交通事故コラム詳細

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高齢者の骨折が寝たきりになる理由は?損害賠償請求のポイントも解説

年齢を重ねると、ちょっとした転倒でも骨折につながることがあります。

 

そして、その骨折がきっかけとなって、高齢者が寝たきりになるケースも少なくありません。なぜ骨折がここまで深刻な結果を招くのでしょうか? 

 

本記事では、骨折から寝たきりに至る過程やその背景にある身体的・医学的な理由をわかりやすく解説しています。

 

また、介護や交通事故などが原因となった骨折の損害賠償請求のポイントも紹介しています。高齢のご家族を持つ方に役立つ内容となっています。

 

 

最終更新日: 2025/7/10

 

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高齢者の骨折が寝たきりに至る流れ

骨折後の長期安静が招く筋力・体力低下

骨折後の長期安静により、高齢者は短期間で筋力・筋肉量を急激に失い、廃用性筋萎縮を引き起こします。

 

10日間の安静で下肢筋力が約16%減少、2週間で心肺機能も著しく低下すると言われています。

 

また、3週間安静が加齢40年分の体力低下に匹敵するという研究もあり、関節拘縮や起立性低血圧も誘発されます。

 

これらの要因のため、立ち上がりや歩行能力が失われ、寝たままの状態が常態化しがちです。

 

 

ADL(日常生活動作)が低下して寝たきりへ

筋力と体力の急激な低下は、ADL(日常生活動作)の著しい低下につながります。

 

ベッドからの起き上がり、歩行、排泄・食事などの基本動作が困難になり、介護なしでは行えないほどの自立度低下が進行します。

 

加えて、二次的な関節拘縮やバランス能力の衰えが転倒リスクを高めて、再骨折や転倒につながる悪循環に陥ります。

 

 

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高齢者が骨折しやすい主な原因

加齢による筋力低下・バランス能力の衰え

加齢に伴い、特に下肢の筋力やバランス機能が衰える「サルコペニア」が進行します。速筋が減少して歩行速度が低下して、つまずきやすさも増加します。

 

サルコペニアのため、転倒リスクが高まり、転倒が骨折につながるケースが多いです。

 

 

骨粗鬆症による骨の脆弱化

骨粗鬆症は、骨強度を著しく低下させるため、わずかな衝撃でも骨折しやすくなる疾患です。

 

日本では高齢女性の約半数が罹患しており、骨粗鬆症は「症状のないサイレント病」として進行します。

 

特に閉経後の女性や腎機能低下がある方は、カルシウム・ビタミンD代謝の低下によりリスクが高まります。

 

 

認知機能の増悪

認知症を有する高齢者は、骨密度の低下と認知機能低下が複合的に骨折リスクを高めます。

 

認知症の中核症状や治療に使用される薬剤がふらつきや転倒の原因となりうるため、骨折後の予後も不良です。

 

 

再転倒や再骨折のリスクが上がる

一度骨折すると、ADL低下や歩行困難を伴い、再転倒のリスクが上昇します。

 

統計では、大腿骨近位部骨折後は1年以内の再骨折・再入院率が高く、ADL低下や要介護への移行が顕著です。

 

 

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骨折しやすい部位と寝たきりリスクの高い骨折

大腿骨近位部骨折(太ももの付け根)

大腿骨近位部骨折は、立ち上がる高さでの転倒により起こりやすく、治療・リハビリ中にも筋力や活動能力が低下して、寝たきりへ移行するリスクが非常に高いです。

 

高齢者では骨折後1年以内の死亡率が約20%、生存率は80歳以上で25%程度と、余命にも重大な影響があります。

 

歩行能力が回復できるかどうかは、術後リハビリや多職種による骨折リエゾンサービスの導入が重要です。

 

 

圧迫骨折

脊椎の圧迫骨折は、椅子からの尻もちや咳・くしゃみの軽微な衝撃でも起こり得ます。

 

治療には約3週間以上の安静が必要で、その間に筋力や心肺機能が低下して、長期的な寝たきり生活に移行しやすいです。

 

さらに、体を動かさないことで認知機能が低下して、認知症リスクも高まります。早期離床とコルセット固定によるリハビリ開始が予後を分けます。

 

 

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介護事故や交通事故と寝たきりの実態

体位変換やオムツ交換中の骨折リスク

介護現場では、オムツ交換や体位変換といった日常的な介助動作で大腿骨頸部などが骨折するケースが知られています。

 

高齢者は骨粗鬆症による骨の脆弱化が進んでおり、利用者自身が身体を支えづらい状況では、介助者による不適切な力加減が容易に骨折を引き起こします。

 

実際に「おむつ交換骨折」が典型例として報告され、ケア現場では極めて注意が必要です。

 

 

事故による骨折で寝たきりになる

交通事故や転倒事故による骨折は、高齢者の介護が必要になる主因の一つです。屋内外問わず転倒が多く、救急搬送される事例が多いです。

 

また、骨折・転倒は介護状態に至る原因の約14%を占め、事故体験が寝たきりへの重大な分岐点となっています。

 

 

 

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施設や加害者側への損害賠償請求のポイント

過失と因果関係の立証方法

介護施設や、交通事故の加害者への賠償請求では、「過失」と「因果関係」の証明がポイントになります。

 

施設は安全配慮義務の下、環境整備や職員教育など注意義務を負います。転倒事故時にこれが怠られていた場合、過失と認定されます。

 

一方、因果関係とは、その注意義務の不履行が直接的に転倒事故や骨折を引き起こしたかどうかです。

 

事故報告書や現場記録、医療鑑定などを用いて、両者を立証することが重要です。

 

 

医師意見書の活用

骨折事故で損害賠償を求める際、協力医による医師意見書は、医学的因果関係や後遺障害の有無を裏付ける強力な証拠です。

 

診断内容・画像検査所見・経過と症状などを整理して、事故との関係性を専門医が論理的に説明します。

 

医師意見書は、訴訟や示談交渉において、怪我の因果性や後遺症への理解を促して、適切な賠償金額の支払いを施設側に促す効果が期待できます。

 

 

<参考>
医療訴訟の医師意見書|160名の各科専門医による圧倒的実績

 

 

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高齢者の骨折による寝たきりで弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、高齢者の骨折による寝たきりが、後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング®

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニング®の有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニング®を承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

労災事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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高齢者の骨折による寝たきりの後遺障害認定でお悩みの患者さんへ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

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尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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高齢者の骨折が寝たきりになる理由でよくある質問

高齢者の大腿骨骨折の余命は?

大腿骨近位部骨折後の1年以内の死亡率は15〜25%に達しており、特に80歳以上で高くなります。

 

入院期間は平均30~45日、その後も再入院や再骨折のリスクが続き、ADL(生活動作能力)が大幅に低下します。

 

これが寿命にも影響して、高齢者にとっては“命に関わる骨折”とされています。

 

 

高齢者が寝たきりになるとどんなリスクがありますか?

寝たきりでは「廃用症候群」が発症して、筋力、関節、内臓、精神機能が低下します。

 

さらに褥瘡、肺炎、うつ症状、低栄養など重篤な合併症のリスクも増加します。

 

ベッド中心の生活が続くと回復が困難となり、要介護度や死亡率の上昇にもつながります。

 

 

高齢者の骨折の回復期間は?

高齢者の大腿骨骨折では、手術後2週間程度の一般病院での入院リハビリの後、リハビリ病院へ転院しさらに4〜8週間の訓練を行うのが一般的です。

 

非手術の場合は2〜3か月の寝たきり安静状態が続くこともあり、治癒までに相当な時間を要します。

 

 

高齢者の寝たきり期間はどれくらいですか?

寝たきりの定義は「6ヶ月以上ベッドで過ごす状態」とされることが多く、骨折後6ヶ月以上移動が困難な状態が続くと、それが恒常化します。

 

加えて、ADL低下や廃用症候群が長期化すると、回復が難しくなります。

 

 

 

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まとめ

 

高齢者が骨折すると、筋力や体力が急激に低下して、日常生活動作(ADL)が困難になりやすく、寝たきり状態に至ることがあります。

 

特に大腿骨や脊椎の骨折は、治療やリハビリ中の安静によって筋萎縮が進み、歩行能力が戻らず寝たきりが定着するリスクが高まります。

 

また、加齢や骨粗鬆症、認知機能の低下などが骨折を招きやすく、再骨折の危険も増します。

 

高齢者が骨折して寝たきりになったケースの損害賠償請求や後遺障害認定で、お困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

尚、初回の法律事務所様は無料で承ります。

 

 

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