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大腿骨骨折の死亡率は?事故との因果関係の証明法も解説|交通事故

高齢者にとって「大腿骨骨折」は、単なる骨折では済まされない深刻なけがです。

 

とくに交通事故で骨折した場合、治療やリハビリの過程で健康状態が急速に悪化して、命に関わるケースも少なくありません。

 

実際に、大腿骨骨折をきっかけとして寝たきりや肺炎などを併発して、数カ月〜1年以内に亡くなる方も多いとされます。

 

本記事では、大腿骨骨折後の死亡率や主な死因、年齢や性別による差、がんなど他の疾患との比較など、信頼できる統計データをもとに解説します。

 

さらに、交通事故で負った大腿骨骨折が原因で死亡した場合に、医学的・法的にその因果関係をどう証明するかについても、裁判例などを交えて詳しく紹介していきます。

 

 

最終更新日: 2025/7/18

 

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大腿骨骨折の死亡率データ

大腿骨骨折後の30日・1年・5年死亡率

大腿骨近位部骨折の30日死亡率は約2~11%、1年死亡率は14〜36%(多くは20~30%)、5年後の死亡率は約40〜60%と報告されています。

 

大腿骨骨折後の長期的な生命予後は、非常に厳しいことが分かります。特に高齢者では、骨折がきっかけとなり、全身状態が悪化しやすい傾向があります。

 

 

年齢・性別による死亡率の違い

年齢が高いほど死亡率は上昇して、80歳以上では1年以内の死亡率が20%、90歳以上では30%に達するとの報告もあります。

 

性別では男性の死亡率が女性よりも高い傾向があり、同年代で比較しても男性のリスクが高いことが示されています。

 

 

他の疾患(がん等)との死亡率比較

大腿骨骨折後の5年生存率は約49%で、癌全体の5年生存率66.2%と比べても低い水準です。

 

つまり、癌よりも大腿骨骨折の方が生命予後が厳しい場合も多く、社会的にも大きなインパクトがあります。

 

 

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交通事故と大腿骨骨折による死亡の因果関係

交通事故による大腿骨骨折と死亡の医学的因果関係

交通事故による大腿骨骨折は、特に高齢者では死亡リスクを大きく高めます。

 

骨折後に長期臥床となり、体力低下や廃用症候群、誤嚥性肺炎などの合併症を引き起こして、最終的に死亡に至るケースが多く報告されています。

 

事故と死亡の間に一定期間が空いていても、医学的には骨折が主因と評価される場合があります。

 

 

骨粗鬆症や高齢が争点となる理由

高齢者や骨粗鬆症患者は骨が脆く、わずかな外力でも骨折しやすい特徴があります。

 

事故による骨折が死亡に直結したのか、それとも元々の骨の脆弱性や加齢による体力低下が主因なのかが争点となりやすいです。

 

骨粗鬆症の程度や高齢は、損害賠償請求時に因果関係や損害額の判断材料として重視されます。

 

 

「素因減額」の考え方とその適用例

素因減額とは、被害者に事故前からあった疾患や体質(例:骨粗鬆症や高齢による体力低下)が損害の発生や拡大に寄与したら、その分だけ損害賠償額を減額する制度です。

 

減額割合は事案ごとに異なり、明確な基準はありませんが、既往症や加齢が損害拡大の主因と認められると減額される可能性があります。

 

 

裁判例・過去の認定事例の傾向

裁判例では、高齢者が交通事故で大腿骨骨折後に寝たきりとなり、数ヶ月後に死亡した場合でも、事故と死亡の因果関係が認められた事例が複数存在します。

 

一方で、骨粗鬆症や既往症が強く影響したと判断されると、素因減額が適用される傾向も見られます。個別の医学的証拠や経過が重視されるため、専門医による医師意見書が重要です。

 

 

<参考>

 

 

 

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<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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大腿骨骨折の死亡率でよくある質問

大腿骨骨折で死亡する原因は何ですか?

大腿骨骨折で死亡する主な原因は、骨折後の長期臥床による合併症です。特に多いのは肺炎、心不全、敗血症、血栓による肺塞栓症などが挙げられます。

 

高齢者では骨折を契機に活動性が低下し、全身状態が悪化しやすくなります。手術や治療の遅れも死亡リスクを高める要因です。

 

 

大腿骨頸部骨折で死ぬことはありますか?

大腿骨頸部骨折は、特に高齢者にとって命に関わる重篤な骨折です。実際に、骨折後1年以内の死亡率は10~30%、5年後には約半数が亡くなるというデータもあります。

 

骨折をきっかけに寝たきりとなり、合併症が重なって死亡に至るケースが少なくありません。

 

 

高齢者の大腿骨骨折の余命は?

高齢者が大腿骨骨折を受傷した場合、余命は大きく短縮する傾向があります。1年死亡率は15~30%、5年生存率は約45~50%と報告されています。

 

特に80歳以上や基礎疾患を持つ方では余命がさらに短くなることが多いです。骨折後はリハビリや早期離床が重要ですが、完全な回復は難しい場合も多いです。

 

 

 

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まとめ

 

大腿骨骨折は特に高齢者にとって命に関わるけがであり、骨折後30日以内の死亡率は約3~11%、1年以内では最大33%、5年後には半数以上が亡くなるというデータがあります。

 

がんよりも予後が悪い場合もあり、社会的にも深刻な問題です。事故による骨折が死亡にどの程度関係しているのかは、骨粗鬆症や高齢といった要因も加わり、因果関係の証明が争点になります。

 

死亡との因果関係を明らかにするには、専門的な医学的知見や証拠が重要です。大腿骨骨折でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。尚、初回の法律事務所様は無料で承ります。

 

 

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