交通事故によるむち打ちは、見た目に分かりにくいものの、首や肩の痛みが長引き、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。
特に3ヶ月ほど通院を続けた場合、「慰謝料はいくらもらえるのか?」「相手の保険会社とどう交渉すればいいのか?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
また、慰謝料の計算にはいくつかの基準があり、交渉の進め方によって金額が変わることもあります。
ここでは、むち打ちで3ヶ月通院したケースを前提に、慰謝料の相場や計算方法、さらには交渉の注意点まで分かりやすく解説しています。
最終更新日: 2025/7/3
Table of Contents
むち打ちで3ヶ月通院の慰謝料相場
慰謝料の算出方法は3種類ある
慰謝料は「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士(裁判)基準」の3つの算定基準で計算されます。
自賠責は最低補償額、任意保険は保険会社独自の非公開基準、弁護士基準は過去の裁判例に基づく最も高額な基準です。基準によって金額が大きく異なります。
1. 自賠責基準
自賠責基準は、交通事故強制加入の最低限補償する基準です。通院日数を元に「日額4,300円×対象日数」で計算され、通院3ヶ月(90日)で実通院日数に応じて、理論上は最大約38.7万円が上限となります。
慰謝料の増額には限界があるため、重症でもこれ以上の金額は自賠責保険から受け取れません。
2. 任意保険基準
任意保険基準は、各保険会社が独自設けている非公開基準です。自賠責よりやや高めを想定しますが、現在は自賠責基準に近い金額が提示されることが多いです。
旧統一基準では通院3ヶ月だと約37.8万円が目安ですが、実際の提示額はこれ以下になるケースもあります。
3. 弁護士基準(裁判基準)
弁護士や裁判所が用いる最も高い基準で、3ヶ月通院なら軽傷で約53万円、重傷で約73万円が相場です。
算定表に基づいて厳格に計算され、自賠責や任意保険の金額を大きく上回ります。ただし、適用には弁護士依頼が前提です。
慰謝料の種類は?
交通事故の慰謝料は大きく「入通院慰謝料」「後遺障害慰謝料」「死亡慰謝料」の3種類に分類されます。
入通院慰謝料は治療にかかる期間中の精神的苦痛に対し支払われ、後遺障害慰謝料は回復後も残る症状に対して、死亡慰謝料は被害者や遺族の精神的苦痛に対して支払われます。
むち打ちで3ヶ月通院する際の注意点
通院日数が少な過ぎると慰謝料が減る
通院頻度が低いと、保険会社に「症状が軽い」と判断されて、慰謝料額が減るリスクがあります。
自賠責基準では通院日数×4,300円で計算され、頻度が少なければ金額はそのまま減少します。
弁護士基準でも、通院頻度が極端に低い場合は、実通院日数を基準に減額される可能性があります。
通院日数が多過ぎると治療費打ち切りになりやすい
医師の指示なく毎日通院するなど、過剰な診療と判断されると、保険会社から治療費の負担を拒否される可能性があります。
また、必要以上に治療期間を延ばすと、過剰診療と見なされ、治療費や慰謝料が支払われないリスクがあります。
尚、治療費の打ち切りは保険会社が3ヶ月を目安に打診することが多いですが、症状固定の判断は医師が行います。
通院3ヶ月では後遺障害に認定されない
通院3ヶ月程度のケースは「まだ完治の可能性がある」と判断されて、後遺障害等級の認定が難しいのが実情です。
むち打ちで後遺障害認定を受けるには、原則として6ヶ月以上の通院期間が必要とされています。
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<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定
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<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定報告書
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画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
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<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
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むち打ちの通院 3ヶ月の慰謝料でよくある質問
打撲で3ヶ月通院したら慰謝料はいくらですか?
弁護士基準では、軽い打撲で3ヶ月通院した場合、慰謝料は約53万円が目安です。
ただし、実際の通院頻度が少ないと、実通院日数×3倍・実通院日数×3.5倍などの算出方法が取られて減額されるケースもあるため、通院の維持が重要です。
むちうちの通院が3ヶ月で打ち切りになるのはなぜ?
むち打ちの一般的な治癒期間は約3ヶ月とされており、この時期を迎えると保険会社は「症状固定」と見なして治療費の一括支払いを終了させる傾向があります。
また、慰謝料や治療費の総額を抑える目的もあるため、受傷後3ヶ月で打ち切りが提案されやすいです。
むち打ちで3ヶ月通院したら示談金はいくらですか?
示談金は慰謝料に加えて、治療費・交通費・休業損害などを合算した金額です。
3ヶ月通院の場合、慰謝料約53万円に加え、治療費や交通費、収入の減少分を合わせた示談金の相場は60~100万円以上になるケースもあります。
示談金を最適化するには、治療内容や証拠資料を整え、弁護士基準での交渉が有効です。
まとめ
むち打ちで3ヶ月通院した場合の慰謝料は、計算基準によって大きく異なります。
自賠責基準では約38.7万円が上限、任意保険基準ではそれ以下になることもありますが、弁護士基準なら軽傷で約53万円、重傷なら約73万円が目安です。
慰謝料には入通院・後遺障害・死亡の3種類があり、通院頻度が少ないと減額のリスクが、反対に多すぎると治療費打ち切りの可能性があります。
むち打ちの後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。尚、初回の法律事務所様は無料で承ります。
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