交通事故に遭った直後は、痛みや不調が軽いと感じていても、時間が経つにつれて症状が悪化するケースがあります。
特に事故から少し時間が経過した頃に「なんとなく違和感がある」「急に痛みが強くなってきた」といったケースは少なくありません。
このような遅れて現れる痛みは、放置すると後遺障害につながる可能性もあるため注意が必要です。
しかし、どの程度の痛みで受診すべきか、損害賠償請求や後遺障害認定に影響するのか、悩む方も多いでしょう。
本記事では、事故から後に出る痛みの原因や正しい対処法、さらに医師に相談すべきタイミングなどを詳しく解説します。
最終更新日: 2025/5/15
Table of Contents
事故の後に痛みが出たときの対処法
できるだけ早く病院を受診する
交通事故後、痛みや不調がある場合は、できるだけ早く病院を受診することが重要です。事故直後はアドレナリンの影響で痛みを感じにくいことがありますが、時間が経つにつれて症状が現れることがあります。
早期の診察により、事故と症状の因果関係を明確にして、適切な治療を受けることができます。首や腰、手足の痛みでは、整形外科の受診が推奨されます。
診断書を作成してもらう
診断書は、交通事故による怪我の状況や治療の必要性を証明する重要な書類です。損害賠償請求や警察への届出、後遺障害等級認定などに必要となります。
診断書は医師によって作成され、整骨院や接骨院では発行できません。作成費用は病院によって異なりますが、事故による損害として加害者側に請求できる場合があります。
保険会社に連絡する
交通事故に遭った場合、速やかに自身の加入する保険会社に連絡することが必要です。
事故の状況や怪我の程度、相手方の情報などを正確に伝えることで、適切な対応や補償を受けることができます。
連絡が遅れると、保険金の支払いに影響が出る可能性があるため、注意が必要です。
物損事故を人身事故に切り替える
事故当初、怪我が軽微であると判断され物損事故として処理された場合でも、後日症状が悪化した際には人身事故への切り替えが可能です。
切り替えには、医師の診断書を警察に提出する必要があります。ただし、事故から時間が経過すると、警察が受理しない場合もあるため、早めの手続きが求められます。
事故の後に痛みが出る理由
緊張状態による痛みの遅れ
事故直後は、身体が緊張状態にあり、アドレナリンやβエンドルフィンといった物質が分泌されることで、痛みを感じにくくなります。
このため、事故当日は痛みを感じなくても、時間が経過し緊張が解けた後に痛みが現れることがあります。
むちうち(頚椎捻挫)による遅発性の痛み
交通事故の衝撃で、首が鞭のようにしなることで発症すると言われているむちうちは、事故直後ではなく、数時間から数日後に痛みや不調が現れることが特徴です。
このため、むちうちでは、事故当日は症状が軽微でも、後日になって痛みが強くなるケースがあります。
<参考>
受傷部位の腫れや炎症の進行
事故直後には目立たなかった腫れや炎症が、時間の経過とともに進行して、痛みが強くなることがあります。
特に、捻挫や打撲、骨折などの外傷では、受傷後数時間から数日以内に痛みが増すことが多いです。
事故の後から出た痛みも損害賠償金を請求できる?
事故の後から痛みが出ても損害賠償金を請求できる
交通事故後、数日から数週間経ってから痛みや不調が現れることがあります。このような遅れて出現した症状でも、事故との因果関係が認められれば、損害賠償金の請求が可能です。
重要なのは、症状が現れた時点で速やかに医療機関を受診して、診断書を取得することです。診断書の取得によって、事故との関連性を証明しやすくなります。
示談成立後に出た痛みは損害賠償金を請求できない可能性が高い
示談が成立すると、通常はその時点での症状や損害についての賠償が完了したと見なされます。そのため、示談後に新たな痛みや後遺症が現れても、追加で損害賠償金を請求することは難しいです。
ただし、示談書に特約がある場合や、相手方が故意に情報を隠していた場合など、特別な事情があれば再請求が認められる可能性もあります。
事故2週間後の痛みは後遺障害に認定されるのか?
事故と痛みの因果関係証明が難しい
交通事故後に痛みが遅れて現れた場合、その痛みが事故によるものかどうかを証明することは容易ではありません。
特に、事故から時間が経過していると、他の要因による痛みとの区別が難しくなります。
因果関係を証明するためには、事故直後からの医療記録や診断書、医師の意見書などが重要な証拠となります。
また、事故後すぐに医療機関を受診して、症状を記録しておくことが、後の証明に役立ちます。
後遺障害認定は極めて難しい
後遺障害の認定は、単に痛みが続いているだけでは認められません。認定されるためには、痛みによって日常生活に支障が生じていることや、医学的にその状態が証明される必要があります。
特に、事故の規模が小さい場合や、明確な外傷がない場合には、認定が難しくなる傾向があります。そのため、事故後の症状や生活への影響を詳細に記録して、医師と連携して必要な書類を整えることが重要です。
交通事故の後遺障害認定で弊社ができること
弁護士の方へ
弊社では、交通事故で受傷した後遺症に対する示談交渉や訴訟提起のために、さまざまなサービスを提供しております。
等級スクリーニング®
現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。
等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。
<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定
医師意見書
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。
医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。
医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。
弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。
<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定報告書
画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。
弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。
<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
交通事故の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ
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また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。
もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。
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事故2週間後の痛みでよくある質問
事故のあとから痛みが出てきた場合、何日以内に受診すればよい?
交通事故後に痛みや違和感を感じた場合は、できるだけ早く医療機関を受診することが重要です。
特に事故から数日以内に受診することで、症状と事故との因果関係を明確にしやすくなります。
遅れて受診すると、保険の適用や後遺障害認定に影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
事故後何日後に痛みが現れますか?
交通事故による痛みの出現時期は個人差がありますが、一般的には事故当日から翌日、または数日後に症状が現れることが多いです。
しかし、中には数週間後に痛みや不調が出るケースもあります。事故後は、体調の変化に注意して、異常を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。
交通事故後数ヶ月後に痛みを感じることはありますか?
交通事故後、数ヶ月経ってから痛みや不調を感じることもあります。特に、むち打ち症などは慢性化することがあり、時間が経過してから症状が悪化する場合もあります。
事故から時間が経っていても、症状が現れた際は医療機関を受診して、適切な診断と治療を受けることが重要です。
むち打ちの2週間後の症状は?
むち打ちは、事故直後ではなく、数日後に症状が現れることがあります。一方、2週間後にも続いている症状としては、首や肩の痛み、頭痛、めまい、しびれなどが挙げられます。
<参考>
【日経メディカル】あなどれない「むち打ち」の後遺症、首にとどまらない驚きの症状とは
まとめ
交通事故後、痛みがすぐに現れない場合でも、後から症状が出ることは珍しくありません。これはアドレナリンの作用やむち打ち症、炎症の進行などが原因です。
痛みが出たらできるだけ早く病院を受診して、診断書を取得しておくことが重要です。診断書の取得により、事故との因果関係が証明しやすくなり、損害賠償請求や後遺障害認定にも有利になります。
ただし、示談成立後や時間が経過した後では、損害賠償請求が難しくなるため、早めの対応が求められます。
交通事故の後遺障害認定で、お困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
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