詳細な構造を評価するのに適しています。短時間で広範囲の撮影が可能であり、緊急時の診断にも有用です。

 

 

PET(陽電子放射断層撮影)

PET検査は、放射性医薬品を体内に投与し、その分布を画像化することで、臓器や組織の機能や代謝状態を評価します。がん細胞はブドウ糖の取り込みが活発であるため、PET検査ではがんの診断や転移の評価に役立ちます。

 

 

シンチグラフィ

シンチグラフィは、放射性医薬品を用いて特定の臓器や組織の機能を画像化する核医学検査の一種です。骨や心臓、腎臓などの機能評価に利用され、早期の病変検出が可能です。

 

また、SPECT/CT装置を使用することで、機能画像と解剖学的画像を融合して、診断精度を向上させることができます。特に、遺言能力鑑定で有用な検査法です。

 

<参考>
【遺言能力鑑定】意思能力の有無を専門医が証明|相続争い
【生前遺言能力鑑定】認知症になる前に遺言するメリットとポイント

 

 

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MRI画像鑑定でよくある質問

CT画像とMRI画像の見分け方は?

CT画像はX線を利用しており、骨や肺などの密度の高い組織が明瞭に映し出されます。一方、MRI画像は磁場と電波を使用し、軟部組織や神経の描出に優れています。

 

CTでは骨が白く、空気が黒く表示されるのに対し、MRIでは撮影条件により表示が変わります。一般的に、CTは短時間で撮影可能であり、MRIは詳細な軟部組織の評価に適しています。

 

 

MRIのテスラとは何ですか?

MRIの「テスラ(T)」は、磁場の強さを表す単位です。一般的なMRI装置は1.5テスラまたは3テスラの磁場強度を持ち、数値が高いほど高解像度の画像が得られます。3テスラのMRIは、末梢神経や小さな血管の状態をより詳細に確認できるため、精密な診断に有用です。

 

 

事故でMRIは必要ですか?

交通事故後、特にむちうちなどの軟部組織や神経の損傷が疑われる場合、MRI検査は有効です。MRIは軟部組織の評価に優れており、神経根の圧迫や椎間板の損傷など、CTやレントゲンでは検出しにくい異常を発見できます。

 

 

むちうちはMRIでわかりますか?

MRI検査でも、むちうち(頚椎捻挫)の症状を証明する外傷性所見を得ることは難しいです。しかし、何らかの変性所見を認めることが多く、後遺障害認定において重要な役割を果たします。

 

 

むちうちでMRIでわかることは?

むちうち症におけるMRI検査では、以下の所見が確認できるケースが多いです。

 

  • 神経根の圧迫
  • 椎間板ヘルニアの有無や程度

 

 

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まとめ

 

MRIは体内の詳細な画像を取得する非侵襲的な検査方法で、脳や脊髄などの評価に優れています。交通事故後の後遺障害認定では、MRIの画像所見が特に重要視され、むちうちでも後遺障害で認定されるために役立ちます。

 

信頼できるMRI画像鑑定を依頼する際は、整形外科や脳神経外科の専門医を選ぶことが鍵です。後遺障害等級に納得できない場合は、等級スクリーニング®や画像鑑定を活用することで、異議申立て成功の可能性が高まります。

 

交通事故後の後遺障害で、想定していた等級が認定されずに、お困りの事案があればこちらからお問い合わせください。

 

 

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