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難聴の医師意見書とは?有効性と活用法も解説|交通事故の後遺障害

交通事故をきっかけに耳が聞こえにくくなったと悩む方は少なくありません。難聴は外見からは分かりにくく、支障が過小評価されやすいです。

 

一方、後遺障害認定では、難聴の医学的な根拠を明確に示す「医師意見書」が極めて重要になります。

 

医師意見書には、聴力検査の結果や難聴の原因、回復の見込みなど、診断書だけでは伝わりにくい専門的な評価が記載されます。

 

本記事では、難聴に関する医師意見書の内容や書き方、取得方法、そして交通事故や労災での活用法までを分かりやすく解説しています。

 

 

最終更新日: 2025/10/17

 

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Table of Contents

難聴と医師意見書の概要

難聴の基本理解

難聴は、耳から脳までのどこかの部位に傷害が発生して、音が聞こえにくくなった状態です。

 

交通事故や労災事故では、頭部外傷や耳への損傷が原因で、難聴を発症する場合があります。

 

難聴は、音の歪みや耳鳴りを伴うこともあり、日常生活や仕事への影響が大きい障害です。

 

 

<参考>
難聴の後遺障害認定ポイントは?交通事故との因果関係証明法も解説

 

 

難聴における医師意見書の役割とは

医師意見書とは、診療録や検査結果をもとにして、難聴の程度やその原因、事故との因果関係に関して医師が専門的見解を述べる文書です。

 

診断書よりも詳細に医学的な解説が記載されるため、異議申し立てや訴訟などで重要な証拠資料となります。

 

 

難聴の医師意見書で記載される内容

難聴に関する医師意見書には、主に以下のような内容が記載されるケースが多いです。

 

  • 傷病名
  • 治療経過
  • 難聴の種類や重症度
  • 純音聴力検査の結果
  • 語音聴力検査の結果
  • ABR検査の結果
  • 画像検査の結果
  • 事故と難聴の因果関係

 

 

これら以外にも、の後遺障害認定基準を満たしていることを、医学論文なども引用して解説します。

 

 

診断書との相違点

診断書は病名や治療内容、治療見込みを簡潔に記載した文書ですが、医師意見書は難聴の原因や事故との因果関係の医学的見解を記載します。

 

特に、後遺障害認定を求める異議申し立てや、事故と難聴発症の因果関係を立証する際に、医師意見書は重視されます。

 

 

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なぜ難聴では医師意見書が重視されるのか?

難聴の原因や事故との因果関係を医学的に解説

交通事故後に発症した難聴は、聴覚神経や内耳器官の損傷により、恒常的に聴力が低下する状態です。

 

難聴を発症する原因は多岐にわたるため、交通事故との因果関係が争われるケースが珍しくありません。

 

医師意見書では、交通事故後に発症した難聴の原因や事故との因果関係を、医学的に詳細に解説します。

 

 

難聴が後遺障害認定基準を満たすことを解説

交通事故や労災事故で発症した難聴では、聴力検査の認定基準を満たすかで、後遺障害が審査されます。

 

しかし、聴力検査の結果が後遺障害認定基準をクリアしていても、診療経過のために事故との因果関係を否定される可能性があります。

 

医師意見書では、具体的な聴力検査の結果や診療経過を精査して、難聴が後遺障害認定基準を満たすことを解説します。

 

 

異議申し立てや訴訟での証拠

認定結果に不服がある場合、異議申し立てや訴訟を提起しますが、医師意見書はその際の重要な証拠となります。

 

耳鼻咽喉科専門医の見解によって、事故と難聴発症の因果関係を裏付けることで、後遺障害認定の再評価や賠償請求に有利に働きます。

 

 

 

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難聴の医師意見書の使い方

異議申し立てで後遺障害認定を補強

後遺障害が認定されなかった場合、医師意見書を追加提出することで、聴力損失の程度や事故との因果関係を補足します。

 

耳鼻咽喉科専門医が医学的に解説した医師意見書によって、当方の主張の信頼性を高められます。

 

 

保険会社との示談交渉で納得できる解決を目指す

医師意見書は、耳鼻咽喉科専門医が詳細に解説するため、当方の主張を医学的に裏付けられる武器になります。

 

聴覚障害の程度や事故との因果関係が明確になれば、保険会社との示談交渉で優位に立ちやすく、納得のいく解決に近づけます。

 

 

裁判で医学的根拠として提示する

裁判では、当方の主張の裏付けとなる医学的根拠が重要です。医師意見書は、医学的な証拠資料とみなされています。

 

医師意見書は、耳鼻咽喉科専門医が事故と難聴の因果関係や難聴の重症度を解説する文書なので、強力な証拠能力を持ちます。

 

 

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難聴の医師意見書を取得する手順

必要な手続きと事前準備を整理

難聴の医師意見書の取得は、まず相談書、診断書、聴力検査、画像検査、診療報酬明細などの必要資料を準備して、医療鑑定会社に依頼します。

 

見積金額の了承後、医師意見書の骨子案(検討項目)が提案されます。骨子案に問題が無ければ、約4週間で初稿(医師意見書案)が提出されます。

 

医師意見書案に問題が無ければ、費用を支払います。入金確認後に医師意見書の原本が発送される流れが一般的です。

 

 

難聴の医師意見書作成に必要な資料

難聴の異議申し立てで使用する医師意見書の作成には、以下のような書類や資料が必要です。

 

  • 相談書(依頼時にお渡しします)
  • 画像検査
  • 聴力検査
  • 後遺障害診断書
  • 診断書
  • 診療報酬明細(レセプト)
  • 損害確認報告書 / 事故現場実況見分調書 / 車の損傷写真 など
  • 後遺障害等級結果連絡書
  • 診療録(カルテ)

 

 

症状や治療経過、日常生活の支障程度が分かる資料が多いほど、医師意見書の信頼性が高まります。

 

 

医師意見書の作成費用

概要

価格

整形外科

23万円

脳神経外科、脳神経内科

29万円

耳鼻科、眼科、歯科など

29万円

精神科

31万円

訴訟加算(整形外科)

4万円

訴訟加算(その他の科)

1万円

多部位加算(3部位以上)

3万円/数

特急対応加算

2万円

難事案加算

6万円~

反論意見書

-5万円

 

医師意見書の作成に必要な料金は、基本料金をベースとして以下の要素で変動します。

 

  • 診療科目
  • 訴訟事案
  • 顧問契約の有無
  • 弁護士特約の有無
  • 納品時期

 

 

耳鼻科領域における一般的な事案では、30万円前後の料金負担で耳鼻科咽喉科専門医による医師意見書の作成が可能です。

 

弊社の医師意見書作成にかかる、加算や割引などの詳細は、こちらをご確認ください。

 

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

難聴の医師意見書を取得するまでの期間は?

難聴の医師意見書を取得するまでの期間は依頼内容によります。一般的には4週間ほどで初稿(医師意見書案)が納品されます。

 

医師意見書案への修正依頼に、専門医が対応するのにかかる期間は、1~2週間のケースが多いです。

 

 

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難聴で後遺障害が認定されるポイントは?【弁護士向け】

 

難聴が、適切な後遺障害等級に認定されるには、以下のような後遺障害認定基準をすべて満たす必要があります。

 

  • 事故と症状に整合性がある
  • 後遺症と各種検査が一致している
  • 事故後から症状固定まで症状が続いている
  • 常に後遺症が存在している

 

 

シンプルに見えますが、すべてをクリアしている事案は少ないです。また、これら以外にも、たくさんの後遺障害認定基準が存在します。

 

医師意見書の価値は、後遺障害認定基準に足りていない要素を補強して、後遺障害の蓋然性を主張する点にあります。

 

この目的を達成するためには、医師意見書を受任する医療鑑定会社が、後遺障害認定基準を知り尽くしている必要があります。

 

難聴が後遺障害認定されるポイントは、こちらのコラム記事で詳しく紹介しています。是非、参照していただきたいと思います。

 

 

<参考>
難聴の後遺障害認定ポイントは?交通事故との因果関係証明法も解説

 

 

 

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難聴が後遺障害に認定されるための支援内容

弁護士へのサポート内容

弊社では、交通事故で発症した難聴が、後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング®

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニング®の有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニング®を承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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難聴を発症した被害者へのサポート内容

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

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尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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難聴の医師意見書でよくある質問

どの検査結果を基に難聴の程度を評価すればよいですか?

難聴の程度は、純音聴力検査(オージオメトリー)と語音聴力検査の結果に基づいて評価します。

 

 

難聴の原因が交通事故によるものと判断できる医学的根拠は何ですか?

事故直後の耳や頭部の外傷所見、CTやMRI検査、聴力検査を照合して、他の原因が排除できれば、事故との因果関係が医学的に認められます。

 

 

事故直後の聴力検査と、意見書作成時の聴力検査が異なる場合、どちらを重視すべきですか?

症状固定時期の聴力検査の結果で後遺障害が審査されます。しかし、事故直後の聴力検査も、事故との因果関係の証明に必要です。

 

 

医師意見書には、どのような記載(検査結果・経過・見解)が特に重要視されますか?

重要なのは、事故との因果関係、聴力検査結果、難聴の持続、治療経過、そして医師の分かりやすい解説です。

 

医師意見書内で、これらが整合的に示されることで、当方の主張の信頼性が高まります。

 

 

補聴器を使用している場合、その効果を意見書にどのように反映すればよいですか?

補聴器を外した状態での聴力検査結果が、後遺障害認定基準を満たしていることを記載します。補聴器の使用は補足的に記述します。

 

 

耳鳴りを伴う難聴の場合、耳鳴りの症状も後遺障害の対象になりますか?

耳鳴りを伴う難聴では、耳鳴りも聴力障害のひとつとして、後遺障害の対象になります。

 

 

<参考>
耳鳴りの医師意見書とは?有効性と活用法も解説|交通事故の後遺障害

 

 

聴力の回復が一部見られる場合、どの時点で固定と判断すべきですか?

これ以上治療を続けても、医学的に回復の見込みがないと医師が判断した時点を症状固定とします。

 

 

鼓膜穿孔や耳小骨損傷など、器質的損傷を伴う場合の評価方法はどうなりますか?

器質的損傷では、聴力検査に加えて、耳鏡やCT検査などの所見も重要です。損傷の部位や程度に応じて、後遺症の重症度を判断します。

 

 

 

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まとめ

 

難聴は、耳や脳の損傷によって音が聞こえにくくなる障害で、交通事故や労災事故を原因に発症することがあります。

 

見た目では分かりにくいものの、仕事や生活に大きな支障をきたすことも多く、後遺障害の認定には医学的根拠が欠かせません。

 

医師意見書は、診断書よりも詳しく聴力検査の結果や治療経過、事故との因果関係を専門的に解説する文書で、異議申し立てや訴訟時に重要な証拠になります。

 

純音聴力検査・語音聴力検査・ABR検査などの結果をもとに、事故後の難聴が後遺障害認定基準を満たすかを判断します。

 

耳鼻咽喉科専門医の意見書は、認定の再評価や示談交渉、裁判での医学的裏付けとして強い効力を持ちます。

 

難聴の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。尚、初回の法律事務所様は無料で承ります。

 

 

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