医療鑑定サービスは、交通事故や労災事故の後遺症、遺言能力の評価、医療過誤など、多くの医学的問題において重要な役割を果たします。
しかし、どの専門医を選ぶべきか、費用はどのくらいかかるのか、プロセスはどのように進むのかなど、不安や疑問を持つ方も多いでしょう。
本記事では、そんな方のために、医療鑑定の専門医選びのポイントや、費用の目安、プロセスについて詳しく解説しています。
最終更新日: 2025/1/2
Table of Contents
医療鑑定とは
医療鑑定の役割と必要性
医療鑑定は、交通事故や労災事故の後遺症、遺言能力(意思能力)の評価、医療過誤において、医学的な専門知識を提供するサービスです。
裁判官や弁護士、自賠責損害調査事務所は医学の専門家ではないため、専門的な判断が求められる場面では、医療鑑定が重要な役割を果たします。
医療鑑定サービスが求められるケース
医療鑑定が求められるケースとして、交通事故による後遺症の程度、因果関係の評価、遺言能力(意思能力)の確認、医療過誤などが挙げられます。これらのケースでは、専門的な医学的評価が判断の基礎となります。
医療鑑定の専門医とは
医療鑑定の専門医とは、特定の分野で高度な知識と経験を持ち、訴訟や自賠責保険に対して、医学的な意見を提供できる医師を指します。彼らは、医師意見書や画像鑑定を作成することで、医学的判断をサポートします。
医療鑑定の専門医選びに重要な3つのポイント
専門性
医療鑑定で重要な専門性とは、特定の医療分野における高度な知識と経験です。少なくとも、各領域で日本専門医機構認定の専門医であることは必須です。
医療鑑定の専門医選びの際には、専門医の資格や専門分野を確認することで、適切な医療鑑定を受けることが可能です。
例えば、整形外科なら整形外科専門医であることは最低限必要で、事案に応じて脊椎脊髄外科専門医や手外科専門医でもあることが望ましいです。
実績
過去の実績は、医療鑑定の信頼性を判断する重要な指標です。実績の代表的指標は、年間の取扱い事案数です。最低でも、年間1000件の取扱い事案数は必要でしょう。
信頼性
医療鑑定においても、信頼性の指標は取り扱い件数と弁護士からの評判でしょう。取り扱い件数や法律事務所様の声はホームページで確認できますが、知り合いの弁護士からの口コミ評価は最も重要です。
また、著名媒体や著書で情報を発信していることも、衆人の厳しい評価に耐えうる信頼性がある指標となります。
弊社では、日経メディカルでの連載や、日経BP社から交通事故診療に関する著書を出版しています。
<参考>
【日経メディカル】医療鑑定の後遺障害認定における位置付けは?
医療鑑定サービスの専門医の探し方
信頼できる専門医の特徴
信頼できる専門医の特徴として、豊富な臨床経験、専門分野での認定資格、過去の鑑定実績、そして中立的な立場での評価が挙げられます。これらの要素は、質の高い医療鑑定を提供する上で重要です。
評判と実績の確認方法
医療鑑定の評判で最も信頼性が高いのは、知り合いの弁護士による口コミでしょう。ホームページに掲載されている法律事務所様の声も参考になります。
実績に関しては、ホームページで取り扱い件数を明示している会社が多いです。弊社の経験では、医療鑑定の質を保つために、最低でも年間1000件は必要だと考えています。
初回無料相談を上手に活用する方法
サービスの質に自信のある会社は、無料相談を実施するケースが多いです。無料相談を利用する際には、事前に質問内容を整理して、具体的な情報や資料を準備しておくことが重要です。
弊社では、等級スクリーニング®、簡易読影、意見書作成可否調査(医療訴訟を除く)で、整形外科および脳神経外科専門医による初回無料サービスを提供しています。
評判と実績の確認方法
医療鑑定サービス選びの重要な3つのポイントは、専門性、実績、そして信頼性です。専門分野での経験や資格、過去の鑑定実績、そして第三者からの評価や口コミを確認することが推奨されます。
医療鑑定サービスの費用と料金の目安
弊社が提供している医療鑑定サービスには、以下の4つがあります。
それぞれの医療鑑定サービスの費用は、料金体系に記載しています。
個々の事案毎に資料を確認した上で、正式にお見積りを行います。お見積りは無料なので、気軽にお問合せください。
弊社の医療鑑定サービス
等級スクリーニング®
等級スクリーニングは、後遺障害認定基準と医学的見地に基づいて、後遺障害に認定される可能性を評価するサービスです。等級スクリーニング®では、以下のサービスを提供しています。
- 後遺障害に認定される可能性の評価
- 必要な措置の提示
- 後遺障害診断書の記載内容の確認
等級スクリーニングは、非該当になった理由を知りたい方や、後遺障害に認定される可能性を高めたい方におすすめです。
<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害の認定可能性と対策を精査|医療鑑定
医師意見書
医師意見書は、交通事故の後遺障害認定において重要な役割を果たします。医師が後遺症の程度を評価して、後遺症が後遺障害に該当することを証明する医証です。
医師意見書の有効性は、医師の経験や知識によって異なります。医療鑑定の経験が豊富な医師が作成した医師意見書は、非常に有効です。
一方、医師意見書を依頼する際の注意点として、以下の点が守られているかについて注意する必要があります。
- 後遺症の程度を客観的に評価しているか
- 医学的根拠に基づいて意見を述べているか
- 明確かつ簡潔に記載されているか
- 後遺障害認定基準に準拠しているか
医師意見書は、交通事故の後遺障害認定において重要な役割を果たしますが、医師に丸投げするだけでは十分な効果を期待できません。
医師意見書の検討項目を作成する段階から、弁護士と医師が密にコミュニケーションを取って、記載内容を調整する必要があります。
<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定
画像鑑定は、各領域の専門医が作成する画像検査に関する報告書で、自賠責保険への異議申立て時に添付されます。
画像鑑定は、医師意見書に比べて費用が安く、画像所見が争点になっている事案では、医師意見書と同等の効果を見込めるメリットがあります。
一方、画像所見ではなく、事故と後遺症の因果関係や治療経過が問題になっている事案では、十分な効果を得られないことに注意が必要です。
弊社では、画像所見の有無を、無料で簡易に読影するサービスを提供しています。お困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
遺言能力鑑定
遺言能力鑑定は、遺言者が遺言書を作成する能力があるかを評価するための鑑定です。遺言能力鑑定が必要なケースは、以下のような状況です。
- 遺言者が認知症
- 遺言の内容が不公平
- 遺言の内容が遺言者の意思ではない
- 遺言者が大病を患っている
遺言能力鑑定は、認知症専門医によって行われます。遺言能力鑑定では、カルテ、画像検査、神経心理学的検査、診断書に加えて、介護保険の主治医意見書や認定調査票、施設の介護記録も含めて、総合的に評価します。
遺言能力鑑定は客観的に遺言者の遺言能力(意思能力)を評価するため、親の遺言を無効にしたいケースだけではなく、遺言の有効性を主張したいケースにも対応できます。
<参考>
医療鑑定のプロセスと流れ
相談から依頼までのステップ
医療鑑定をご依頼後の大まかな流れは、以下の通りです。
- 資料確認のご連絡、および見積書の送付
- 見積書のご承諾後に医証精査(等級スクリーニング)を開始
- 医証精査が完了後、請求書の送付
- ご入金確認後、医証精査結果の提出
弊社では、医師意見書や画像鑑定を作成する価値があるのかを確認するために、等級スクリーニング®の実施を推奨しています。尚、等級スクリーニングは初回事務所様は無料にて承っております。
等級スクリーニングの結果を踏まえて医師意見書の作成に進む場合には、以下の流れになります(画像鑑定では③~⑤)。
- 医師意見書の作成方針をまとめた書面と見積書を送付
- 作成方針と見積書の承諾後に医師意見書の作成を開始
- 初稿を確認いただき、修正点があれば調整
- 最終稿が了承後に請求書を送付
- 入金確認後に医師の署名・捺印入り医師意見書/画像鑑定の発送
医証精査(等級スクリーニング)が不要とのことであれば、初めから医師意見書や画像鑑定のお見積りをいたします。
しかし、有意な見通しが得られなかった場合、高額な作成費用が無駄になる可能性があります。そのため当社では、全事案で等級スクリーニングの利用をお勧めしています。
等級スクリーニングの報告と解釈の注意点
等級スクリーニングは、弊社の数千例におよぶ事案の分析をもとに、後遺障害認定基準にしたがって評価しています。
しかし、損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所には地域差があります。また、適宜マイナーチェンジが行われるため、等級スクリーニングの評価も絶対ではありません。
弊社の経験では、等級スクリーニングの結果に反して、後遺障害認定された事案や非該当になった事案も散見されます。
医療鑑定後のフォローアップ
弊社の医師意見書や画像鑑定を添付して異議申立てしたにもかかわらず、想定していた後遺障害等級が認定されなかった場合、無料で認定結果の分析を行います。
非該当通知書もしくは等級通知書をご提供いただければ、おおむね2週間以内に分析結果(対策)を提出いたします。お困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
医療鑑定サービスを利用する際の注意点
正しい情報提供の重要性
医療鑑定の精度を高めるため、正確で完全な情報を提供していただく必要があります。弊社の経験では、五月雨式に資料が提供されたため、不十分な状態で医療鑑定を実施せざるを得なかったケースも散見されます。
医療鑑定を活用する方法
医師意見書や画像鑑定は有効な医証ですが、それだけでは不十分なケースが多いです。自賠責保険で後遺障害が認定されるためには、総合的な対応が必要です。
後遺障害認定に不足している資料や検査をそろえて、後遺障害認定基準をクリアする必要があります。
弊社に医療鑑定をご依頼いただいた法律事務所様には、当該事案の後遺障害認定に向けてのサポートをいたします。
相談時に必要な書類と準備
医師意見書、画像鑑定,等級スクリーニング
- 相談書(依頼時にお渡しします)
- 画像検査
- 後遺障害診断書
- 診断書
- 診療報酬明細(レセプト)
- 損害確認報告書 / 事故現場実況見分調書 / 交通事故証明書 / 車の損傷写真 など
- 後遺障害等級結果連絡書
- 診療録(カルテ)
遺言能力鑑定
- 診断書(介護保険の主治医意見書を含む)
- 診療録(カルテ)
- 介護保険の認定調査票
- 画像検査
- 各種の検査結果
- 看護記録
- 介護記録
すべての資料が揃っていることが望ましいですが、足りない資料があっても医療鑑定できる可能性はあります。
これらの資料の受け渡しは、オンラインストレージもしくは郵送となります。安全性や利便性からオンラインストレージの利用を推奨しています。
ご依頼いただいた際に、オンラインストレージの使用方法を簡単にご説明させていただきます。
まとめ
医療鑑定は、交通事故や労災事故の後遺症、遺言能力(意思能力)の評価、医療過誤において、医学的な専門知識を提供するサービスです。
裁判官や弁護士、自賠責損害調査事務所は医学の専門家ではないため、専門的な判断が必要だからです。
医療鑑定には、交通事故の後遺障害認定で使用する医師意見書や画像鑑定、相続争いでの遺言能力鑑定があります。
医療鑑定の専門医は、特定の分野で高度な知識と経験を持ち、医学的判断を支える医療鑑定を作成します。
質の高い医療鑑定を受けるためには、正確な情報を準備して無料相談を活用しましょう。お困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
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