交通事故に遭い、腰椎捻挫という診断を受けたものの、今後の治療や補償について何から手をつければよいのか分からず、不安を感じていませんか?
腰椎捻挫は、見た目では重症に見えにくい一方、痛みやしびれが長引くケースも少なくありません。
そんな中で気になるのが、慰謝料や治療費、通院にかかる費用、そして仕事を休んだ際の休業補償など、お金に関することではないでしょうか。
本記事では、腰椎捻挫による慰謝料の相場や損害賠償の内容、後遺障害の等級認定について分かりやすく解説しています。
最終更新日: 2025/5/18
Table of Contents
交通事故で腰椎捻挫を負った時の慰謝料は?
慰謝料の3つの基準
交通事故の慰謝料は、算出方法により「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の3つに分かれます。
自賠責基準は最低限の補償で、任意保険基準は保険会社が独自に設定するものであり、一般的に低額です。
弁護士基準は裁判所の判例を基にしたもので、最も高額な慰謝料が算出される傾向があります。
適正な慰謝料を得るためには、弁護士基準での請求を検討することが重要です。
入通院慰謝料の相場
腰椎捻挫による入通院慰謝料は、通院日数や期間に応じて算出されます。自賠責基準では、1日あたり4,300円が支払われ、総額は通院日数や期間に基づいて決定されます。
弁護士基準では、例えば通院3ヶ月で約53万円が相場とされています。保険会社から提示される金額が低い場合は、弁護士に相談して、適正な金額を請求することが望ましいです。
後遺障害慰謝料の相場
腰椎捻挫が原因で後遺障害が残ったら、等級に応じた慰謝料が支払われます。自賠責基準では、14級で32万円、12級で94万円が支払われます。
弁護士基準では、14級で110万円、12級で290万円が相場とされています。上位の後遺障害等級の認定を受けることで、慰謝料が大幅に増額される可能性があります。
慰謝料以外の損害賠償金は?
休業損害
交通事故により負傷して、仕事を休んだことで収入が減少したら、その減収分は「休業損害」として補償されます。
給与所得者は勤務先が発行する「休業損害証明書」により証明して、自営業者や専業主婦(主夫)は確定申告書や別の資料で収入減少を示す必要があります。
後遺障害逸失利益
交通事故による後遺障害で労働能力が低下して、将来的な収入が減少する場合、その差額は「後遺障害逸失利益」として補償されます。
労働能力喪失率は、事故前の状態を100%として、どれだけパフォーマンスが低下するかをパーセンテージで示します。
治療費、通院交通費、車の修理費用など
交通事故による治療費や通院交通費は、事故との因果関係があり、かつ必要な範囲の支出であれば補償対象となります。
例えば、事故で負ったケガの治療のために通院する交通費は補償されますが、趣味のための交通費は対象外です。
交通事故による腰椎捻挫の後遺障害等級
等級 | 認定基準 |
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
14級9号 | 局部に神経症状を残すもの |
12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの
12級13号に認定されるには、レントゲン検査やMRI検査などで、明確な異常が確認できることが必須条件です。
具体的には、以下のような所見が必要です。
- 椎間板ヘルニアや骨棘(加齢による変化)
- 椎間板の厚みが減っている(椎間板高の減少)
- 神経圧迫があることが画像で確認できる
さらに、筋力低下や筋肉の萎縮、腱反射の異常など、医師による客観的な神経学的所見も必要です。
14級9号:局部に神経症状を残すもの
「14級9号」は、12級ほど厳しくはありませんが、以下の条件が必要です。
- 症状固定(医師がこれ以上回復は見込めないと判断した状態)であること
- 自覚症状(痛みやしびれなど)が一貫して続いていること
- 通院回数や期間に一定の継続性があること
- 事故と症状の因果関係が認められること
たとえ画像に異常がなくても、事故後すぐから痛みが続いていて、通院記録や医師の診断がしっかりしていれば認定される可能性は十分あります。
腰椎捻挫の後遺障害認定ポイント
腰椎捻挫が後遺障害に認定されるポイントは、こちらのコラム記事に詳述しています。興味のある方は、参照いただければ幸いです。
<参考>
腰椎捻挫の後遺症と後遺障害認定ポイント|交通事故の医療鑑定
【12級13号】腰椎捻挫の後遺障害認定事例
事案サマリー
- 被害者:46歳
- 初回申請:非該当
- 異議申立て:12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)
交通事故後に腰痛と右下肢に放散する痛みが持続していました。痛みのため、半年以上通院を余儀なくされましたが、症状は改善しませんでした。初回申請時には非該当と判定されました。
弊社の取り組み
弊社に相談があり、診療録を詳細に確認すると、受傷直後から腰椎椎間板ヘルニアに特徴的な「ラセーグ徴候陽性」と複数箇所に記載されていました。
MRIで、L4/5レベルに椎間板ヘルニア(矢印)を認め、患者さんの右下肢痛は椎間板ヘルニアが圧迫しているL5神経根の知覚領域と一致していました。
脊椎外科専門医が診療録を確認したところ、初回申請時に見落とされていたため、これらの所見を丁寧に医師意見書に記載しました。
初回申請時には、腰椎MRI画像で確認できる椎間板ヘルニアの所見が軽視されていたため、読影所見の補足も行いました。異議申立てを行ったところ12級13号が認定されました。
【14級9号】腰椎捻挫の後遺障害認定事例
事案サマリー
- 被害者:39歳
- 初回申請:非該当
- 異議申立て:14級9号(局部に神経症状を残すもの)
交通事故後に腰痛を自覚されていました。受傷から8ヵ月通院されましたが、頑固な腰痛は改善せず、後遺障害診断書が作成されましたが、非該当と判定されたため、弊社に相談がきました。
弊社の取り組み
画像を脊椎外科専門医が詳細に読影したところ、事故の後から、L4/5椎間板高の減少(椎間板がすり減って、高さが低くなる現象)が進行していることが明らかになりました。
これらの所見について、医師意見書を作成して異議申立てを行ったところ14級9号が認定されました。
腰椎捻挫の後遺障害認定で弊社ができること
弁護士の方へ
弊社では、腰椎捻挫の後遺症が後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。
等級スクリーニング®
現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。
等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。
等級スクリーニング®の有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニング®を承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。
<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定
医師意見書
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。
医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。
医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。
弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。
<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定報告書
交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。
画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。
弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。
<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
腰椎捻挫の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ
弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。
また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。
もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。
尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。
弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。
交通事故による腰椎捻挫の慰謝料でよくある質問
交通事故の慰謝料は1日8400円ですか?
「1日8400円」という金額は、慰謝料の計算方法の一つである自賠責保険の基準に基づくものです。
自賠責保険では、入通院日数に応じて日額4200円が支払われるため、1日あたりの慰謝料は4200円となります。
ただし、実際の慰謝料は、治療期間や通院回数、後遺障害の有無などによって異なります。
慰謝料の最低金額はいくらですか?
慰謝料の最低金額は、事故の状況や被害者の状態によって異なりますが、軽微な事故であっても一定の慰謝料が認められる場合があります。
例えば、通院日数が少なくても、精神的苦痛や生活への影響が認められれば、数万円から数十万円の慰謝料が支払われることがあります。
通院30回の慰謝料はいくらですか?
通院回数が30回の場合、慰謝料の相場は以下の通りです。
- 軽傷の場合:約100万円~150万円
- 中傷の場合:約200万円~300万円
- 重傷の場合:約300万円~500万円
ただし、実際の慰謝料の金額は、後遺症の有無や精神的苦痛、過失割合など、さまざまな要素によって変動します。
まとめ
交通事故で腰椎捻挫を負うと、慰謝料は「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の3つの方法で計算され、弁護士基準が最も高額になります。
入通院慰謝料は自賠責で1日4300円が支払われ、通院3ヶ月なら弁護士基準で約53万円が相場です。
後遺障害が残った場合、等級に応じて慰謝料は大きく変わり、14級で最大110万円、12級では290万円が目安です。
適正な補償を得るには専門家の支援が重要です。腰椎捻挫の後遺障害認定でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。尚、初回の法律事務所様は無料で承ります。
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