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大腿骨骨折が非該当になる原因とは?対処法を解説|交通事故の後遺障害

交通事故で大腿骨を骨折してようやく回復が見えてきた頃に、後遺障害が非該当とされて大きなショックを受ける方は少なくありません。

 

大腿骨骨折という重い外傷にもかかわらず、なぜ後遺障害として認められないのか…。

 

非該当の理由には、骨癒合の状態や骨折部位、画像所見と症状の不一致、提出された医証の内容など、専門的で分かりにくい認定基準にあります。

 

本記事では、大腿骨骨折が非該当になる主な原因を分かりやすく整理して、対処法や異議申し立てのポイントを丁寧に解説しています。

 

 

最終更新日: 2025/12/2

 

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Table of Contents

大腿骨骨折の後遺障害が非該当になる理由

骨癒合が良好

レントゲンやCT検査で骨癒合が良好だと、医学的には「障害が残っていない」と評価されて、非該当となりやすいです。

 

自覚的な痛みのみでは、神経症状としての後遺障害等級(14級9号など)も否定されやすく、慎重な医証の準備が必要になります。

 

 

骨幹部骨折で関節から距離がある

大腿骨は長管骨であり、骨幹部骨折は股関節・膝関節から距離があるため、理論上は関節可動域に直接影響しにくいとされています。

 

そのため、大腿骨骨幹部骨折後に股関節や膝関節の可動域制限が残っても、骨折との因果関係が乏しいとされて非該当になりやすいです。

 

 

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画像所見と症状が対応していない

後遺障害審査では、レントゲン・CT・MRI検査などの画像所見と、残っている症状がどれだけ整合しているかが重視されます。

 

例えば、「強い股関節痛・可動域制限」を訴えているのに、股関節周囲に異常所見がないと、医学的に説明困難とされて非該当になりやすいです。

 

 

認定基準を満たす画像検査が施行されていない

脚長差や長管骨変形の後遺障害等級は、SMD(棘果長)計測や下肢全長撮影など、一定の方法による計測が前提となります。

 

ところが、通常のレントゲン検査のみでは、脚長差や変形の具体的な数値を証明できないため、短縮障害や変形障害の認定要件を満たしません。

 

 

 

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大腿骨骨折が後遺障害認定されなかった場合の対処法

非該当になった原因を精査する

まず、自賠責の「後遺障害等級認定結果のご連絡」をもとに、どの点が認定基準を満たさないと判断されたのかを整理することが重要です。

 

典型的には、①画像上の有意所見なし、②可動域制限が認定基準未満、③脚長差が1cm未満、④診断書記載の不備などが理由になります。

 

診療録・画像検査一式を取り寄せて、医学的視点から非該当理由を分析できる整形外科専門医と連携して、問題点を明確化することが有効です。

 

 

後遺障害認定基準を満たすための医証を集める

「後遺障害等級認定結果のご連絡」で非該当の原因が判明したら、それを埋める新たな医証を追加取得します。

 

具体的には、下肢全長撮影による正確な脚長差測定、CT、MRI検査で骨癒合状態や関節内損傷の有無を明らかにすることが考えられます。

 

さらに、後遺障害診断書の修正・追記、医師意見書画像鑑定報告書などを取得することを検討します。

 

「自覚症状と画像所見の対応関係」を客観的に説明できるように整えることが重要です。

 

 

異議申し立てする

追加の医証がそろった段階で、自賠責保険に対する異議申し立てを検討します。

 

事前認定では加害者側任意保険会社、被害者請求では加害者側自賠責保険会社が窓口となり、損害保険料率算出機構で再審査が行われます。

 

異議申し立ては原則無料ですが、検査費用・診断書料は別途必要となり、審査期間は通常2〜3ヶ月程度です。

 

前回と同じ資料だけでは結論は変わらないため、「どの新しい証拠でどの判断を覆すのか」を異議申立書で論理的に示すことが重要です。

 

尚、大腿骨骨折が後遺障害認定されるポイントは、こちらのコラム記事で詳しく紹介しています。是非、参照していただきたいと思います。

 

 

<参考>
大腿骨骨折の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定

 

 

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大腿骨骨折の後遺障害認定サポートで当社が提供できること

弁護士向け専門サポート

弊社では、交通事故で受傷した大腿骨骨折の後遺症が、後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング®

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニング®の有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニング®を承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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被害者への弁護士紹介サービス

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

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尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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大腿骨骨折の後遺障害が非該当でよくある質問

骨折したのに非該当になることって本当にあるの?

はい、実務上しばしばあります。特に、大腿骨骨幹部骨折では関節への影響が少ないとされるため、非該当になるケースが多いのが現状です。

 

 

手術したのに、なぜ非該当なの?

プレート固定や髄内釘などの手術を受けた事実自体は、後遺障害等級の要件ではありません。

 

手術後に骨癒合が進み、可動域・脚長差・変形などが基準を満たさなければ、「手術は成功して、後遺障害は残らなかった」と評価されます。

 

また、固定材料が抜去され、画像上も問題なく日常生活に大きな支障がないと判断されれば、非該当とされることは十分あり得ます。

 

重要なのは「現在残っている後遺症の程度」を、画像検査などの医証で裏付けられるかどうかです。

 

 

可動域は少し狭いのに、計測が基準を満たさないと言われた。異議申し立てで覆る?

股関節や膝関節の機能障害は、健側との比較で3/4以下(12級7号)、1/2以下(10級11号)、10%以下(8級7号)という明確な基準があります。

 

可動域がわずかに狭い程度では、この後遺障害基準に届かず非該当となることがあります。

 

 

痛みが残っているのに“他覚所見なし”で非該当。どうすれば認定される?

痛みやしびれなどの神経症状で12級13号・14級9号が認定されるには、画像所見などによる医学的な裏付けが重視されます。

 

そのため、レントゲン・CT・MRI検査で骨癒合不良、変形癒合、周囲組織の障害などが確認できると有利です。

 

新たな画像検査の実施や、医師意見書画像鑑定報告書で後遺障害認定基準に足りなかった点を補強することも有効です。

 

 

画像では癒合しているけど、日常生活は明らかに不自由…これでも等級は無理?

日常生活の不自由さは重要ですが、自賠責保険の後遺障害認定は、あくまで医学的・客観的所見に基づく「障害の有無・程度」が基準となります。

 

画像上骨癒合が良好で可動域制限・脚長差も基準に達しない場合、生活の主観的不自由さだけでは等級認定に結び付きにくいのが実情です。

 

もっとも、その不自由さを裏付ける新たな医証を取得することで、14級9号などの可能性を探ることは考えられます。

 

 

長管骨変形や脚長差がわずかにあると言われた。これでも非該当の可能性があるの?

下肢の短縮障害は、脚長差1cm以上で13級、3cm以上で10級、5cm以上で8級とされています。

 

したがって、1cm未満の脚長差しかない場合は、原則として等級認定の対象外となり、非該当と判断される可能性が高いです。

 

また、長管骨変形(12級8号)も、レントゲン上で明確な変形癒合や偽関節が確認できる必要があり、軽微な変形では認定されにくいといえます。

 

 

固定材料(プレート・スクリュー)の残存は後遺障害としてカウントされる?

一般的に、プレート・スクリューなどの内固定材料が残っているだけでは、直ちに後遺障害等級の対象とはなりません。

 

重要なのは、それが原因で関節可動域制限や慢性疼痛、装具の必要性など、具体的な機能障害・神経症状が残っているかどうかです。

 

内固定材料が関節近傍に位置して、痛みや可動域制限を生じていることを画像所見から示されれば、異議申し立てする価値があります。

 

しかし、単なる「金属が入っている」という事実のみでは非該当と判断される可能性が高いです。

 

 

手術痕(瘢痕)が気になる。これで等級になることはある?

手術痕自体は、原則として下肢の機能障害とは別枠で「外貌醜状」として評価される可能性があります。

 

しかし、多くの大腿部手術痕は衣服で覆われる部位であり、自賠責保険の後遺障害認定基準上、対象外と判断されることが少なくありません。

 

もっとも、瘢痕が大きく、ケロイド化して強いかゆみや痛みを伴う場合は、後遺障害に認定される可能性があります。

 

 

 

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まとめ

 

大腿骨骨折が後遺障害で非該当となる主な理由は、画像検査で骨癒合が良好と判断されて、医学的に後遺症が残っていないと評価されるためです。

 

また、大腿骨骨幹部骨折は関節から離れているため可動域制限との因果関係が否定されやすいです。

 

さらに、症状と画像所見が一致しない場合や、脚長差・変形を測るための適切な検査が実施されていない場合も非該当となりやすいです。

 

非該当となった際は、理由を精査して、下肢全長撮影やCT・MRIなど基準を満たす医証を追加して異議申し立てを行うことが重要です。

 

大腿骨骨折の後遺障害認定でお困りなら、こちらからお問い合わせください。初回の法律事務所様は無料で等級スクリーニングを承ります。

 

 

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